サービスを受けるときこそチャンス! 思いやりの心を学ぶ最高のマナーの学び方
2018/05/25
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJT インストラクターの 保田 沙矢香(やすだ さやか)です。
皆さんは、買い物をした時、レストランやカフェで食事をした時、旅行に行った時など、何かサービスを受けた時に「嬉しかった!」「満足した!」「感動した!」という経験はありますか?
マナーを学ぶには、サービスを受けて嬉しかったこと、感動したことを即ご自身の行動に取り入れ、逆に嫌だなと思ったことは、自分自身も気をつけたり、反面教師にするという方法もあります。
今回は、マナーOJTインストラクターの私が、最近サービスを受けて「感動したこと」、そして、「少し残念だったこと」を、実体験を交えてお伝えしたいと思います。
仕事をするスタッフ側、そしてサービスを受ける側の両方から感じ取れることがあれば幸いです。
驚きのチームの連携プレイ!一人の人を大切にするおもてなし
ある宿に宿泊したときのことです。
前年にそのグループの宿へ宿泊し、とても心地良い時間を過ごすことができたので、今回も同じグループの別の宿に念願叶って宿泊をしてきました。
緑に囲まれ、空気が澄んだ場所にあり、専用の舟に乗って宿まで行くのですが、船着場には、たくさんのスタッフさんが笑顔で到着を待っていてくださいました。私が舟を降りていくと、初めて会うスタッフさんなのに、名前を呼んで話しかけてくださいました。
どのように連携しているのか……、おもてなしの始まりでした。
さらに、別の宿で話したことを、こちらの宿でも話題にしてくださったのです。もちろん、場所が違うので、スタッフさんも別の方。それなのに、その話題のおかげであっという間にコミュニケーションが始まりました。
名前で呼んでくださったり、以前話したことを覚えていてもらえたら、特別な気持ちになりますよね。
夕食時には、お料理にツボミがたくさんついた可愛らしい花が添えてありました。
私は花が好きなので、その花を器から外して目立たないようにテーブルの上に置き、「かわいいな」と眺めながら食事を続けていました。すると、次のお料理のときに、小さな一輪挿しも一緒に持ってきてくださったのです。
何も伝えていないのに、想いを汲み取ってくださったことで、ほっこりとあたたかい気持ちになったことを今でも覚えています。
些細なことかもしれないけれど、私にとっては大きなこと。とても感動しました。
すべてのこの会社の宿を訪れてみたい!そう思いました。
お客様お一人おひとりに寄り添い、その人だけの話題をすること。
想いを汲み取って行動すること。意識してみてはいかがでしょうか?
たった一人の不用意な行動がすべてを台無しにすることも
ある老舗ホテルではこんな経験もしました。チェックインをした際に、フロントスタッフさんの話し方や対応がとても丁寧で、部屋や温泉、食事もさらに楽しみになりました。
温泉も広くて気持ちがいい。ところが、まだ入浴時間にも関わらず、男性スタッフさんが清掃のために入ってきてしまったのです。こういう場合は細心の注意を払い、まずは女性スタッフが中を確認してから男性スタッフに伝えるという流れを徹底しておけば、このようなことは防げたと思います。けれどもまだ私は平常心でした。
次のハウスキーパーさんの行動により、とても悲しくなったのです。
チェックアウト時間の前にも関わらず、ノックもせずに鍵を開けて部屋に入ってきて、「あ!いらっしゃいましたか」と言って、そのまま扉を閉めたのです。
思わず悲しくなりました。まずは、ノックを徹底すること。間違えて開けてしまったのであれば、一言「申し訳ございません」と謝罪をする。
当たり前のようなことですが、仕事が流れ作業になっていないか、一つひとつの行動や言葉に「思いやり」があるのかを意識することが大切ですね。
このときは、チェックアウトの際にフロントスタッフにお伝えすることにしました。
私は講師として、「気づかせてくださるお客様を大切にしてください」とお伝えすることがあります。嬉しかったこと、感動したことを伝えるよりも、悲しかったこと、改善して欲しいと思ったことを、冷静に相手に伝えることは勇気がいるものです。
誰にでも間違いはある。その間違いをどう受け止め、どう次へ繋げていくかが大切ですね。
私も、お客様の立場になっても日々勉強で、学ばせていただくことが多いです。本当に有難いことです。
デジタルツールを活用した WinWinになる おもてなしの仕方
最近はInstagramが情報発信のツールとしても人気です。Instagramのフォロワー数や「いいね」の数に応じて、料理や商品の割引をする「フォロ割」を取り入れているお店も増えています。
私が、訪れたアイスクリーム店では、その場でそのお店のことをフォローすると、会計から5%オフで購入することができました。
こちらの店舗では、通常のアイスクリームに加え、華やかなバラの形のアイスクリームも販売していましたよ。
かわいい写真を楽しくお客様に投稿してもらい、お店の情報を発信してもらえるメリットもあり、お客様も割引で商品を購入できます。
どちらにもメリットがあるので、WinWinの関係が成り立っていますよね。
流行のツールを使って、お客様に楽しんでいただきながらサービスを提供できることは、新しいおもてなしの一つの方法ではないでしょうか?
時代に目を向けて見る。できないと決めつけてしまうのではなく、取り組んでみる。
いくつになっても、新たなツールには挑戦してみたいですね。
お客様に満足していただき、さらに感動していただくためには、お客様の期待を超えなくてはなりません。
近くのスーパーやコンビニエンスストアを利用して感動することもあれば、洗練されたホテルやラグジュアリーなレストランを利用してそうでない時もあります。
ここまでしてくれるのか。期待を超えた時に、感動が生まれます。
一歩先いくワンランク上のおもてなしやサービスは、日頃から意識していないと気づけないし、学べません。私は、ユーモアのセンスも、一歩先いくおもてなしの1つだと思っています。
そして、「人」が「人」を想って、伝えたこと、動いたこと、形にしたことが、「その人」にとって一生忘れられない「ひとコマ」になるのではないでしょうか?
堅苦しいことがマナーではなく、思いやりに溢れることがマナーです。
あなたも、食べて、泊まって、旅をして、さまざまなマナーに触れてみてくださいね♪
きっと新しい発見に繋がるはず。
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップ マガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方の お役に立てれば幸いです。
このマナーについては、#マナーOJTインストラクター
日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 保田 沙矢香
講師 保田 blog