「いただくのは嬉しいけど書くのは苦手」という人が多い”年賀状” 何を書けばいい? これはNG? 欠礼の場合は?

「いただくのは嬉しいけど書くのは苦手」という人が多い『年賀状』。奈良時代から続くといわれる日本独自のこの習慣、良い形で伝え継ぎたいものの一つです。何を書けばいい? これはNG? 欠礼の場合は? これは守って!というマナーをお伝えします。
マナーOJTインストラクターの東 節子です。
もういくつ寝るとお正月♪の歌のとおり、10日足らずで年明けとなります。お正月と言えば、初詣に年賀状! 元旦に年賀状がドサッと届くと嬉しいものですね。
忙しくて年賀状はまだこれから!という方も、迷わず書けるように、簡単に由来とマナーをお伝えします。
年賀状とは「旧年はお世話になりありがとう」とお礼を述べ、「新年もお幸せに、宜しくね」とお願いする挨拶状です。年に一度、この時だけでも「どうしているかな?」と相手に思いを馳せながら筆を持つ…そんな機会を与えてくれる、深い意味のある1枚ではないでしょうか。
素直に気持ちを書けばいいのですが、やはり縁起物、守って欲しいマナーがいくつかありますのでご紹介いたします。
書くべき項目は4つ 近況を短く添えて
1. 賀詞
新年を祝う定型の言葉ですが、賀詞にも意味と格があります。
・目上の人には4文字の賀詞・・・「謹賀新年」「恭賀新年」
・友人や目下には2文字や1文字の賀詞・・・「賀正」「迎春」「寿」「賀」
・誰にでも使える賀詞・・・「新春のお慶びを申し上げます」「明けましておめでとうございます」
2.旧年の感謝とお礼、新年の変わらぬ厚誼(深いお付き合い)の依願
旧年お世話になった感謝とお礼を述べ、新年も変わらぬ深いお付き合いをお願いします。
3.健康、幸せを祈る言葉
相手の健康や多幸、会社の繁栄などを祈願します。
4.年号と日付
「平成30年元旦」「2018年1月1日」など。
(元旦は1月1日のことなので、「1月1日元旦」はNG)
この4点を順に書き、あとは自分の近況や心情を添えればOKです。
ただ自分のことは多く書き過ぎず、2~3割程度に留めましょう。
2018年 年賀状 目上~一般向け
2018 年賀状 友人~目下向け
意外に知らない? NGワード&NGの書き方5つ
書くべき内容に決まりがあるように、避けるべき言葉や書き方もあります。
知らずにやっている方も見受けられるので、この機会にチェックしてみてください。
1.住所の都道府県を省略したり、(株)などと省略したりしない
会社名は正しい名称を、役職や敬称も間違いなく書きましょう。
2.「、」や「。」などの句読点は使わない
もともと日本語には句読点がなかったことや、慶事が「切れないように」という理由から、句読点は書かないとされています。
3.「新年明けましておめでとうございます」は使わない
「明ける」を年が改まるとしてOKとする説もありますが、一般には意味が重なるといわれています。「新年おめでとうございます」 、または「明けましておめでとうございます」とするほうが良いでしょう。
4.縁起の良くない言葉は使わない
去年の「去」は、「去る」「離れる」という意味になるので、年賀状では「昨年」や「旧年」を使います。「終わる」「切れる」「落ちる」なども避けるようにします。
5.印刷だけの年賀状
印刷はもちろん構いませんが、それだけでは味気ないもの。一言でもいいから手書きでメッセージを添えましょう。
喪中はがきを受け取ったり、被災地へ送りたい場合は
「喪中はがき」とは、喪中なので年始の挨拶をしないことを知らせるものです。喪中はがきを受け取ったら、通常松の内を過ぎてから立春の前日までに「寒中見舞い」などで安否を気遣います。
また東日本大震災あたりから「年始状」という言葉を目にするようになりました。年賀状から「めでたい」や「慶び」の言葉、金銀赤などの派手な色を抜き、単に新年の挨拶状として送るものです。
「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」や、「一陽来復」(悪いことの後は幸運に向かうという意)などの文面にします。ここに労わる気持ちをそっと添えて送るのもいいですね。この場合は、年賀はがきではなく、普通の葉書を使います。
「年賀状」は、思いを形に表した素敵な贈り物です。
時間がないから…、字が下手だから…、いろいろな理由で敬遠され、メールに押されがちな昨今ですが、パソコンで簡単に作ることもできますね。
手書きの一言に心を添えて、あなたならではの一枚を書いてみませんか?
執筆:日本マナーOJTインストラクター協会 トップマナーOJTインストラクター 東 節子
ブログ:https://ameblo.jp/piyokichi-11/