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外出先で騒ぐ子ども。親として、居合わせた大人としてどうマナーを教える?

2018/05/18


5月の大型連休、皆様どちらかお出かけされましたか? 一歩外に出たら公共のマナーを守らなければいけないのは大人も子どもも一緒です。「子どもがうるさくて楽しめなかった」という感想を持つのは、親だけではありません。

今日は、お出かけのマナーをどのように子どもに伝えていくか、それぞれの立場から考えていきましょう。

親として、事前に外出先での約束ごとを伝えておく

いつもと違う、お出かけの時間。大人もわくわくして気持ちが昂ぶりますよね。子どもだったらなおのこと。子どもはその表現方法もさまざまです。なかには駆け出したり、大きな声で楽しい気持ちを表現する子もいるでしょう。

子どもの興奮を和らげるには、今日はどんなところへ行くのか、どういう状況が予想されるか、何に気をつけるかを、事前に伝えてあげることが有効です。

たとえば、「今日はたくさんの玩具やお洋服が売っているデパートというところに行くよ。たくさんの人がいるから、はぐれないようにね。みんな静かにお買い物しているから、○○ちゃんも静かにお買い物しようね」と伝えます。

それでも、想像をはるかに超えるたくさんの玩具を目にしたら、子どもは興奮するかもしれません。

そんなときは、「たくさんのオモチャ、嬉しいね」と、まず子どもの気持ちを承認し、そのうえで、「出かける前にママとお約束したよね。静かに見ようね」と注意をすると、子どもは約束したことを思い出します。
いきなり「静かにしなさい!」では、そのときは静かになるかもしれませんが、すぐに元通りです。

ときどき、子どもから目を離し、自分の用に夢中になる親御さんも見かけますが、外出先に連れてきた責任者、保護者として自分の子どもからは目を離さないようにしましょう。

周りの大人として、騒ぐ子どもにマナーを教えるときは?

騒いでいる子どもを見かけたとき、皆様はどのような対応をされていますか? 親が子どもを注意するのを待っていますか?

このご時世では、「下手に話しかけたらいけないのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、よその子どもであってもいけないことをしていたら、正しいふるまいを教えるのは大人の役目ではないでしょうか。

その場合も、「うるさい!」「静かにしろ!」などと注意するのではなく、子どもにわかるように伝えてあげましょう。まず事実を確認させ、どうすれば良いのか、そうすることで周りの方がどんな気持ちになるかを伝えるのです。「今大きな声を出していたよね。ここは静かに過ごす場所だよ。静かにするとみんなが楽しくすごせるから、声を少し小さくしようね」という具合です。

親御さんに「何かありましたか?」と聞かれたら、きちんと事情を説明しましょう。状況と、どのように注意したかを伝えれば、親も事情を理解し、その後の子どものフォローができます。注意をして下さった方へのお詫びと御礼も、伝えやすいものです。

年配の男性の相づちで、「子育てはチームプレー」と実感

先月、桜が綺麗な時期に家族でお花見をしたときのエピソードです。

事前にたくさんの桜があること、たくさんの人が桜を見に来ているからどんなことに注意するかを子どもに伝えました。それでも、桜に興奮した子どもは「桜きれい!」と大きな声を出したり、散る花びらを追って走ったりしてしまいました。

そこで少し離れたところへ連れていき、「桜が綺麗よね。周りのお友だちも静かに見ている。○○ちゃんが静かに見たら周りの人も嬉しいと思うな」と注意したところ、近くにいた年配の男性が「そうだぞ、おじさんもそうしてくれたら嬉しいなあ」と素敵な相づちを入れて下さったのです。

もちろんその方にもご迷惑をおかけしていたので申し訳なかったのですが、一言かけて下さったおかげで、子どもたちは「ママの言ってたことは本当だ」「周りの方に迷惑をかけてしまっていた」と感じることができたはずです。

その方には心からのお詫びと御礼をお伝えしました。子どもを育てるのは自分一人ではない、周りの方も一緒に育てて下さっているんだ、子育てはチームプレーだということに気づかせていただきました。

お出かけのマナーは家で教えるだけでなく、その場で伝えないとわからないことも多いもの。 
子どもが周りの迷惑になっていると感じると、つい大きな声を出してしまいがちですが、そんなときは静かな場所に連れていき、低い声でゆっくりと伝えたほうが、興奮した子どもには有効です。

そして子どもの脳は、記憶に関わる海馬という器官がまだ完成していないため、「何度言ってもわからない」ではなく「何度も言わないとわからない」のです。

お出かけする場所も毎回同じではありませんよね。
その都度、子どもに根気強く公共のマナーについて伝えていけば、次第に自分で気づき、公共のマナーを守れるようになりますよ。

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。

このマナーについては、#キッズマナー

日本マナーOJTインストラクター協会
マナーOJTインストラクター 赤名麻由子

講師赤名 blog

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