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忘年会シーズン到来!新入社員が特に気をつけたい社内飲み会のマナー

2018/12/07


みなさん、こんにちは。
トップマナーOJT インストラクターの廣瀬恭子です。

今年も残すところ、あとわずか。新入社員の方は、やっと仕事に慣れ、社内の皆さんとも円滑なコミュニケーションがとれてきた頃かと思います。
会社によっては、すでに忘年会準備にたずさわり、「今年はこのお店で」「出し物は何にしようか?」など、知恵をしぼった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

社内の忘年会は、社員の一年の苦労をねぎらう目的で行われます。
忙しい上司や先輩とゆっくりと話ができるチャンスです。社会人としてのマナーを守って、いいコミュニケーションをとりたいですね。
ここでは、「ここだけ押さえておけば、間違いない!」というポイントをお伝えします。

席次のマナー 会場とタクシーでの上座はどこ?

ある経営者の方と研修の打ち合わせをしていた際に、「取引先の方々との会食のときに、ふと見ると部下が上座に座っているのを見て、恥をかいたことがある。社内においても、普段から席次に対する意識を徹底させなければならないと思った」と話されていたことを思い出します。
社内での宴席においても、普段から気をつけておけば、安心ですね。

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会場では、上司を上座へご案内しますが、基本的に、「ドアからいちばん遠い席」が上座、「ドアにいちばん近い席」が下座となります。
注意しなければならないのは、部屋の様式により、席次の順番が変わるということです。
東洋では「左上右下(さじょううげ)」とされ、「左側が上位」とされます。しかし、西洋では、「右上位」とされ、逆になるのです。
東洋では、中国の「天帝は北辰(ほくしん)に座して南面す」という思想が発端となっており、皇帝は不動の北極星を背に南に向かって座るのがよいと言われ、南が正面になる皇帝から見て、太陽が昇る東(左側)が沈む西(右側)よりも上とされていました。一方、西洋では、「右=right=正しい」という意味から、右が上とされています。

会場へ行くたびに、「ここは東洋?西洋?」と考えるとなると、わからなくなりますよね。
そこで、わたしは、どこへ行っても「いちばん入り口に近い席」に座るようにしています。そうすれば、間違いがないですし、入り口に近いと、お店の方への声かけがしやすいので、幹事を務めるときにも便利です。

また、「業務が終わってから急いで会場へ」「二次会の会場まで」など、上司といっしょにタクシーに乗る場合、どこに座れば良いか席次に迷うこともあると思います。
タクシーでは、運転席の後ろ(後部座席のいちばん奥)が上座とされ、下座(末席)は助手席とされます(図をご覧ください)。

タクシーではお支払いが生じますので、最上位の方の手を煩わせることなく、降りていただくのが基本です。助手席にいれば、お支払いや会場への道案内もできますよね。
料金に関しては、予め、「交通費を預かっておき、支払いをする」「一時立替をする」などを確認しておき、社内ルールにしたがって精算しましょう。

お酌のマナー 上司のお酒はいつ注ぎたせばいい?

「いつもありがとうございます」という気持ちを伝える場でもある忘年会。
お世話になっている上司や先輩、また同僚へ、お酌をすることもあるでしょう。お酒を注ぎたすタイミングをはかるのは、意外に難しいものです。

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ビールは、「グラスを空にする前に注ぎたすこと」が多くありますが、ゆっくりと召し上がりたい方の横に、お酒を持って待っていると、催促しているような印象になりかねません。実際、ビール好きな方から、「ビールは、注ぎたされると美味しくなくなる」と言われたことがあります。

では、どうすればよいのでしょう。「本当にお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします」と相手の方の様子をよく見ながら挨拶をし、「よろしければ、お注ぎしますが」と一言添えて、反応を見ると良いでしょう。
注ぐときには、銘柄のラベルが上にくるようにして、相手の方に見えるようにしましょう。これは、ワインのエチケット(ワインボトルのラベル)が汚れない工夫からマナーとなったと言われています。

最近は、タッチパネル式で追加オーダーをするお店も増えていますので、周りの方のグラスの様子を見て、「お飲み物はいかがでしょうか。注文しますが」と一声かける心遣いも素敵ですね。

「今夜は無礼講」はOK? 羽目をはずして失敗しないための3つの心得。

忘年会などの社内の宴席では、上司の方が「今夜は無礼講だから、気兼ねなくいこう」と声をかけてくださることがあります。
「無礼講」とは「地位の上下を抜きにして楽しむ酒宴」のことを指し、部下への気遣いの言葉です。だからといって、言葉遣いが乱れたり、偉そうな態度をとったりしても良いというわけではありません。
特に新人のときは、日々緊張する場面も多いので、一度、気を緩めてしまうと、大失敗に繋がることもあります。かく言うわたしも、若い頃は、さまざまな失敗を繰り返し、後悔したものです。

では、上司や先輩方と、宴会を楽しく過ごすにはどうすればよいのでしょう。
まずは「体調管理に気をつけること」です。
たとえば、睡眠不足でアルコールを摂取した場合、普段よりもアルコールの代謝力が不足しているので、酔いやすくなると言われます。風邪をひいているときも同じです。日々、睡眠、栄養はしっかりととって、自己管理していきましょう。

次に、「チェイサーを準備すること」です。
チェイサーとは、強いお酒に対し、「追いかけて飲む、低アルコール飲料、もしくはお水など」を意味します。お酒の合間に飲むことで、急激に酔うことを防ぎます。日本では、「お水」を指すのが一般的ですので、お店の方に「チェイサー(もしくはお冷・和らぎ水)をください」とお願いし、酔い過ぎに気をつけましょう。

そして、特に気をつけたいのは、「お酒が苦手な方に無理強いしないこと」です。
自分が楽しく酔っているからと、お酒があまり飲めない方に対して、飲むように強要するのは、相手への思いやりが足りていないといえますよね。宴会は、「お酒を飲む会」ではなく、お互いにリラックスして、語らう機会です。無理強いすることなく、楽しみましょう。

無礼講だと言われても、本当の意味での「無礼」にならぬよう、気をつけたいですね。

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学生時代のように、友人と気兼ねなく楽しむお酒も良いですが、社会人ならではの、節度あるお酒の場を知ることも、人生を豊かにすることに繋がるのではないでしょうか。
どうぞ、良好なコミュニケーションをとって、有意義な年末年始をお過ごしください。

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このマナーについては、#マナーインストラクター

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