Menu ×

Manner Up Magazine > 暮らしのマナー > 育ちの良さを感じさせる!洋食のマナーおさえておきたいポイント
ナプキンもセッティングされたフォーマルなお席の写真

育ちの良さを感じさせる!洋食のマナーおさえておきたいポイント

2021/10/29


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクター・キッズマナーインストラクターの前澤 暢子(マエザワ マサコ)です。

私たちの日常にすっかり根付いた洋食ですが、洋食のマナーと聞くと緊張するという方は少なくないと思います。

高級なレストランでのフルコースをいただくシチュエーション
結婚式に招かれ、きらびやかな空間、いつもと違う正装でよばれるお席でのマナーに自信を持てるかしら…と、なんて思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私の研修でも受講されている方々に「身に付けたいマナーには、どういった物がありますか?」と伺うと「洋食のマナー」と答える方を多く見かけます。

みなさんのご要望に答え、ビジネスで訪れる際や、特別な日をエレガントに彩るために知っておきたい立ち居振る舞いについて、MannerUpMagazineでは、これまでにもお伝えしてきました。

心の距離をグッと縮める会食を開くために!外してはいけない3つのポイント

特別な日を過ごす高級レストランで、エレガントにサービスを受けるための立ち居振る舞いとは?

このコラムでは、洋食をいただく際にぜひおさえておきたいポイントとウィズコロナのこれからこそ意識したいポイントについてお伝えします。
ポイントは、ナプキンやカトラリーの扱いに関するテーブルマナーと食事中の会話です。

礼儀作法(エチケット)として古くから伝わる洋食のマナーに加え、周囲の方に対する思いやりの心をあらわすマナーが備わっていれば、高級なレストランでも緊張しなくて大丈夫ですよ!

MannerUpMagazineを読んで、普段からスマートに振る舞える、心豊かなマナー美人になってください。

身に付けたい「ナプキンの使い方」

ナプキンは、一説によると古代ローマ時代から用いられていたともいうことで、ナプキンにまつわる言いまわしや、礼儀作法などが今でも残っています。

元々は手づかみで食べていた手を拭ったり、大きな装飾が好まれた襟をカバーしたりするためにナプキンは発展してきたといわれます。

そんなナプキンの取り扱い方として、現代でも押さえておきたいポイントは以下の通りです。
・ホスト、ホステスが最初に取り上げるまで、ゲストは待ちます。
・上位の方が同席される際は、上位の方が取り上げるのを待ちましょう。
・結婚式の様に乾杯をするときは、乾杯の後に取り上げます。
・カップルや、友人同士など気安い仲での会食の場合は、飲み物をオーダーしてから取り上げます

お皿の上に綺麗にセッティングされているナプキン
取り上げるタイミング一つとっても参加者の顔ぶれによって違います。
知っておくとワンランク上のマナー美人になれますね。
ナプキンもセッティングされたフォーマルなお席の写真
取り上げたナプキンは膝の上におきます。

置く際のポイントは、二つ折りにし、折り目(輪っかになる部分)はご自身の手前、お腹の方に、端を重ねたほうを膝の上に置きます。

こうしておくとナプキンの内側で、口元を押さえた際、二つ折りにしている為、服を汚す心配がありませんね。

中座する際ナプキンは、椅子の上に置くか、椅子の背にかけます。

食事を楽しんだ後、退出する際は、軽くたたんで、適当にテーブルの上におきます。
たたみ方は綺麗に四隅をしっかり揃えてたたむ必要はありません。
適当なたたみ方で結構です。

料理やサービスに満足しているのに、最後にナプキンを適当に置くのは
「お料理がおいしく、ナプキンを綺麗にする暇がなかった、置き方まで気が回らなかった」というサインになります。

逆にナプキンを綺麗にたたんで置くのは、満足できなかったというメッセージになります。

このようにお店に対する評価をナプキンの置き方一つで表現することができるのです。
こうした、感謝の心をあらわすことに繋がるマナーは、ぜひ知っておきたいですね。

またナプキンなどを落としてしまったときは、拾うのはNGです。
ついつい自分で拾いたくなりますが、お店の方に拾ってもらいましょう。

気づいてもらえないときは、手を肩の高さに上げてお店の方を呼びましょう。

ちなみに食事中は姿勢よく腰かけるのと同時に、手首から上は常にテーブルの上で相手に見えるようにしておきましょう。

これは騎士道から来ているもので、「テーブルの下の見えない所でゴソゴソやってませんよ。あなたを狙う意思はありませんよ」というアピールが、時代が下って習慣化したものですね。
また一説によると「テーブルの下で悪さをしてませんよ」という、アピールから始まったとも言われています。
この場合の“悪さ”は命を狙うなどと違って、どちらかと言うと人目を憚る行為を指すようです。

中世のヨーロッパでは、貴族は結婚後は男女の別なく愛人を設けて堂々と出歩いていたと言います。
同席するもの同士、テーブルの下で怪しいことをしていませんよ!というアピールは、確かに有効だったかもしれませんね。

