病院へお見舞いに行くタイミングは?お見舞い品は?知っておきたい3つのこと
2018/03/06
みなさん、こんにちは。
トップマナーOJTインストラクターの東節子です。
「病気や怪我で入院・療養している人、または被災した人を慰め、励ます」という意味が定着している「お見舞い」ですが、本来は「誰かを訪問する」ことを示していたそうです。メッセージや金品を贈るのもいいですが、状況が許せば直接訪れ、お顔を見て励ましの言葉をかけたいものですね。
今日は、入院患者さんへのお見舞いのマナーを中心にお話します。
入院のお見舞いは、タイミングを考えて
入院の知らせを聞くと、つい「早く会いに行かなければ」と考えがちですが、どんな状態かわからないのに突然行くのはおすすめできません。特に入院直後や、手術直後は、ダメージの大きいとき。お見舞いに行くのは、相手のご家族や病院に確認してからにしましょう。
病院の面会時間は、守るのが原則。また、いくら相手が元気そうに見えても、面会は負担になるものです。長居は禁物、30分程度が目安と考えてください。本人から「帰って~」とは言えないので、お見舞いに行った方が切り上げましょう。
また、大勢で押しかけたり、小さな子どもを連れて行くのも避けましょう。人数が多いとどうしても疲れますし、個室でない場合は他の患者さんにも迷惑です。また小さい子どもは、騒ぐだけではなく、感染症などの原因になる菌を運んでくることもあるので、病院によっては面会禁止というところもあります。
お見舞い品を持っていくときの注意点は?
お見舞いには、心遣いとしてお見舞い品を持って行く場合が多いですね。一般的なお見舞い品は、3000円~5000円程度が主流ですが、病院の場合、特にお花や食べ物は要注意です。
お花を持って行く場合は、香りの強い花は避けて選び、花瓶の要らないアレンジメントにすると相手の負担になりません。私はユリの香りは大好きですが、かつて手術をした直後は、その匂いが耐えられず、持って帰ってもらった記憶があります。
今では「病室にお花持ち込み禁止」となっている病院も多いようです。病院のホームページに注意事項が記載されている場合が多いので、お見舞いに行く前にご覧になることをおすすめします。また食べ物も、保存がきかないものはNGですし、病気によっては、制限される場合もあります。
お見舞いのタブーでは、「寝づく」を連想させる「鉢植えの花」が有名ですが、同じく入院が長引くイメージのある「パジャマ」や「スリッパ」も良くないと言われています。でも、「重宝した」という意見もありますので、聞いてみてもいいですね。
因みに私は、「TVカード」をいただいて、結構、ありがたかったです。
お見舞いに現金を贈ってもいい? 使う金封紙は?
「目上の人に現金を贈るのは失礼」とよく言われますが、実は結婚や葬儀などの場合は、昔から『相互扶助』の考えで現金が使われていました。お見舞いも同様と考えていいのではないでしょうか。どうしても気になる場合は、商品券やギフト券にするという方法もありますが、病院内で使えるものにすると便利です。
金額の目安は、一般的に3000~5000円、親しい場合で5000~10000円程度です。
熨斗無し、「紅白の結び切り」の水引の金封紙、または赤帯の入ったお見舞い用の封筒を使うのが一般的です。繰り返して欲しくないので解けない結び切り、紅白は、回復の見込みのある方への元気づけのためです。ただし、災害のお見舞いや重篤な症状の場合は「白無地の封筒」を用います。間違っても、黄白や、蝶結びの水引は使わないでくださいね。
私事ですが、実はこの記事を書く数日前、私は不注意で顔面を強打し、頬骨骨折という怪我をしてしまいました。公にはしていなかったのですが、噂を聞いたと、何人かの友人がメッセージを送ってくれました。良い病院があると紹介してくれた人も、これなら食べられるかと柔らかいカステラを届けてくれた人も……。痛みと不便さでかなり落ち込んでいた最中、そんな心遣いのすべてが、とても嬉しく感じられました。
お見舞いは、自分のためにではなく、相手のためにすることです。マナーとは思いやりの心を行動で表すことですが、相手が病人など弱者の場合は、より深い配慮が必要です。相手を思いやる気持ちはきっと通じるはず。迷ったときは、「自分が病人だったら、どうしてほしい?」と考えると、いいかもしれませんね。
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。
このマナーについては、#マナーコース
日本マナーOJTインストラクター協会
トップマナーOJTインストラクター 東 節子
子どものマナー改善士♡元CA東 節子の“きらめくマナー”