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褒め上手になって部下をスクスク育てよう! 褒めるタイミング、内容、言葉選びのポイント

2019/02/26


みなさん、こんにちは。
マナーOJTインストラクターの大縣 真弓です。

新入社員が入ってくるまで、あと1カ月と少し。上司として、先輩として、部下を指導育成する立場の方も多いことでしょう。ここ数年、部下を「褒めて育てる」ことが一般的に浸透してきています。

「褒められる」のは誰もが嬉しいことです。しかし、相手を「褒める」のは意外と難しいと感じませんか?

親指を立てた右手を高く掲げあっている写真

私の前職は、某エステ会社で、新人を中心とした指導育成でした。10代から20代前半の若いスタッフが多く、「私、褒められて育つタイプです!」と宣言する部下も少なくはありませんでした。
けれども、褒めても伝わらないことや、成長の変化が見られないとも時にはあり、こちらが落胆することもしばしば。とはいえ、それは、褒めているつもりの自己満足だけで、相手に伝わっていないことが原因でもありました。

褒め上手になって、部下の承認欲求を満たし、コミュニケーションを深めることやモチベーションアップに繋げていきましょう。よく聞かれる悩みの解決策として、「褒めるタイミング」「褒める内容」「褒めるときの言葉」の3つのポイントをお伝えします。

褒めるタイミングは、相手の好ましい行動を知った直後

「いつ褒めるといいのか?」、これは、人材の育成を担当する方によく聞かれる質問です。答えは、「成果や結果を出した時(知った時)にすぐに」です。このタイミングを少し間違えるだけで、相手のモチベーションに大きく影響します。

部下が良い結果を出したことを知り、近くに部下がいるにも関わらず、「今は忙しいからあとで……」なんて思っていてはいけません。
翌日に褒めても、相手の気持ちが落ち着いた状態では、「今頃?」と逆効果になってしまうこともあります。たとえ仕事が忙しい状態でも、少し手を止めて部下のところへ行き、一言伝えるだけで部下の心に大きく響きます。
近くにいないときは、次に会ったときすぐや、メールや電話などでも良いですね。

女の子が虫眼鏡で目を拡大させている写真

エステ会社で働いていたとき、大きな契約を決めたことがあったのですが、上司は不在でした。そのお客様は、私が苦手なタイプだったので、契約を決めるのが難しく、とても苦戦してなんとか契約にこぎつけました。そのお客様が契約後に来店されたとき、上司が対応したあとすぐに私のところに来て、「あの(難しいタイプの)人からよく契約を取れたね」と、褒めてくれました。努力が報われたように嬉しく感じたことを今でもよく覚えています。
時間を経過してから上司に褒められたとしたら、これほどまでに嬉しく感じなかったと思います。

褒める内容は、具体的な根拠とともに伝える

今年のサラリーマン川柳コンクール100選には、【叱っても 褒めても返事は「ヤバイッス」】(出典:第一生命第32回サラリーマン川柳コンクール)という句がありました。
若い世代の人にとっては、「ヤバイ」はいろいろと使えてとても便利な言葉ですが、実際には「何が?」が抜けている曖昧な言葉です。

それと同様に、「すごいね」「できたね」ばかりの褒め言葉では、部下には褒められたことが伝わらないこともあります。具体的な根拠をプラスすることで、「褒めてもらった」と実感してもらえるのです。

曖昧な褒め言葉にならないためには、部下の行動を常に観察する力が問われます。
曖昧な言葉は、お世辞や、上辺だけのようにとらえられることもあり、不快に思う人からは信頼を失うことにもなりかねません。仕事の結果が上手くいっても、いかなかったときにも、どのような行動やがんばり方をしていたのか、具体的な工程の根拠を褒めることで、「がんばって良かった」と満足感を得ることができます。

単語帳と文房具の写真

ある先輩の仕事ぶりに「さすがですね!」と、敬意を込めて伝えたところ、「何が?」と言われたことがあります。「何を見てさすがと思ったの? 曖昧な言葉では喜べない」と、きっぱりと言われました。
始めは、褒めたのに言い返されたことにショックを受けましたが、曖昧な言葉で褒めても相手に伝わらないと改めて感じ、反省をしました。すぐに、具体的にどのような点や行動や言葉などにさすがと感じたのかを熱く語ると、とても喜んでくれました。

自分の思いを具体的に伝えることが大切だと考えさせられる、良い経験となりました。

褒め言葉は、ふだんから語彙を増やし、豊かに

「褒めたくても言葉が出てこない」というご相談がとても多いです。
褒めたいと思っても、語彙が少なくて、なんと言ったらいいのかわからない。褒め言葉が見つからなくて、気持ちがあっても言葉が出ない。
出なければ残念ながら、上司の気持ちや思いは部下には伝わりません。また、語彙が少なくて、毎回同じ言葉だけだと、だんだん伝わりにくくなってしまいます。
時には、ここぞと言うときのスペシャルな褒め言葉を準備することで、相手の心に響きますよ。そのためにも、語彙を増やして、日頃から表現を考えておくことが、とても有効です。

人材育成の研修では、50音から始まる《褒め言葉ワーク》をしています。
「あ」は「ありがとう」、「い」は「いいね」などです。実際にやってみると、なかなか出てこないと苦戦するのですが、グループで考えてすべて埋めてもらっています。
たとえば、「え」は関西弁で「ええやん」とか、「ま」は「マーベラス」、「ふ」は「富士山級」など、方言や英語、時には笑えるものなど、発想を広げて考えてもらうことで、「こんな表現だと嬉しいな」と知ることもできます。
自然と語彙も増えていきますので、一度考えてみてはいかがでしょうか。

仔ウサギを撫でる仔猫の写真

「褒める」というのは、相手の承認欲求を満たすものでもありますが、「褒め言葉」を使う上司も気持ちが良いものです。良いところを見つけることで、職場に活気がつき、良い人材を育成することができて、お互いの信頼関係も深まります。
もちろん、褒めるだけではなく、注意が必要なときには「叱る」こともお忘れなく!

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このマナーについては、#マナーOJTインストラクター

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 大縣 真弓

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