突然の悲しいお知らせにも慌てないで。訃報を受けたときのマナー
2018/04/10
みなさん、こんにちは。シニアマナーOJTインストラクターの森 みゆきです。
新年度が始まる4月は心躍る時期ですが、悲しいお知らせ(=訃報)はいつやってくるかわかりません。「エッ!どうして…」「なぜ急に」「ご病気とは知らなかった!」と驚き、心に悲しい気持ちを抱き、慌ててしまうことも多いものです。共通の友人に連絡をしたり、用意するものを整え、送る必要も出てきます。
今日は、大切な方との最後のお別れを落ち着いてできるように、訃報を受けたときの心構えとマナーをお伝えします。
いちばん辛いのはご遺族ということを忘れずに
訃報を聞いたときには、まず気持ちを落ち着かせて、冷静になってから行動をする。その配慮が大人としてのマナーです。
日頃、親しくお付き合いをしている友人や知人、大切な家族や親戚とのお別れは、悲しみが深く、もう会えないと思うと心が張り裂けそうになりますね。
最近は家族葬というスタイルも増えてきていますが、どれほど親しい友人の葬儀でも、家族葬ではお知らせをいただけないことが多いものです。私も、親友が急に病気で亡くなった際に、三カ月後にご主人様から知らされたことがあります。そのときは、あまりにも辛く、気持ちが動転してしまい、ショックで立ち直れない日々が続きました。
しかし、今思い返すと、いちばん辛かったのはご遺族であり、ご主人様、お子様でした。誰にとっても訃報は悲しいことですが、「誰がいちばん辛いのか?」を落ち着いて考えることは、思いやりを故人にも向けることになるのだと思います。きっと、「心は故人と繋がっている」のですから。
ご遺族への連絡・弔問は、負担にならない配慮を
「訃報を聞いて、すぐにでも会いに行きたくなる」という方もいるでしょう。けれども、深夜に駆けつけたり、ご遺族の方へ電話をかけてしまうのは、マナー違反です。悲しいお気持ちのご遺族が、少しでも落ち着いた時間を故人と過ごせるよう、深夜の訪問や電話は避けましょう。
また弔問に伺った際に、亡くなった理由を尋ねたり、長居をしたりするのも、大人としての配慮に欠ける行動です。丁寧にお悔やみの言葉を伝えたら、早めに失礼しましょう。故人が親しくしていた方やご近所の方の場合は、「何かお手伝いできることはありませんか?」とそっとお声がけをして、お手伝いをしましょう。
故人と親しかったからと言って、自分から故人との面会を頼むのは、非礼です。ご遺族様から勧められた場合だけ、謹んでお受けしましょう。
お香典は、新札とご祝儀袋の表書きに注意して
お通夜や葬儀に参列する際にはお香典を用意しますが、気をつけるポイントは2つあります。
1つめは、「香典に入れるお札(紙幣)の状態」です。
香典袋に入れるのは、新札は避けましょう。結婚式では新札が良いとされますが、ご葬儀では「予期して準備していた」という印象を与えるということで、NGです。新札だった場合には、折りたたんで折り目をつけてから封入します。
2つめは、「不祝儀袋の表書き」です。
不祝儀袋には、「ご霊前」と「ご仏前」がありますが、「ご霊前」は仏教の四十九日までに使います。この期間は、霊として六道輪廻をさまよう期間とされているからです。「ご仏前」は、故人が仏様になったとされる四十九日以降に使われます。ただし、浄土真宗や真宗各派では、「ご霊前」は使わずに「ご仏前」を使います。また、仏教の宗派が分からない場合は、「お香典」と書かれた表書きでも大丈夫です。
「神式」の葬儀では、全体が銀色(双銀)か、白(双白)色で、水引がついた不祝儀袋を使います。表書きは「御玉串料」「御榊料」と書きます。キリスト教では、水引のついていない不祝儀袋を用意し、「お花料」と書きましょう。
悲しみがいちばん深いのは、何といってもご遺族様です。
大切な方の周囲の方への配慮も、社会人として身につけておきたいですね。
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。
このマナーについては、#マナーインストラクター#マナーコース
日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 森 みゆき
講師森みゆきblog