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年末の挨拶回り〜来客をお迎えするときのマナーと心得

2018/11/30


皆様、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの赤名 麻由子です。

明日から12月ですね。皆様にとってどんな一年でしたか? 振返りをしたくなる時期ですが、ビジネスの世界ではまだまだ気が抜けません。
なぜかというと、12月半ばを過ぎる頃から、お世話になった会社やご担当者様への年末ご挨拶回りが始まるからです。
お世話になった会社(ご担当者様)へご挨拶に行かれる方がいらっしゃると思いますが、同じように年末のご挨拶にお見えになる方がいらっしゃるのです。

通常の来客はアポイントがあるお客様が多いですね。しかし、年末のご挨拶はアポイントがある方だけではありません。「近くに寄りましたので」「ご挨拶だけでも」「カレンダーをお渡しするだけですので」と、お見えになるお客様も多くいらっしゃいます。

Year end greeting gift

来客の多さと、その時々の臨機応変さを求められ、驚き慌ててしまうこともあるかもしれませんが、お客様にとっては新人もベテランも関係ありません。会社の代表としてお客様をお迎えしているという気持ちを忘れずに、来客対応に臨みましょう。

来客対応の基本の流れは、下記のとおりです。
①お客様に気づき、ご挨拶または声をかける。
②お客様のご要望を伺う。(誰と何時にお約束をしているのか、誰に御用があるかなど)
③お客様の面会目的の者が対応できる状態か確認する。
④お客様に面会目的の者が対応できるかどうか結果をお客様にお伝えする。
⑤(面会できるときは)速やかにお部屋へご案内する。
(面会できない場合は)お客様がどうされるか判断を仰ぐ。

これに加えて、年末の来客対応の流れで気をつけたい3点をお伝えいたします。

来客も忙しい!迅速な対応がいちばんのおもてなし

年末のご挨拶にいらっしゃるお客様は、あなたの会社だけでなく、他にも多数の会社を訪問される方が多いと思って下さい。アポイントを取っていらっしゃる方は、綿密なスケジュールを組まれます。「ご挨拶だけ」とおっしゃってお見えになった方も、他に挨拶に伺いたいところがあるかもしれません。年末でお忙しいお客様に対して、迅速な対応はおもてなしの一つになります。

Year end greeting gift

・お客様に呼ばれても「自分の担当ではない」と対応に伺わない。
・「前の来客が終わらないから」とお見えになったお客様をそのままお待たせする。
・「〇〇様はいらっしゃいますか?」という問いに、すぐお答え出来ない。
上記のような対応は、お客様に不安や不満を抱かせます。そうならないために、先に述べた①~⑤の項目すべてに“すぐに”と付けたいところですが、次の項目は特に迅速な対応を意識して下さい。

①お客様に気づき声をかける。
すぐに声をかけられないとしても目線を合わせることはできます。それだけで「私はあなた(お客様)に気づいていますよ」というサインになり、お客様を安心させることができます。

④お客様に面会目的の者が対応できるかどうか結果をお客様にお伝えする。
結果を速やかにお伝えするには、事前に年末の対応を打ち合わせしておくことも大切です。また、他の社員のスケジュールはどうすれば確認できるのかを明確にしておくことも、迅速な対応につながります。

迅速な対応ができるように、来客の情報は的確に取り次ぐ

的確とは、“目標、目的から外れないように確実に”という意味の言葉です。
年末のご挨拶の目標や目的は、お世話になった方に感謝の気持ちを伝えること。この目的に沿うように、必要な情報を的確に相手にお伝えしましょう。

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情報を伝える相手は、お客様だけではありません。社内への連絡も的確であることが求められます。社内の対応者にも、下記の内容を伝えます。
・アポイントの有無(時間)
・会社名、役職名、お名前、
・何名でお見えになったか
人数を伝えるのは、持参する名刺の枚数の確認にもなりますし、応接室などで対応したい場合の部屋の大きさの目安にもなります。

取り次いだ情報で、相手の動きも変わってきます。「~だと思います」「~だと思うんですが」という憶測ではなく、責任を持って事実を的確に伝えましょう。

慌ただしい時期だからこそ、丁寧な所作で対応を

年末のご挨拶対応は、お客様と言葉を交わすだけではありません。応接にご案内する、お客様がお持ちくださったものを受け取る、名刺をお預かりするという所作がお客様の目に触れる場面が多々あります。忙しい時ほど丁寧な所作を心がけましょう。

以前にこんな失敗をしたことがあります。年末のご挨拶にいらしたお客様を応接室へご案内したとき、「年末で皆さんも忙しいでしょう」と言葉をかけられたのです。
今振り返ると、笑顔もなく、常にせわしなく動き、ご案内の口調も早口でした。私の頭には「次はあのお客様をご案内しなければ」「お茶はいくつだっけ?」ということでいっぱいになり、今ご案内しているお客様に向き合えていなかったのです。お客様に大変失礼なことをしてしまいました。

心で思うことは行動に現れ、お客様にしっかり伝わります。皆様は私のような失敗をしないよう以下のことに気をつけてくださいね。

ものの受け取り方
・両手で受け取り、丁寧に扱う。
・目線はお客様→いただいた物→お客様
歩き方(応接の案内)
・お客様の少し前を歩き、歩調に合わせてゆっくりと歩く。
指し示し方
・指先を揃える。目線はお客様→対象物→お客様

good sign

話し方
・ゆっくり、はっきり話す。
・クッション言葉を使う。

例:お待ちいただく場合
×)お待ちください。←これでは命令ですね。
〇)恐れ入りますが、1、2分お待ちいただけますか?
クッション言葉を使い、目安の時間を伝えるとお客様の安心感が増します。

いずれの所作も、笑顔でお客様と目を合わせて行うことでお客様の、印象はぐっと良くなります。焦っているとき、急いでいるときほど、ゆっくりと丁寧な所作を心がけてください。

初めてお会いするお客様はもちろん、顔なじみのお客様であっても、自分が対応させていただくというご縁に感謝の気持ちを持ちましょう。そして、その感謝の気持ちを丁寧な対応という形に表しましょうね。
お客様が、「年末で忙しかったけれど、この会社を訪れて良かった。これからもぜひお付き合いを続けていこう!」と最後に思ってくださったら嬉しいですね。

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シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子

講師赤名 blog

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