ビジネスコミュニケーションに必須の傾聴力 「3つのきく」の使い方
2018/09/25
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJT インストラクターの廣瀬恭子です。
講師として登壇するようになって、初めて知ったことがあります。それは、「傾聴力」の大切さです。講師になる前は、「登壇することのみが講師である」と思っていました。けれども、講師の仕事は、研修先のニーズにあった研修を実施すること。「求めていた内容とはまったく違う」となると、とり返しのつかないことになってしまいます。
これは、どんな仕事、役職であっても、共通することです。お客様はもちろんのこと、仕事で関わる方の要望がわかっていなければ、満足いただける価値を提供することはできませんよね。
「傾聴」という言葉の意味は、耳を傾けて、熱心に聞くこと。カウンセリングのスキルの一つとして知られていますが、経済産業省が提言する「社会人基礎力」に「傾聴力」が含まれているように、職場での円滑なコミュニケーションにも必要なスキルとして認識されるようになりました。
ここでは「きく」という言葉に使われる3つの漢字、「聞く」「訊く」「聴く」の意味にそって、ビジネスの打ち合わせのときに必要な「傾聴力」の3つのポイントをお伝えします。
相手の話の何を「聞く」のでしょう?
打ち合わせの際にまず必要なのが「聞く」スキルです。「聞く」は英語では「hear」にあたります。漢字の成り立ちからいうと、「門」の外で、自分に必要なことを「耳」をすまして聞くイメージです。
初めての打ち合わせでは、相手の企業について「理念・歴史・経営者の思い」などを事前に調べておきますが、担当の方がリサーチしきれなかったことを話されるかもしれません。まずは相手について、耳をすまして聞きましょう。
私が研修の打ち合わせに伺うときは、受講される方の背景を担当者から聞くようにしています。そして登壇する時は、その企業の一員となったつもりでいます。「聞いて」「知る」ことで、より受講者と近くなることができるように思います。
ためらうことなく「訊き」ましょう!
打合せ中にふつふつとわき上がる疑問、その業界ならではの用語など、知らないことが話題に出ることもあります。帰ってから調べられる情報ならそれでも良いですが、そうでないものは、ためらうことなくその場で訊きましょう。
「訊く」とは英語でいうと「ask」にあたります。訊くことで、相手の求めている内容が明確になってきます。相手をよく知るために「訊く」ことを行いましょう。
しっかりと「聴く」ことで信頼関係を作りましょう!
最後の「聴く」は、英語でいうと「listen」にあたります。漢字の成り立ちからいうと「耳」「目」「心」で聴くイメージです。独りよがりな聞き方ではなく、相手に寄り添いながら、一緒に問題解決に努める姿勢で聴き、信頼関係を築きましょう。
私は、企業に研修の打ち合わせに行くと、必ず感動します。なぜなら、研修担当の方の、会社や受講される方への熱い想いが伝わってくるからです。「このようなことを学んでほしい」「このことを知ることで、業務がはかどるようにしたい」という気持ちを感じとり、共感することで、「このようなプログラムはいかがでしょうか?」と提案することもできます。
「傾聴」の言葉に含まれるのは、「聴く」。耳だけでなく、目と心からも感じとる聴き方を心がけましょう。
打ち合わせは、時には1時間以上にわたることもしばしば。
貴重な時間をいただいているのですから、ご紹介した「3つのきく」をしっかりと意識して、実のある時間とすることもマナーですね。
次回は、「質問力」についてお伝えします。
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