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御墓参りをする子供

おうち時間こそ 改めて見直したいお墓参りのマナーについて

2020/07/10


みなさん、こんにちは。シニアマナーOJTインストラクター・キッズマナーインストラクターの前澤 暢子です。
7月に入り、そろそろお盆の準備が気になるシーズンとなりましたね。今年はコロナのこともあって、思うようにお墓参り出来ない方も多いと思います。
そんな中でも、子どもたちのかけがえのない夏の思い出として、親戚づきあいでも悔いを残さないために大切な、リモートお墓参りについてお伝えします。

リモートでは うつさない、拡散しないように気をつけましょう

実家が遠くにあり県境をまたいでの移動を自粛しているという方は、お墓守の方にお願いして、みんなでリモートお墓参りはいかがでしょうか?
以前こちらでもお伝えした通り、私は親族間でのグループチャットを利用しています。

親族との連絡をスムーズに、アプリを使ったコミュニケーションのマナー


こうしたツールを利用して普段から親しくしているなら、墓守をして下さっている方に、ぜひリモートお墓参り会の開催お願いしてみてはどうでしょうか。
その場合気を付けなければいけないことは、まず、うつさないことです。
お墓で撮影となると、昔の言い習わしなどでも「魂が映る」とあり、中には不謹慎だと嫌がられる方もいらっしゃるかもしれません。私も、面白半分でふざけて撮影するようなことはオススメしません。
ですが、お盆の墓参りは、子どもたちに、その家の文化を伝えられる大切な年中行事でもあります。ぜひ今年は、お墓に一番近い方にリモートお墓参りの開催をお願いしてみてください。
その際注意すべき点は、

グループビデオ通話はばらまかない等、グループ内で約束ごとを事前に決める。

グループ内だからと言っても撮影したものを録画、共有する場合、思いがけず拡散する恐れがあります。撮影を録画した場合は、この動画はグループ内でしか見ないことや、どのようなカットもSNSに掲載しないこと等、最初に約束事を決めましょう。
そうすることで比較的、こうしたビデオ通話ツールに気後れされている方も参加しやすくなります。拡散されてうちのお墓の写真が出回ったら嫌だななど、思うことは人それぞれ。事前にグループ内で、話し合って、ルールを決めておくのがよろしいでしょう。

他のお墓を不用意に映さない、入らない

お墓であっても名前などが画面に映りこまないように細心の注意を払いましょう。墓石の刻印などから、誰のお墓か等個人が特定しやすくなる箇所を映すのも控えた方がよろしいでしょう。
お墓参りの様子を見たいからと言って、他の方の墓所に入り込む形で三脚を立ててもらうようなことは控えましょう。もしどうしてもカメラがあるとお墓参りが進まないなどの場合は、一旦撮影を止めて、作業に専念していただきましょう。

墓守の方にはきちんとお礼をしよう。

普段のお墓の管理もありがたいものです。リモートお墓参りを開催して下さった方には、直接電話してお礼を伝えましょう。
また、お中元にあわせてお線香代、供物等もお送りしましょう。供物については、詳しくは後程お伝えします。

お墓参りを通して おうちの文化を子どもたちに伝えましょう

子どもたちに『我が家の文化』を伝えるのに、本来なら直接お参りして、玉砂利の上を歩く感触や、やぶ蚊に噛まれないように気を付けるなど(何故お墓には蚊が多いのでしょうか!?)その空間を実際に訪れた体験を通して学んで欲しいものですね。ですが、今年はおうち時間
リモートお墓参りを開催していただければ、ぜひ子どもたちも参加させて、お墓参りについて画面の前で伝えましょう。
お墓に水をかける女の子の写真
お墓を掃除する手順や、掃除の際に気を付けること。墓石を洗うには専用の洗剤があるとか、やわらかい歯ブラシやスポンジ以外でこすると、傷がつきやすいんだよと言った実利的なことから、このお墓には誰が入っていて、その人はお父さんとどういう関係だよとか、お母さんのお母さんの、そのまた、お母さんが入っているんだよなど、子どもに分かる家族から、そのお墓に入っている人がどういう関係か、どんな人だったのかなどを、教えるのもいいですね。
過去の先祖のおかげで、今ここにわたしがいるんだよと、伝えてあげるのもよろしいでしょう。

お墓参りに欠かせない 5つのお供え物をおくりましょう。

お墓参りは、故人の冥福を祈るとともに、日頃の感謝や家族の近況をお伝えするセレモニー、儀式の側面もあります。

仏教では、五供(ごく・ごくう)とよぶ5つのアイテムが供養の基本となります。
五供とは、香・花・灯燭(とうしょく)・浄水・飲食(おんじき)をさします。
お掃除が済んだお墓に五供を供えます。そのお供えにも様々な仕来たりや、地域性などがあります。大切なのは、故人を思う気持ちです。飲食(おんじき)では、故人の好きだった銘柄のお酒や、中には缶コーヒーを愛用されていた故人のために買っていくこともあります。
お供えしたものは、持ち帰っていただくのが供養になるので、小分けされているものなら、一部をあけてお供えしても、残りを墓守の方に持ち帰って食べてもらえます。そうしたものを送るのも、リモートお墓参りの場合はよろしいでしょう。
地域の品お送りすることで、その地域を応援することも出来るし、墓守をして下さっている方にも、良い贈り物となることでしょう。

また、おうちで写真を飾って故人を偲ばれている方も、ぜひお盆の時期には五供をさしあげてお迎えしてください。

お墓詣りには、宗派や地域性の違いなども様々あります。リアルでお墓参りをするなら、お数珠と懐紙・半紙等をもっていくとよろしいですが、リモートお墓参りでも、お数珠はぜひ身近に準備しておきたいですね。
私が子どもの頃は、祖父母や両親に連れられて行くことで自然に身につけてきたお墓参りの習慣ですが、今はお墓が身近になくてそうした家族の歴史を見つめ直す機会も年々減ってきています。
今年は、おうち時間を利用して、親族づきあいと、お子さんへの家族のあり方を伝える機会にしたいですね。

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このマナーについては、#キッズマナーインストラクター養成講座 #ソーシャルマナー

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター・キッズマナーインストラクターの前澤 暢子

講師前澤暢子blog

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