Menu ×

Manner Up Magazine > インストラクションマナー > スマホにまつわる家族間のジェネレーションギャップを埋めたい方必見 『マナー』の上手な伝え方
シニア世代にスマホの扱いを教える家族のイメージ写真

スマホにまつわる家族間のジェネレーションギャップを埋めたい方必見 『マナー』の上手な伝え方

2022/03/25


みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの安徳 美妙です。

マナーアップマガジンをお読みのみなさんは、PCやスマホなどのデジタルツールに“明るい”ですか?

子どももいて、マナー講師としても活動している私ですが、私自身はデジタルツールについて得意でも苦手でもなく、「中間くらいかな…。」と自分では思っています。
年齢的にも、生まれたときから既に身近にデジタルツールのある世代と、デジタル化の波にがんばってついてきた世代のちょうど中間に位置します。

そんなある意味で中庸なつもりの私ですが、親の世代、子の世代間のデジタルツールをめぐる『残念な摩擦』は、思いやりの心を行動であらわすマナーで乗り越えられると感じています。

このコラムでは、デジタルリテラシーというほど業務的、専門的知識が必要ではないにしても、日々の暮らしで世代間ギャップのある方たちが気持ちよく過ごせるようになるために、デジタルツールの扱いについて伝える際のポイントをお伝えします。

日々の暮らしを気持ちよく過ごすためのポイントは、やはり思いやりの心を行動であらわすマナーです。

4月から新社会人として家を出る我が子に。
若い世代の後輩を迎える際に『今どきの若いもんは!!!』と言いがちなご両親に。
周囲の方の要らぬ反感を買わない、デジタルツールの使い方を伝える際にご活用ください。

予告でトラブル未然防止 思いやりとは相手の立場になって見ることから

先日、20代の知り合いから
「職場で上司の説明を聞くときに、スマホにメモをしていたら注意を受けた」という話を聞きました。
まさにデジタル世代間ギャップあるあるエピソードですね。

想像するに、その上司の方は『書くことで覚える!』と教育された世代でしょうか。
加えて、「仕事中にスマホなんてもっての外!けしからん!!!」というお考えの方かと推察されます。

それに対して20代の知り合いは、大学の講義の板書もスマホで撮影することに慣れ、かつペーパーレスを推奨されてきた…そんな時代に育ったであろうことが容易に想像できます。

中間世代の私からすれば、どちらの気持ちも理解できます故に、なかなか難しい問題だとも感じていました。
上司とスマホをのぞき込む新社会人のイメージ写真
ところが、先日こんなことがありました。

ある学生の方と1対1で話をする機会があったのですが、その際相手から
「大事な用件で電話がかかってくるかもしれません。そのときは席を外してもいいですか」と申し出がありました。

聞くところによると、その学生は就職活動中で、先日受けた企業からの連絡がいつ入ってもおかしくないという時期でした。
もちろん私は快諾しました。

実際、その時には電話はかかってこなかったのですが、その学生がそうした申し出をしてくれなかったらどうなっていたかを想像しました。

私との会話中も終始テーブルの上のスマホを気にかける学生…。
電話が鳴ると、私に説明する間もなくあわててスマホを手に離席する学生…。

そんな態度をとる相手に対し、私は寛容な気持ちでいられただろうか。
正直、そんな自信はありません。

ですが、そのときは最初のひと言があったおかげで、相手のスマホを気にするようなちょっとした仕草や、常に見える位置にスマホを置いて確認している態度を見ても特に悪い感情はめばえず、お互い心地良い時間を過ごすことができました。

スマホメモの場合でも、事前にひと言があればお互い理解し合えたかもしれませんね。

要は『相手をおもいやる心』をもつこと。
そうして、その心があるならばしっかり行動に移すことです。

「大変申し訳なく思いますが、あなたとお話し中に電話に出させていただきます。とても大切な連絡が来るかもしれないので、出ないわけにはいきません。」

そうした事実を共有できていれば、相手も相応の理解を示してくれるでしょう。
理解を示してもらうためにはまず、あなたからの働きかけが大事ですよと、これから社会に出るお子さんには伝えましょう。

