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研修・会議の効率UP!アイスブレイクを使いこなそう

2019/05/03


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの赤名 麻由子です。

みなさんはアイスブレイクという言葉を耳にされたことがありますか? その名前のとおり、緊張で氷のように固まった心をほぐす、砕くという意味があります。

緊張は、研修・会議の前に高まることが多いですよね。そのため開始後すぐにアイスブレイクの時間を取り、緊張を取ることが多いです。
その他に“場の雰囲気を和ませる効果”もあるため、研修中に受講生が行き詰まったとき、難しい内容が続いたときにアイスブレイクを取り入れて気分一新、再び目的に向かう意識を高めるという使用方法もあります。

研修も会議も、限られた時間の中で成果を出すことを目指すのは同じ。参加される方の緊張をほぐし、本来の研修目的へ集中を高め、目的達成の効果をアップさせるアイスブレイクの使い方と、逆にアイスブレイクを使用しない方がいい場合をご紹介します。

研修でのアイスブレイクは、参加者に合わせて

研修でアイスブレイクを取り入れようと思ったとき、大切なことは“今回の研修に参加するメンバーはどのような方々なのか”ということです。新入社員なのか、管理職なのか。初めての研修なのか、数度目の研修なのか。
ほぐしたい緊張は何かを考え、アイスブレイクの内容を考えましょう。

氷の解けていく様子

以前、企業研修で実際に行ったアイスブレイクの一つをご紹介いたします。

研修目的は、コミュニケーション力アップ、参加メンバーは各支店から2名ずつ計18名。年齢も性別もばらばらです。
このときは、「他己紹介」をアイスブレイクとして使いました。自己紹介はご存知かと思いますが、ペアになった相手の紹介をするというワークです。
今回は各支店から2名ずつの参加でしたので、同じ支店の参加者をもう一人の参加者に紹介してもらいました。

最初の言葉は全員同じ。「こちらは、私○○と同じ支店に勤務している△△さんです」。
その後、①日頃の業務内容、②△△さんの良いところ、素敵なところを簡潔に紹介してもらいました。

この他己紹介の効果は
・自分の名前ともう一人の名前がメンバーの耳に入るので名前を覚えやすい。
・相手の良いところを見つける練習になる。
・一緒に仕事をしているメンバーの業務内容について理解が深まる。
・褒められることが嬉しいという気持ちに気づく。
・発表者も紹介される方も、聞いているメンバーも笑顔になる。
・文章を簡潔にまとめて発表する練習になる。
という効果がありました。

アイスブレイクは緊張を溶かす手法ですので、参加して笑顔になれる内容がいいですね。その後のコミュニケーションに関する討議は大変活発に行われました。

会議でのアイスブレイクは簡潔に、議題につながるものを

会議でのアイスブレイクと聞くと、「会議中にゲームをするの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
アイスブレイクの目的は、“緊張をほぐす、場を和ませる”ことです。ですから場が和めば必ずしもゲーム形式にしなくてもいいのです。

会議が始まってすぐ議題に取り組みたい気持ちも分かりますが、冒頭に一言、メンバーに共通する話題や、議題に関わる話をして場を和ませると、参加するメンバーが意見を出しやすくなり、会議が活性化します。

胸に手を当てて悩む男性の様子

おすすめの話題は、全員が“YES”と言えるもの。そして、ただの世間話にならないよう、会議の成果が上がるように繋げます。たとえば

「天気も良く新緑が綺麗な時期ですね」
→ 時間内に内容をまとめて外へランチに行きましょう。

「今日の参加者全員、ネクタイがストライプですね」
→ みなさん息が合いそうですね。活発な意見交換をしましょう。

こういった一言が、討議開始前にあると、場の雰囲気が和みます。
この時期の話題としては、

「新元号、令和が始まりましたね」
→ 新しい時代にふさわしい結果を今日は出しましょう。
などいかがですか?

長くなると場が和むどころか、「早く本題に」となりますのでご注意くださいね。

アイスブレイクが不要なとき

それは“クレーム対応”のときです。
クレーム対応での集まりの場が設けられたときは、場を和ませるアイスブレイクは不要です。場を和ませてから本題に向かおうという姿勢が、クレームを抱えている方にとっては、「問題を避けている」「誠実ではない」という印象を与えてしまいます。

もしご自分がクレームを抱える立場だったら、同じ気持ちになりませんか? 「改善して欲しい、辛かった」という気持ちを伝えたいのに、「今日はいい天気ですね」「今日のお洋服素敵ですね」という言葉をかけられても誠意を感じられません。

クレーム対応では、まず謝罪の意を先方にお伝えすることが大切です。
アイスブレイクで相手の凍った心を溶かすのではなく、皆様の真摯な態度と誠意で固くなってしまった心を溶かして下さい。

ハートのクッションをもって微笑むオフィスレディ

アイスブレイクには、研修・会議に集まったメンバーのコミュニケーションを深め、目的達成までの効率を上げるという効果があることをお伝えしました。
アイスブレイクはタイミングと内容がピッタリ合うと、とても効果を発揮します。取り入れるときに大切なことは、「アイスブレイクを行うことが目的にならないように」ということです。
その日の研修は何を目指しているのか、貴重なメンバーの時間を使う会議で何を目的としているのかを忘れないようにしましょう。有意義な研修・会議が行われますように。

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シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子

講師赤名 blog

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