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笹西会長 講座の様子

講師として売れっ子になるために 今すぐ簡単に身につけられる『現場感』について

2020/10/30


みなさん、こんにちは。いつもマナーアップマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
一般社団法人 日本マナーOJTインストラクター協会会長の笹西真理です。
今回はふとしたときに改めて感じた「ながく活躍する講師になる秘訣」をご紹介したいと思います。今、すでに「接遇講師、マナー講師」として活動なさっている方も、これから目指す方にもぜひお読みいただければ嬉しいです。

考えるきっかけは「新店舗オープン」の打ち合わせ

今、コロナウィルス感染症をきっかけに「研修講師」は厳しい局面を迎えています。例えば、オンライン研修に対応できることや、インターネット環境を介した研修に関する情報をやりとりできる能力など、いわゆるITスキルがないと仕事になりません。

集合して行う研修は、昨今の状況から、集まれる人数や、回数そのものが減らさています。集まる研修の代わりに、いつでも、どこからでも何度でも視聴できる動画で研修の内容を学べるようにしてほしいといったニーズも増えました。こうなると講師自身によって『教育動画』の制作を行う必要があります。

教育動画を制作するということは、一方でこれまで実施してきた対面で触れ合える集合研修がなくなるという恐れもあります。
実際に私が経営するトゥルース(教育研修会社)ではコロナ禍以降の半年の間に、およそ半数の研修がオンライン開催にとって代わり、そのうち3割は教育動画の制作に切り替わりました。
研修する田原講師
こうした、インターネット環境の利用、教育動画の制作を求める声は、アフターコロナの時代がやってきたとしても、この風潮は変わらないでしょう。

集合研修は密で、危険だからでしょうか?いいえ、違います。

コロナ禍を経て、研修をお求めのお客様は気づかれました。
「一般的などこにでも当てはまるマナー研修だったら動画で十分だ。リアルの方がもちろんいいけれど費用対効果を考えれば、別にオンラインで研修実施しても変わらないな。なんなら動画作ればずっと使えるな!」
これは実際に営業活動をしていて聞かれる生のお客様の声です。

では、このまま様々なリアルの研修はなくなるのでしょうか?接遇研修は本当に意味がないのでしょうか?私は違うと思います。
こんな時代だからこそ、より顧客に寄り添ったオリジナリティの高い研修へのニーズは高まると確信します。
というのもつい先日、新規に飲食店をオープンなさる打ち合わせに行ってきました。

そこでのリクエストは、料飲サービスに精通した人に来てほしいということで、飲食、特にオペレーション構築に強い私にお声掛け下さったのですが、そこで言われたのは「お辞儀とか丁寧に料理を出すとかよりも、うまく運営できる方法、コツを教えてほしい」ということでした。
しかし、研修会社に問い合わせても笑顔や挨拶、料理の出し方の練習といった提案ばかり。「今、私たちが求めている内容だとは、とても思えなくて困っている」という声でした。

接遇というのは「基礎的な部分(表情や挨拶、商品提供)」だけではない

その時にふと「トゥルースの専属講師だったら何をプログラムとして提案できるのだろう?」そう思いました。どのように人員配置をして、物品はどちらに置いて、キッチンとホールの連携や導線をどう考えるかを伝えられる人はどれくらいいるだろうか?と正直怖くなりました。

実はこれは飲食店の話だけではありません。例えばホテルのフロントであれば、一客何分でチェックインを行うのか。ご案内の手順や他部門スタッフとの連携はどうするのか。例えば高級商材の販売であれば、ニーズヒアリングは何をするのか。お客様にはどのように店舗の中を動いていただくのか。どのタイミングでクロージングして購入いただくのか。結局、現場に即した内容を教えなければ役に立たないのです。
登壇する小原代表
私はよく表情や挨拶、身だしなみといった基礎は「顧客満足」を得られるものではなく、「顧客不満足」にしない最低限だということを講師に言います。もちろんそれらも重要なのですが、笑顔ができれば良い接客接遇なのかというと違います。にもかかわらず世のマナー研修、接遇研修はその部分のみの言及にとどまっているものが多いのが事実です。それはいわゆる「マナー講師」「接遇講師」がなかなか次の一歩を踏み出さないということでもあると思います。

