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Communication is manner

「伝えた」と「伝わった」の違いは何? 伝わるビジネスコミュニケーションのスキル&マナー

2018/11/13


みなさん、こんにちは。
トップマナーOJTインストラクターの廣瀬恭子です。

仕事をするにあたって、わたしがいちばん気をつけているのは、「伝え方」です。
伝えたつもりでいたのに、思い描いていた結果が得られなくて、いらだったという経験はありませんか?
「なぜ、こんな結果に? 言いましたよね?」と言っても後の祭り。それは、「伝えたつもり」であり、実は「伝わっていなかった」ということなのです。

「伝達力」とは、「自分の意思を相手に伝える力」のことを指します。コミュニケーションを円滑にするための重要な力です。
ここでは、「伝わる」ために必要なマナー&スキルをお伝えします。

とらえ方は人それぞれ 誰にでもわかる表現を心がける

「まるのうえにまるをかいてください」、そう言われたら、どのようなものを書きますか?
これは、伝え方の研修をする際に、必ず行っているワークです。
2つの〇を上下に重ねて雪だるまのような図を描く、漢字の“丸”を重ねて書く、二重丸を描く……、さまざまな答えがあり、ワークをするたびに驚かされます。

Red marker with blank circle

もし、指示した人が「雪だるまのような図」をイメージしていたとしたら、漢字の“丸”や二重丸に驚き、「なぜ、こう書くのですか? 言いましたよね?」と言いたくなるかもしれません。
けれども、「まるのうえにまるをかいてください」という伝え方だったら、漢字の“丸”や二重丸も正しくないとは言い切れないのです。
相手に伝わるようにするためには、「まるのうえにまるをかいてください」に加えて、「雪だるまのように丸の上に丸を書くイメージです」と伝えます。これなら、全員が同じイメージを浮かべることができ、こちらが意図した図を描いてくれるはずです。

「とらえ方は人それぞれ」と認識することが、伝わるコミュニケーションの第一歩。「自分の表現は、誰にでもわかりやすいだろうか?」と、意識して言葉を選んでいきたいものです。

大事な結論は最初に 伝わる“話し方の順序”を守る

伝わるコミュニケーションには、話す内容の順序も大切なポイントです。
それは、「結論から話す」ということです。「結論を先に言われると、相手の意識がしっかりとこちらに向く」と言われるからです。
そしてその後に、「必ず理由を添える」こと。理由を加えることで因果関係が明確になり、結論に納得しやすくなります。

reason

たとえば、「トラブルが発生し、お客様のもとへ伺う必要があるので、外出許可をいただきたい」という相談を上司にするとします。

あなた「部長、よろしいですか?」
部長「はい。どうしましたか?」
あなた「実は、先ほど、A様からお電話がありまして。~でトラブルがあり、困っているとおしゃっていまして。前にもこのようなことがあり、対応していたのですが」
部長「もう少し、要点をまとめて話してもらえると助かるのだけど……。これから会議なのだよ」

このように、つい状況説明から入ってしまうのは、ありがちなケースです。この順序では、伝えたい内容の「外出許可が欲しい」ということが最後になってしまいますね。
最後まで話を聞かないと要点がわからず、忙しい上司はいらだってしまうかもしれません。

Communication is manner

そこで、このように話すとわかりやすくなります。

あなた「部長、外出許可をいただきたいのですが、よろしいでしょうか。実は、A様からお電話がありまして、~でトラブルがあり困っていらっしゃるので、その対応に参りたいのです」
部長「そうですか。もちろん許可します。対応をよろしくお願いします」

上司の立場からすると、何が求められているのかが最初にわかるので、答えも簡潔になりますね。
伝えるときは「結論から話す」。そして「理由を添える」を実践してみてください。

「伝えた」で終わりにしない 伝言をするときのマナー

仕事をしていると、伝言を頼まれることも多くあると思います。
その場合、どのように伝えていますか? 電話ですか? メールですか? メモですか?
電話がいちばん確実に伝わるかと思いますが、メールやメモで伝言する場合に、気をつけたいことが一点あります。
相手の方が理解しやすく書くことはもちろん、最後に必ず、「伝わったかを確認」しましょう。

わたしが新入社員だった頃、ある伝言を受け、上司のデスクにメモを貼ったまま帰ったことがあります。翌日、伝言が伝わっていないことがわかり、お叱りを受けました。
置いたはずのメモがどこかへ行ってしまったというトラブルもあったのですが、「伝わったかを確認せずにいた」ことが、お叱りの原因でした。
それ以来、伝わるように表現を工夫するだけでなく、最後には、必ず確認するようになりました。「伝えた」ではなく、「伝わったか」が重要だと学んだのです。

伝わったことを確認して、初めて伝言が成立します。ぜひ、参考になさってください。

leave a memo and remind it

ちょっとした気遣いと工夫で、伝わるビジネスコミュニケーションになります。
相手にとって理解しやすく伝える、ということもマナーですね。

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このマナーについては、#マナーインストラクター

日本マナーOJTインストラクター協会
トップマナーOJT インストラクター 廣瀬恭子

講師 廣瀬恭子 blog

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