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赤ちゃんの喪服に迷ったら・・・イメージ画像

子どもの葬儀参列のマナーは? 服装の注意点と子どもが騒がないための心の準備

2019/10/18


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの赤名麻由子です。

前回は皆様がお葬式に参列するために準備しておきたいことをお伝えしました。
【葬儀参列の服装・持ち物のマナーは?事前にお葬式セットを準備するときの選び方】

自分の準備はできるけれど、子どもには何を着せればいいのでしょう?
「喪服を買わなければいけないのかしら? でもすぐに大きくなってしまう」「といって普段着で参列していいのかな?」などなど、子どもと参列することになって初めて意識する方も多いと思います。

お葬式に参列する子どもの服装は、大人ほど決まりごとがありません。本日は守るべきポイント、準備しておきたいことを、乳児、幼児に分けてお伝えいたします。

乳児の服装と参列の場で気にしておきたいポイント

子どものなかでも、まだ新生児や乳児であれば“お葬式に参列しなくていい”と言われるかもしれません。ですが親族のお葬式であった場合は、子どもと参列するという場面もあります。
乳児の服は明るい、可愛らしい服が多いので、お葬式用の黒い服を見つけることはとても難しいですね。仮に事前準備のために見つけたとしても、一度も袖を通さないままだったということになりかねません。
グレーや紺のような落ち着いた色で、無地のものがあればいいですね。新生児の服でしたら(光る素材の装飾は服についていないと思いますが)レースがふんだんにあしらわれているなど、装飾が多い服も避けましょう。おくるみの色を黒やグレーにするだけでも参列にふさわしくなります。

赤ちゃんの喪服に迷ったら・・・イメージ画像

当日、新生児や乳児はいつもと違う雰囲気を感じると、それだけで愚図り、お経や木魚の耳慣れない音、お線香やお焼香の香りで泣いてしまうこともあります。オムツや授乳も泣いて知らせるので、母親はそのたびに席を外すことになります。
乳児と参列するときには、すぐに席を離れられるように出入りしやすい場所をお願いしましょう。席を外すことがある旨を、“申し訳ありませんが”と一言加えて喪主と周りの方にお伝えし、状況を分かっていただくと良いです。
また、控えとして用意されている場所や部屋を事前に確認しておきましょう。

幼児や学生は制服か、手持ちの服の場合は黒と白の無地の服で

幼児や学生は、幼稚園・学校の制服が正装になりますので、制服で参列すれば良いです。制服が無い場合は、黒と白を意識して手持ちの洋服を着用すれば問題ありません。

その際に気をつけたい点、避けたい点は以下のとおり。
・光る飾りが付いてる服は避ける
・生地に光沢がある素材の洋服は避ける
・靴下は黒でひざ下丈のものを着用する(くるぶし丈、ニーハイソックスは避ける)
靴下は黒が無ければグレーや白でもいいのですが、長さはひざ下丈を守りましょう。くるぶし丈では素足に見える、お葬式はおしゃれの場ではないという理由からニーハイソックスの長さの靴下も避けます。
・キャラクターがメインになっている服
子ども服はキャラクター使用のものが多いですね。小さなワンポイントなら良いのですが服の半分がキャラクターになっている服はお葬式には避けましょう。

私は、幼児用の喪服を買うことはしませんでした。その代わり、サイズアップで服を買い足すときに黒・白のシンプルな服を買い足すようにしました。
夏でしたらポイントも何も付いていない黒と白のTシャツ、半袖シャツ、冬でしたら黒のワンピース、ズボン、白のシャツ一枚買い足すといった具合です。
普段使いできますし、手持ちの柄物と合わせるときにも無地の洋服は役に立ちます。いざ葬儀に参列となれば上下を黒にすれば服は揃う、という具合です。

子どもの成長は本当に早く、すぐに服のサイズが変わります。喪服があればいちばん良いのでしょうが、無くてもお悔やみの気持ちは表せますよ。

外見だけでなく心の支度も揃えてあげましょう

「子どもはお葬式で騒ぐから連れて行かないほうがいい」というご意見も耳にします。でも事前にきちんと説明をすれば、きっと子どもの参列マナーも変わります。

何も説明がないまま「お葬式に行く」と聞いて連れていかれた場所。親戚の人がいっぱい、いつもと違う雰囲気、何が起こるか分からないまま……では、子どもも興奮状態になってしまいます。

ぜひお葬式に参列する前に次の3点を伝えてあげましょう。
1.お葬式とはどういうものでこれから何が行われるのか
2.参列する人はどうして黒い服を着ていて、どういう気持ちで参列しているのか
3.子どもはどういう態度で過ごすと良いのか

大人でもいざ参列となれば緊張しませんか?
「これから何がはじまるの?」「どうしてみんな黒い服を着ているの?」「なんで泣いているの?」と子どもは疑問でいっぱい。それを「お葬式だから静かにしなさい!」では子どもも辛いですよね。
それぞれご家庭によって宗教や考え方から伝え方は変わると思いますが、上記3点はぜひ伝えてあげてください。

もう一つ、子どもが安心するポイントは、“お母さんがどう思っているか”を伝えることです。
おじいちゃんのお葬式に参列した場合を例にすると、
「おじいちゃんは亡くなってしまったけれど、おじいちゃんがいたから○○くん(○○ちゃん)がいるんだよ。お葬式でママはおじいちゃんに“ありがとう”って言いたいんだ。一緒に心のなかで“ありがとうございました”って言ってくれる?」という伝え方です。

他にも絵本を使って事前に読み聞かせもいいでしょう。お勧めの絵本を2冊ご紹介しますね。
亡くなった方について子どもと一緒に話をするきっかけになる本
『このあと どうしちゃおう』作:ヨシタケシンスケ/出版社:ブロンズ新社

少し大きくなって読解力がついたら
『さよなら、おばあちゃん』作:西本鶏介/出版社:佼成出版社
などもお勧めです。

お葬式に参列する……。自分の準備だけでも大変だと思っていたのに、いざ子どもと一緒に参列となったらさらに準備も倍増、ママは忙しくなりますね。
事前に少しでも準備ができていると、ママの気持ちも楽になりますよ。もし参列となったらぜひ子どもとゆっくり向き合う時間を設け、心の支度も整えて差し上げて下さい。

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このマナーについては、#キッズマナーインストラクター養成講座

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子

講師赤名 blog

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