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プロマナー講師が教える 良いチームをつくるリーダーの3つの心得

2020/02/28


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの毛呂霞です。

4月から新入社員を受け入れるにあたり、この2月、3月はリーダーや育成担当を選出し、リーダーとしての受け入れ研修を多く実施する時期です。
リーダーになるメンバーがよく口にすることは、「どうやったら後輩がついてきてくれるかわからない」「職場でトラブルが起きたときにリーダーとしてどう対処すればいいのかわからない」など、責任感からくる悩み。

今回は、そんなリーダー候補生の悩みを解決するために、まずは基本的な3つのポイントをお伝えします。

リーダーは【率先垂範】できることが大前提

初めてリーダーになる人にとっては、「リーダーとはどうあるべきか」が気になることの一つでしょう。「この人の言うことだったら正しいんだろうな」と思ってもらうためにも、まずは率先垂範が大切です。
率先垂範とは、『まずは自ら模範となる行動をすること』です。
たとえば、マナーの基本となる挨拶。よくあるのが、部下や後輩が挨拶をしてもパソコンを見たまま、相手のほうを見ずに挨拶をする。一方で、お客様や社内に対しての挨拶について指導をしたとしたら、説得力に欠けますよね。
これでは、部下や後輩に、気持ちの良い挨拶のマナーは伝わりません。

言葉遣い一つにしてもそうです。きとんとした敬語で話すことができていなかったり、きつい話し方をしていたりする場合、何が正解なのか、部下や後輩はわからないのです。
まずはリーダー自身が見本となる行動を取ることが大切です。

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マナーや業務だけが見本となるのではありません。
普段からの発言や行動に対しても、責任を持つことが重要です。
これは職場の環境を明るくすることにも繋がりますし、さらに「いつも前向きなリーダー」に対して魅力を感じ、「この人についていこう!」と思ってもらいやすくなります。
忙しい現場で「疲れた」「しんどい」などのネガティブな言葉はなるべく控え、「一緒に頑張ろう」と前向きな発言を心がけましょう。

トラブル発生!そんなときこそチームの成長のチャンス

チームの中で起きるトラブル。これも、リーダーにとっては悩みのタネですね。職場のトラブルに対して悲観的になるリーダーは、あなただけではありません。
まず、安心していただきたいのは、「そういったトラブルも、チーム結成のなかで必要なことである」ということです。

チームビルディングにおいては、チームが形成され、成果を出すまでを段階に区別した考え方があります。心理学者のタックマンが唱えた、「タックマンモデル」と呼ばれるものです。そのモデルでは、次の4つの段階に分けています。

タックマンモデル|DEVELOPMENTAL SEQUENCE IN SMALLGROUPS
5段階集団発展モデル|Stages of Small-Group Development Revisited

①形成期
②混乱期(最重要)
③統一期
④機能期

なかでも、②の混乱期は非常に重要です。

みなさんは、同じ組織のなかで、同じゴールに向かって協働しなければなりません。しかし、育ってきた環境や立場、関わってきた人が違うなかで、価値観が同じということはほぼありません。
「これはこうだよね」「これが常識」といった、それぞれが当たり前としてきた価値観がぶつかり、チームでかみ合わない時期は必ずきます。それが混乱期です。

ここを乗り越えられるかどうかが、チームとしてうまくいくかどうかの肝です。
混乱期を恐れず、意見を言いましょう。その意見は、仕事のために言っているのであって、あなたを否定するわけではありません。

また、話し合いの際に気をつけたいのが、自分の意見を押しつける言い方をしないことです。
そのためには、事実と感情を分け、お互いが納得できるラインを見つけられるよう提案をすること、そして話す際の表情や言葉遣いなどを相手に合わせて話すことが大切です。
リーダーとして、全員が意見を言えるように配慮し、妥協点や意見のすり合わせを行いながら一つのゴールに向かいましょう。

リーダーは一人で抱え込まない。部下を一人にすることもない

新人のリーダーにありがちなことは、一人で何でも抱え込んでしまうこと。
一人で抱え込んでいても、仕事は進みません。さらには、過剰な業務がストレスになり、最悪の場合は体調を崩してしまうことも……。それでは本末転倒ですね。

何かに迷ったり困ったりしたら、すぐに相談をするようにしましょう。
そうすることで解決の糸口を見つけられるかもしれませんし、抱え込んでいたものを言葉で吐き出すことがストレスケアにもなります。

素敵なマナー美人の第一歩は気持ちの余裕。上手なストレスケアを取り入れよう

私自身がチームリーダーになったときのことです。
同じゴールに向かおうと、全員が試行錯誤しながら業務を遂行していました。いくつかのチームがあったのですが、他のチームでは成果が出始め、私のチームはなかなか成果が出ず、とても悩みました。
メンバーも困っていた状況で、私自身、誰に相談すればいいのかわからず、非常にストレスの高い状況でした。

そんなとき、成果を上げたチームリーダーの一人が声をかけてくれ、話し合うことの大切さや成果を上げるためのコツを教えてくれました。また、リーダーだからといって、すべて自分で行うのではなく、分担させることも必要であることに気づかされました。
いただいた助言をもとに行動してみると、すぐに数字での成果を出すことに繋がり、そうしたことでチームの結束も強くなりました。

リーダーは、周りの、特にメンバーの変化にも敏感に反応してあげてください。
困っていても、人に意見の言えないメンバーもいます。そういったケースでは、「誰にも話せない、相談できない」という思い込みから、ストレスを抱えがちです。
言葉に出せないメンバーにも気を配り、その意見に耳を傾けることも重要です。

当たり前のことのようですが、特に大切な3点です。
凡事徹底を心がけ、強いチームを作りましょう。
会社は一人の力では動きません。どれだけ優秀な社員が一人いたとしても、それだけでは小さな成功しか掴めませんし、人数が多くなれば、その分新しいアイデアを生むことにも繋がります。
チームの結束を固めるために、今回お伝えした3点をしっかりと意識し、よいチームをつくるリーダーを目指してください。

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このマナーについては、#ソーシャルマナー #マナーOJTインストラクター

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 毛呂 霞

講師毛呂 blog

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