中華料理は楽しくいただくのがマナー!食べてお話してコミュニケーションを深めよう
2020/02/21
みなさん、こんにちは。
マナーOJTインストラクターの赤名 麻由子です。
みなさんは親戚や会社の集まりで、お店が中華料理のお店だったことはありますか? 円卓で料理を囲み、お話をしながら食事をするのはとても楽しいですね。肩肘張らずに食べられるのが中華料理の良いところです。
今回は、中華料理をいただくときに少し気をつけると、周りから「素敵だな」と思われるマナーをお伝えいたします。
どのように座りましょう? 円卓での席順のマナー
“仲間と楽しく食事をすること”を大切にするため、中華料理で使用するテーブルは円卓と回転テーブルを使い、お料理を取り分けながら会話が楽しめるようになっています。
円卓を二人で利用することはありませんよね? 円卓でいただく中華料理は大勢で賑やかに食べたいときにピッタリです。
そのため、最近では会社の接待や、親戚の集まりで中華料理を選ばれる方が増えていますよ。
四角いテーブルでしたら、どこが上座でどこが下座か判断がつきやすいと思いますが、丸い円卓には上座と下座があるのでしょうか?
実は、きちんと上座と下座はあるんです。入り口から一番遠いところが上座、ドアから一番近いところが下座です。
上座に偉い方や主役の方が座ったら、その方から見て左が2番目、右が3番目、というように座っていきます。
つい“お部屋に入った順に奥からどうぞ~”なんて言ってしまいそうになりますが、お席をご案内するときなど気をつけたいですね。
接待で使われることも多いので、みなさんがご案内する立場になったときには、主賓の方をスムーズにご案内できると相手の方もすぐに会に馴染めるでしょう。
円卓ですから、どこに座っても輪の中心になりそうですが、やはり主役には一番ふさわしい場所をご案内してあげたいでものです。
先日主人方の親戚の集まりがありました。10名以上の集まりでしたので、中華のお店を予約しました。
いちばん上座に座るべきは義父(おじいちゃん)、その左に義母(おばあちゃん)をご案内して、私たち家族は注文などしやすいようドアの近くの席へ座りました。
そのとき、孫である子どもたちに向かって、おじいちゃんが「おじいちゃんの隣で食べなよ」との提案。子どもたちもおじいちゃんが好きなので、「うん!」と即答しました。
さて、席はどうしましょう。
もちろん、子どもたちをおじいちゃんの両隣に座らせました。おじいちゃんの左隣に上の子、右隣に下の子です。まだ手がかかるので上の子の隣におばあちゃん、下の子の隣に私が座りました。
義父の嬉しそうに食事をする姿がとても嬉しく、集まりも賑やかになりました。
決められた席順はあるけれど、主役の場所さえ押さえていれば、あとはアレンジもしてもいいのです。
いちばん大切なことは、“みんなが食事を楽しくいただける時間にすること”ですね。
取り分けるときに少しの心遣いを!コミュニケーションを深めるコツ
さて、席に落ち着いたら、お料理をいただきましょう。
円卓での食事は大皿に盛りつけされた料理が運ばれてきます。まず主賓が料理を取り、そのあとは時計回りに順番に取っていきます。
円卓に座っている方全員分のお料理が大皿に盛られていますので、みなさんにいき渡るよう、取る量も気をつけたいところですね。このようなところでも、一緒に食事をする方への思いやりが現れます。
座ったまま自分のお料理を取ったら次の方へ。
このときに、“どうぞ”と言って回すだけでもいいのですが、せっかくお隣になったのですから、会話を楽しみませんか?
隣の方とあまり面識がなく、何を話していいかわからないときは、これからお伝えする3つのステップで質問をすると会話が広がりますよ。
ステップ1: Yes Question(イエス クエスチョン)
最初は、何も考えなくても「はい」や「そうだね」と相手が肯定的に答えられる質問をします。
たとえば
・今日はいい天気ですね。→ そうですね、いい天気ですね
・今日は中華のお店ですね。→ そうですね、中華ですね
といった具合です。
ステップ2:Closed Question(クローズド クエスチョン)
次に、相手が「はい」か「いいえ」で答えられるような絞った質問をします。
・中華はお好きですか?→ はい、好きです/いいえ、苦手なんです
・今日は車で来ましたか?→ はい、車で来ました/いいえ、電車で来ました
ステップ3:Open Question(オープン クエスチョン)
ステップ2でお答えいただいた内容を広げていきましょう!
(車の例)
“はい” → どのくらいお時間かかりましたか?
→ 車で出かけることは多いですか?
“いいえ”→ 何線をお使いですか?
→ 電車は混んでいませんでしたか?
などです。
自然にどんどん会話が広がりますね!
相手が答えているときは、体を向けて、話に頷くなど聴く姿勢も大切にしましょう。こちらから質問をしたのに、料理を必死に食べていて聞いていない、ということがないように気をつけてください。
私は以前、中華料理のお店でアルバイトをしていたことがありました。
宴会のお料理はお客様ご自身で取り分けるのが基本でしたが、「事前に分けて配ってください」とお願いされることもあります。
もちろん、どちらのグループも食事と会話を楽しんでいるのですが、自分たちで料理を取って相手に渡す方達は、顔を向かい合わせ、笑顔になり、会話を楽しまれる姿を多く拝見しました。
中華料理の良いところはコミュニケーションを深め、楽しく美味しく食事ができることですね。
美味しいお料理を美しくいただく!レンゲを使いこなそう
洋食でしたらナイフとフォーク、和食でしたらお箸、のようにいただくお料理の種類によって手に持つものも変わります。
中華料理で使う道具には、レンゲがあります。レンゲをスプーンのように使ってしまいたくなりますが、実はレンゲにも正しい持ち方、食べ方があるんです。
レンゲは、持ち手に溝があります。そこに人差し指を入れ、親指と中指で持ち手を挟むように持ちます。
レンゲはスープや麺類、ご飯類をいただくときに使いますが、持ち方は1つです。持ち方は1つなのですが、持つ手は食べるものによって右手と左手で変えます。
たとえば右利きの方の場合
・麺=右手の箸で麺をすくって、左手のレンゲに一度乗せて、右手でいただく
(汁の跳ね返りを防ぎます)
・汁=右手の箸を一度置いて、右手にレンゲを持ち換えていただく
(口元まで横のまま移動し、斜めにして飲みます)
麺と汁をいただくのにレンゲを持ち替えるなんて面倒だなあ、なんて思われた方、いらっしゃいませんか? 実は私が思っていました。
しかし、先に述べたアルバイト先で一緒に働いていた中国の方のラーメンの食べ方を見たとき、とても綺麗で衝撃を受けました。
正しい使い方はやはり魅力的に見えます。
私たちがご飯をいただくときも、背筋を伸ばし、正しいお箸の持ち方をしている方、指を揃えてお茶碗を持ち、ご飯をいただく方を見ると、美しいと感じますよね。
ぜひ美しい食べ方を身につけませんか?
ほんの少しの気遣いが食べ方や会話にあることで、中華料理の基本のマナーである“美味しいお料理をみんなで楽しくいただくこと”に近づけます。
さらにご自身の仕草も魅力アップしてみてくださいね。
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シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子
講師赤名 blog