大学の友人やバイト仲間など同じ世代の人と過ごすことが多かった学生時代から、この春、新社会人として世に出る方たちは、これまで以上に幅広い世代の人たちと働くことになります。

ギャップにとまどうこともあるかもしれません。

このような、ちょっとしたひと言や事前のお伺いでコミュニケーションが円滑になることは、あなたがそこで暮らしやすくなるための知恵とも言えます。

ぜひこの春社会に出るお子さんにはそのように伝えてあげください。

SNSは目的別で使い分けよう 見る人の気持ち見られた後の未来を思いやる想像力でトラブル未然防止

職場以上に世代間の隔たりを感じるのに、職場と同等、いえ、それ以上に気を使うのは家族間かもしれません。

デジタルどっぷりの子ども世代と、仕事ではデジタル中心の親世代、デジタルと言われると身構えてしまう人も多いシニア世代と、幅広い世代が一堂に会します。

一堂に会すると言っても、今はデジタル空間で会することが多いのではないでしょうか。

例えば、連絡手段ひとつにとっても電話で一対一、手紙やFaxを一人ひとりにお送りする時代は遠くなりましたね。

「連絡がLINEばかりでそっけない」と思う世代がいる一方で、「LINEで済む用件をどうして電話をしてくるんだろう」と思う世代。
互いの言い分に耳を傾けると、「LINEの方が一度に 情報共有できるし、相手の時間を奪わないし、効率がいい!」という意見と、「電話の方が早いし、正確にコミュニケーションが取れる!」という意見。
どちらにも一理あると思います。(私はデジタルで一斉共有の便利さにやや賛同していますが)

仕事ではなく家庭であれば、効率化を考えるよりもシニア世代の気持ちに寄り添うのがお互いにとっては快適に過ごせるように感じます。

また、デジタルリテラシーにも差がある世代間では最低限のルールは線引きしておくことも、ストレス回避のポイントです。
特にSNSの扱いについては家族間でもトラブルにつながるリスクもあります。

例えばSNSのフォロー。
日常の暮らしをSNSに投稿するという方もいらっしゃいます。

どこで何を食べた、夕飯は何を作った。
何時頃まで起きているのか、休日がいつなのか…などなど。
個人の日記に書いている感覚で何もかも上げてしまうと私生活が丸わかりになってしまうこともあります。

そうした情報を基に、思いがけない悪意の訪問者を招いてしまうこともあり得ます。
『私のうちの中のプライベートな空間』を『そこに住んでいない家族がネット空間にあげる』ということは、どうでしょうか。
単純に「恥ずかしい、止めて」で済まず、「高価そうなものがぞんざいに置いてあるし、外壁の色が珍しいし、近所なので場所はすぐ分かった。見に行ったらついつい中も見たくなった」なんて訪問者が来るかもしれません。

孫の写真をSNSにアップ、家の所在地が特定できる内容の投稿…、こうしたことはSNSが不特定多数の人の目に届くということに感覚的に慣れていない世代では当然起こり得ることです。
トラブルになる前に、「家族みんなを思いやってSNSは使いましょうね」と説明し、場合によってはルールを共有しておくことも大切ですね。

現代の生活に欠かせないデジタルツールだからこそ、職場でも、家庭でも世代間のストレスを回避するための心構え、行動を意識すれば快適に過ごせますね。
スマホを扱うシニア世代のイメージ写真
私自身も、自分の世代の常識をスタンダートと思い込んでいたことに気づき、反省することもあります。

お互いの世代に想像力を働かせて尊重し合う気持ちも忘れずにいたいですね。

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表すためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。

#マナーOJTインストラクター養成講座 #ソーシャルマナー講座

日本マナーOJTインストラクター協会
マナーOJTインストラクター 安徳 美妙

講師 安徳 blog

あなたにおすすめの記事