意外と知らない?! 取引先に社内の人を紹介するときのマナー 印象アップのポイント
2019/03/08
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの広瀬綾華です。
いつもお世話になっている取引先に、上司や先輩を紹介する際、一瞬、「どちらから紹介すればよかったかな?」と戸惑う表情を見せていませんか? 取引先に身内を紹介するときのマナーは、意外に相手から見られているものです。
もしかしたら、知らぬ間に取引先の方や上司、先輩に失礼にあたる行為を行っているかもしれません。
名刺交換についてのマナーは知っていても、意外と知らないのが、人物紹介のマナーです。
名刺交換は、①訪問者から先に、②相手より自分の立場が低い場合は先に、③複数で訪問した場合は役職が上の者から、というルールに沿って、ご挨拶をしていきます。
紹介をするときの基本は、その場において「地位、立場、役職などが上の人(目上)に対して、先に紹介する」ことがマナーです。なぜならば、目上の人に先に知っていただくこと=相手に対して敬意を示していること(マナー)になるからです。
取引先(目上)を訪問した際には、「社内の人(身内)を先に紹介し、その後に社外の人を社内の人(身内)へ紹介」、複数の場合は、「役職が上の人から紹介」すると覚えておきましょう。
それでは、感じのよい紹介の仕方を具体的に3つのポイントで説明いたします。
取引先の方が複数の場合は、焦らず、自分ペースで進めないこと
取引先のA部長とB担当者に、上司Cを紹介する場合で考えてみましょう。
まず、上司Cを取引先のA部長、B担当者おふたりに紹介。その後、取引先A部長を上司Cへ紹介します。
おふたりの名刺交換が終わったら、B担当者を上司Cへ紹介し、その後、名刺交換する流れが正解です。
気をつけるべきことは、上司Cを取引先A部長へ紹介してすぐ、次の方への紹介をしないことです。
引き合わされた人同士は、挨拶、名刺交換をされるでしょう。その流れを遮ることになりかねません。
流れが遮られて、「しまった!」というような表情で口をつぐむ紹介者……。実はこれ、私が人材派遣会社で勤務していた時の失敗談です。そもそもそれまでビジネスシーンで面識のない人同士を引き合わせる場面がなく、紹介の方法すら知りませんでした。事前に紹介する順を調べてから取引先を訪問したことを覚えています。
「相手へ早くお名前をお伝えしなければ」という気持ちからか、周りが見えていなかったのですね。上司に笑顔とアイコンタクトで合図をされ、一瞬、固まった記憶があります。恥ずかしい思い出です。
取引先の人を身内に紹介する際はプラスの一言で印象アップ!
ビジネスは、お互いに気持ちよく仕事をしたいものです。そのためには、ただ単にお名前だけ紹介するより、お名前プラス一言を添えることを意識してみましょう。
「〇〇部長(身内)、~さんには、〇〇の件では特にいつも気にかけて下さり、よくしていただいております」など、その人に対して感謝の気持ちなど一言添えると、印象アップに繋がります。相手が嫌な気持ちになることは、決してありません。おそらくその人から笑顔が見られ、その場の空気もきっと和むことでしょう。
同じく人材派遣会社で働いていたころの体験談です。
取引先の方が身内に私を紹介してくださいました。「いつも細かなところまで気配りしていただいております」など、嬉しい一言を添えてくださったのです。緊張も和らぎ、温かい気持ちになりました。
それからというもの、私自身も上司や先輩、後輩を紹介する場合、プラス一言を意識しています。きっと、お友達同士の紹介などプライベートでも同じことが言えるのではないでしょうか。
しぐさ、アイコンタクトもしっかりとしましょう
そして最後に、手の動きや目線を気にして相手に丁寧な印象を与え、信頼感へと繋げましょう。はっきりとした口調で紹介できていても、相手の目を見ていなかったり、雑な仕草だったりと、そこまで意識してできている人は少ない気がします。
「こちらは、~でお世話になっております……」など、人を指し示す場合は、手の甲を見せず手のひらを相手に見せます。そして、5本指を揃えて指先を伸ばしましょう。
次に目線です。まず、紹介先の相手を見て「今から紹介します」とアイコンタクト、その後、「こちらは……」と言いながら、紹介したい相手を見ます。
最後に、また紹介先の相手を見ましょう。そうすることにより、安心感や落ち着いた雰囲気が相手に伝わるのではないでしょうか。
私は、昔から落ち着きがなく、動きが大きくて雑に見えてしまうことが多々ありました。人と人を繋げる紹介シーンは、これから新しいことが生まれようとする素晴らしい瞬間です。だからこそ、その空気感をよりいいものにするために、細かなところまで意識すべきだといつも心がけています。
いかがでしょうか。身内の紹介は、ビジネスシーンには必ずといっていいほど、よくあるシチュエーション。
スマートに紹介ができることも、「気持ちのよい関係が築ける第一歩」です。紹介される側もきっと誇らしいはずです。
あなたの紹介で、紹介される人の印象が変わるのです。ぜひ、この機会に一度、見直してはいかがでしょうか。
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講師広瀬blog