子どもを守る!入学前に伝えたい交通マナー
2019/03/22
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの赤名 麻由子です。
新一年生になるお子様がいらっしゃる親御様、おめでとうございます。4月に向けてきっと準備も大詰めでいらっしゃることでしょう。
子どもの成長を感じて感慨深い気持ちとともに、小学校入学を経験するのが初めての場合は、心配なことも出てきますよね。その一つが自宅と学校の往復の道のりではありませんか?
幼稚園であれ保育園であれ、保護者や先生が必ず付き添って登園していました。休日のお出かけだって、子ども一人で出かけさせるということはほとんどなかったのではないでしょうか。
それが、4月になったとたん“一人でいってらっしゃい”となります。けれども、皆様も、そして私も、そうやって学校に通ってきたのです。我が子にできないはずはない、ですよね。
子どもが安心して登下校するためには、正しい交通ルール・交通マナーを伝えてあげなければなりません。
今日は子どもに交通マナーを伝えるポイントを3つお伝えいたします。
一緒に通学路を歩いてみよう
実際、新一年生の登下校の現状はどうなのか、まず親がきちんとデータや情報を確認しておく必要があります。たとえば、下記のように小学校一年生の登下校に特化したデータを詳しく記載しているサイトに一度目を通しましょう。
内閣府大臣官房政府広報室
公益財団法人交通事故総合分析センター
事故の発生しやすい場所、時間、特徴などが詳しいデータとともに掲載されています。
小学校一年生に多い事故の原因は飛び出し事故です。
そのことを念頭におき、まずは自宅から学校までの通学路を子どもと一緒に歩きましょう。そして、「ここは子どもが飛び出しやすいところ」「車の往来が激しいところ」「ここは目線を奪われやすいから注意をする」など、子どもの性格や、行動を良く知る親だからこその目線で確認し、子どもに注意を伝えます。
そのほかにも、標識の意味や、何かあったら助けを求めるところというように、親子で確認しながら歩きましょう。
私も就学前の子どもと通学路を歩きました。最初は手を繋いで標識や場所を確認しながら歩き、次は後ろから見える程度の距離を置いて歩き、子どもが教えたとおりにできると確認したら、一人で歩かせました。
子どもができていることを確認するまで根気強く行い、最終的には一人で往復できることを確認しましょう。
一つのルートだけでなく、「工事などでこの道を使えないときはこちらから帰る」という情報も、入学前に話し合えるといいですね。
一緒に交通ルールを学ぼう
通学路を一緒に確認したら、自宅で交通ルールや標識のマナーについて一緒に確認します。できれば時間を空けず、「今見てきた標識はこれだね」「こういう意味があるんだよ」というように本やインターネットを見ながら確認すると良いでしょう。
一緒に道を歩いているときに見つけた道路の標識や、注意するように伝えた場所を携帯カメラや写真に撮っておき、「これはどういう意味の標識かな?」「ここでママはどうするって言ってた?」「ここではどんなことに注意をしないといけないかな?」というクイズ形式で確認するのもお勧めです。
そのほかにも、警察で開催される交通マナーの教室や交通公園にも、就学前に機会を見つけて親子で行ってみると、子どもの意識が高まります。お休みの日に、ご自宅の近くの交通公園に学びと遊びを兼ねて行かれるのも良いかもしれません。
私が子どもと一緒に確認しているときに気をつけたことは、「コレは」「ココは」という言葉をなるべく少なくするということです。
通学班の待ち合わせ場所を伝えるときも、「ココに集まるんだよ」ではなく、「この茶色の壁の〇〇というマンションの前にある、△△病院の看板がついている電信柱の前に居るんだよ」という具合です。
手を繋いでいるから、一緒に居るから、同じものを見ているだろうと思って「ココ」と言っても、必ずしも子どもが同じものを見ているとは限りません。
人は自分の見たいように見て、聞きたいように聞くという性質があります。きちんと同じものを見るように伝えてあげましょう。
“止まる”練習をしよう
小学校一年生の交通事故でいちばん多い飛び出し事故を防ぐために、事前に口頭で注意することはもちろん必要ですが、もう一つ大切なことがあります。
それは飛び出そうとする子どもに“止まる”という動作がすぐできるよう身につけてあげることです。
この“すぐに止まれる”ことが大切です。
子どもは興味があることに夢中になると、注意力が散漫になることが多々あります。皆様のお子様はいかがですか? 私の子どもは、興味があるものにはそれに向かって一直線。“周りを見る”“止まる”と言った言葉は完全に忘れます。
子どもに危機が迫っているのを発見したとき、また自分ではない誰かが子どもに危険を知らせてくれたとき、その声にすぐに反応して“止まる”ことができれば、危険を回避できる可能性が高くなります。
皆様は相手に危険を知らせるとき、何と言って声をかけますか?
「危ない!」「とまれ!」「ストップ!」でしょうか。子どもがその言葉に反応して止まれるように、日頃から練習してあげましょう。
わが家でも練習しましたが、最初は交通安全のために、というよりも、子どもがゲームに参加するような気持でできるよう 「ママがストップって言ったらすぐに止まれる人が“勝ち”ゲーム!」と無理やりとも思える題名をつけて取り組みました。
一人でもいいのですが、兄弟や近所の同学年のお友だちと一緒に行うのも、お互いに競い合って止まるのでお勧めです。誰もいなければ、子どもと自分で交互に「ストップ!」「とまれ!」と言いながら楽しんで取り組めるようにしました。
子どもが「ストップ!」と言ったときに私が止まらないという場面を作り、「もしここで車が通っていたら、ママはどうなっていたと思う?」と子どもに想像させることもしました。
子どもは“今”に集中しているので、“もしも~だったら”という仮定や未来を想像することが苦手です。止まらなかったらどうなるかを子ども自身に考えさせることも大切です。
子どもがランドセルを背負って一人で学校に行く姿を想像するだけで、胸が熱くなります。その姿を送り出すときに「事故に遭わないかしら」「一人で大丈夫かしら」と親が不安な気持ちで送り出すと、子どもにはすぐその気持ちが伝わります。
ママの不安そうな顔を見て「学校に行くのは事故に遭うかもしれないから怖い」「ママの言ってたことができなかったらどうしよう」と不安な気持ちが大きくなってしまうかもしれません。
ここはママが自信を持って、「大丈夫!いってらっしゃい!」と笑顔で送り出してあげたいですよね。ママの心からの笑顔は、子どもにとって最高の元気の源です。
新しい小学校生活、親も子どもも笑顔で迎えましょう。
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このマナーについては、#キッズマナーインストラクター
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シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子
講師赤名 blog