お店のスタッフがお客様に本当の意味で「満足していただける接遇」をしようと思えば、無駄にお待たせすることが無いようにとスムーズなオペレーションを心がけたり、おもてなしの心から湧き出る感じの良い挨拶やしぐさ、態度は当たり前にお客様に接する際に出てきます。
お客様が予想していなかったような+αの提案や心通い合うサービスがあってはじめて、お客様にご満足いただける接遇ができるのです。

単純に表情や挨拶だけを教えられれば、良いスタッフになれる。本当にそうでしょうか?それだけでしょうか?
何度も同じ会社に赴き、継続して指導する。スタッフと経営者と、共に成長していくパートナーとなる接遇講師となるには、現場理解が最も重要です。

変わらないテーマ(例えばここではマナー研修)だけで仕事していくには、タレントマナー講師になるしかないのです。
そして、本当に長くこの仕事を続けたいとお考えなら、そんなタレントマナー講師を目指すよりも、現場感をもった講師になる方が長期的に活躍ができます。

自らのキャリアを生かすか働くか

こんな話をするとすぐに「何かプラスの資格を取ればいいですか?」「どうやって勉強すればいいですか?」と聞かれます。

ぜひお勧めしたいのは、自分のキャリアの棚卸です。
今まであなたは何をして働いてきましたか?
飲食店のホールスタッフ、小売店の店長。コールセンターでテレフォンオペレーター。

すべて講師として役に立ちます。資格を取得することや勉強することはもちろん素晴らしいことです。けれど、それは所詮お客様の立場・目線でしかありません。

講師は教え方(教授法)と基礎スキル(ここでは接遇や作法)をきちんと身に着けられれば、次に必要なのは「経験」です。実際私の運営するトゥルースにお問合せ頂き、講師の派遣を希望される方の多くは、「この職場での職務経験者に来てほしい」と希望なさる会社が非常に多いです。
ホテルだったらホテルに勤めた経験のある方。介護だったら介護職経験のある方。営業だったら営業をしてきた方。それは、現場に即した内容、生きた知識と、講師の経験を通して得られた大切な何かを教えてくれると期待されているからなのです。

「でも、私 ずっと事務仕事をやってきたから講師はできないわ。接遇は教えられない」と思う方、ちょっと待ってください!今から経験値を積み重ねることも可能です。

例えば、アルバイトなどでご自身が活躍したいと思う業界で働いてみるのはどうでしょうか?学びになって、なおかつお金もいただけますよ。

洋品店でアルバイトながら副店長まで務めたことがある。パートとして飲食店で働き、忙しい時間帯のバイト君たちの切り盛りや、お子さま連れのお客様とその後ろに並ぶサラリーマンをどちらも不機嫌にさせずにレジ対応していた。営業マンとして、クライアントも見えてなかった商品の良さを広告に打ち込んで商品を売ってきた。そうした経験はすべて今、講師として役に立っています。

過去の私のように、お客様のイメージを明確に描きもせず、いろいろと手出しをしたことでさえ、今となっては講師としての仕事にとても役立っています。ですから、目的意識を持って働けばあっという間に「現場感」は身につくでしょう。
教える手法や基礎の接遇技術、知識はJAMOIのマナーOJTインストラクター養成講座にてしっかりとお伝えするのでご安心ください(笑)
Yes, we study everyday
自らのキャリアを生かし、受講生の立場で必要な内容を提供できる講師こそが今後も活躍し続ける講師となる秘訣です。自分を信じて、今後も自らを磨いていってください。そして、ぜひ本当に現場で喜ばれ、選ばれ続ける長く活躍できる講師を目指していきましょう。

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このマナーについては、#マナーOJTインストラクター #企業研修講師ストレートコース

日本マナーOJTインストラクター協会
会長 笹西真理

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