テーブルの上に手を置いておく際も、脇は心もち閉めておけばエレガントですね。
そして!テーブルに肘をつくなんていうのは、おわかりのように、もちろんNGですね。

スマートな、カトラリーの扱い方

目の前に数種類のカトラリー、ナイフやフォークがあると、ドキドキされる方もいらっしゃると思います。
使う順、使い方さえ分かれば、ドキドキはワクワクに変わりますよ。

カトラリーは外側から内側の順に使います。

ナイフとフォークは左右の手で、持ち替えません。
ですから、左利きの方、手元が不自由な方がいらっしゃる場合はあらかじめ、予約の際などお店の方に伝えておくと、ご準備いただけます。
参加される方への思いやりがあって、ホステスとしてもエレガントですね。

手にもつときは脇をしめ、ナイフとフォークの背に人差し指を添えましょう。

お魚をいただく際用いるフィッシュナイフ、これは小骨を取る際に便利なように、先が尖っていて、ます。
先端が特徴のフィッシュナイフの場合には力を入れなくて良いので、ペンを持つような感じで使います。

食事中、カトラリーを持ったまま他の動作は行いません。
また、カトラリーを人の方に向けるのはNGです。

パンや飲み物を頂く際は、カトラリーは一旦置きましょう。

その際のカトラリーの置き方にはフランス式とイギリス式があります。
どちらも間違いではありませんが、日本ではフランス式が一般的です。
食事中のカトラリーの置き方 フランス式
食事中のカトラリー置き方・フランス式
ナイフとフォームを八の字に、離しておきます。

食事中のカトラリーの置き方 イギリス式
食事中のカトラリー置き方・イギリス式
フォークが下になるように重ねて、八の字に置きます。

お食事終了のサインも写真で確認していきましょう。
お食事終了のサインは、その角度によって違いがあります。
時計の短針と長針の位置で覚えておくとよいでしょう。

ここではフランス式の写真を基本として見てみましょう。

日本スタイルでは、カトラリーを4時25分の位置に置きます。
食事修了後のカトラリー置き方・日本スタイル

フランス式のお食事終了のサインは、カトラリーを3時15分の位置に置きます。
イギリス式は、6時30分の位置に。

どのスタイルを選んでも間違いではありませんが、一点気を付けたいのは、ナイフの刃を自分の方に向けるよう置くことです。

刃物は危険なものです。
テーブルでのこと、無意識とは言え、ご一緒する方に刃物向けるなんてことはしたくないものですね。

こうしたテーブルマナーは、意味やその歴史、成り立ちが分かれば簡単なものばかりです。

もしできてない方がいらっしゃってもその場で指摘するのはマナー違反ですね。

もしあなたが知っていることを教えて差し上げたいと思うなら、また別の機会に話題の一つとしてお伝えするのが、思いやりの心がこもった行動として素晴らしいマナーですね。
その際も、
「歴史や理由があるから、今もこうするのがテーブルマナーなんですって。調べて知ってなるほどと思ったから、誰かに教えたくって」と、さりげない話題の一つとしてお伝えするのが良いですね。

お食事中では  会話もごちそうです。コロナ禍を経た楽しみ方のポイント

withコロナの今、ようやっと外食できる時期を迎えましたね。
友人・親族との集まりを控える期間、長かったですね。

とはいえ、まだまだ手放しで、元の生活に戻れるわけではありません。

ここでは、感染対策を考えながらニューノーマルとも言われる「新しい価値観・生活様式」を意識したお食事での会話について再度確認しましょう。

久しぶりの再会、気合を入れていつもよりワンランク上のお店で過ごす時間は楽しく、ついつい声も大きくなりがちです。ぜひ意識したいものです。

農林水産省、厚生労働省、消費者庁が推薦している外食の際の「新しい生活様式」の実践例があります。

そこでは、『(前略)感染予防に加え、他の方に感染させない気づかいが必要です。一人一人のご協力で、お店を応援しましょう。』と書かれているほか、詳しい推奨行動が上げられています。
(「新しい生活様式」の実践例を踏まえた新しい日常に向けて消費者に知っておいていただきたい事項(1)|消費者庁)
目を通しておくことよろしいでしょう。

ところで皆さんは、木戸に立てかけし衣食住(キドニタテカケシ衣食住)という言葉はご存知でしょうか。

会話で距離を縮めるのに役立つ話題として言われているものの頭文字を集めたものです。
 季節
 道楽、趣味
 ニュース
 旅、旅行
 天気
 家族、家族の話題
 健康
 仕事
 衣料、ファッション
 食事や好みの料理
 すまいや家具の好み
営業トークや初対面の相手など、距離を近くするために活用できる言われています。
どなたでも関心を持ちやすく、共感されやすく話が広がりやすいものです。

反対にタブーなのが正宗の皿(正宗野皿)です。
これは、政治・宗教・野球・サラリー(収入)のことですね。
こうした話題は、親しき中でも注意が必要ですね。
カトラリーアップ写真
コロナ禍を経て変わったこともあれば、太古の昔から連綿と受け継がれてきたテーブルマナーもあります。

テーブルマナーには、みなさん高い意識をお持ちです。

「食事の際の姿勢がよく、カトラリーの使い方が美しかったから惹かれた」なんてことは往々にしてあります。私と主人がそうです。

これらのテーブルマナーのポイントをおさえるだけで、育ちの良さが見えますよ。

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表すためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。

このマナーについては、#マナーOJTインストラクター #ソーシャルマナー

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクターの前澤 暢子

講師前澤暢子blog

あなたにおすすめの記事