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管理職になって半年 慣れてきた頃だからこそ気を付けたい部下に伝わる伝えるコツ

2022/10/21


みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの島田美稲子です。

10月も半ばを過ぎ、秋も深まってきましたね。
金木犀の香りが漂い、ふと立ち止まりあたりを見回してしまう。
何気ない街歩き中にそんな経験をなさっている方も多いと思います。

4月に年度をスタートしたも会社なら、ちょうど折り返し地点を過ぎたところでしょう。
この春初めて管理職になったという方なら、半年が過ぎ、新しい部署や職務への不安も払拭されていることと思います。

職場の様子や同僚たちにも慣れ、あなた自身の業務も難なくこなせるようになった!とはいえ、慣れてきたから大丈夫と、余裕に浸るのではなく。

半年経って、周囲がより見えるようになった今だから!
新任管理職半年目のあなたに贈る、気を付けてもらいたいこと、意識したい『コツ』を、管理職経験もあるマナー講師がお伝えします。

慣れてきたから大丈夫!?余裕が引き起こすミスとトラブル

新しい部署に異動してきた当初は、緊張していたことと思います。

そこで使用される用語や顧客の名前、取引先の名称等、聴き慣れないものが多くて、何度確認したり、丁寧にメモをとったりと、ミスをしないように気を付けていたことと思います。

職場の雰囲気や業務に慣れると、心に余裕がうまれます。
最初の頃は緊張のため『きつい表情』で仕事をしていたあなたも、今では笑顔で仕事している時間も増えたのではないでしょうか。

でも、ちょっと待って!その余裕、油断につながっていませんか?

慣れてくると、同じ作業の繰り返しで処理できる定型業務はついつい確認がおざなりになります。

以前私は、建設資材を取り扱う商社で仕事をしていました。
そこは、現場に必要な資材を手配し、工事現場に搬入する段取りをつける役割を担っていました。

必要な資材を、必要な数量納期通りに現場に収めることが大切なのですが、私が忘れがちになっていたのが、その資材を運搬、搬入する車両の手配です。

現場では工事が進むことでダムやトンネル、道路などが出来上がります。
建築物ができあがると資材搬入のために使用する道路が変わることがあります。

業務についたばかりの頃、そのことがわかっていなかった私は、工事現場や、取引先の担当者に「いつもどおりでお願いします」と言ったことで、手配の仕事が終わったつもりでいました。

しかし。
資材搬入の当日、それまで使っていた資材の搬入用の道路が使えなくなっていて、『いつも通りの車両』では、その新しい搬入路が通れず予定通りの時間に搬入できなくなっていました。
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資材を搬入していた車両の運転手さんから「新しい搬入路通れませんが…」と、連絡をもらいはじめてミスに気づいた私は、すぐに関係部署に確認を進めなんとか資材を現場に搬入してもらいました。

現場に資材は届けられたものの、私のミスにより納入時間が予定よりも遅れ、関係者に迷惑をかけてしまったことで、私はしばらく落ち込みました。

この件があってから私は、『いつも通り』は封印し、発注を受けた際には『工事のフェーズを思い浮かべる』『受注した依頼内容について復唱する』などして、思い込みで聞いてないことまで創造で埋め合わせることが無いように、決めつけていないか確認するようにしました。

定型の作業でしたら、確認作業に抜け漏れがないように、確認事項を洗い出したメモ用紙をパソコンや電話などのそばに置いておくのも有効ですね。
今なら、スマホのToDoリストなどを活用すると便利でしょう。

ミスは起こるもの!!再発防止もあわせて定型にしておくと便利

ミスにひとりで対処するのは、業務に長けている人でもなかなか大変です。
新人の場合なら尚更、どこの誰とどのように連携すればいいのか、代替案があるのか等も咄嗟に思い浮かばず、最悪の場合は思考停止してフリーズなんてこともあるでしょう。

あなたの部下がミスを起こしたとき、ひとりで抱え込んで事態を悪化させないように、予めミスが発生した際の対応は、定型のワークフローを作って普段から共有しておくとよいでしょう。
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ワークフローは箇条書きで、横書きなら下へ、下へと読み進めていくイメージで作るとよいでしょう。

例えば、あなたの職場でミスが発生した場合、まず誰に知らせるべきか、その際対応策があれば一緒に伝えるなどを書いておくとよいですね。

例えば、
○○の件で、△△なミスが発生した場合
1、○●部長(電話番号)に連絡、相談する
2、作業部署●〇の責任者●●さん(電話番号)に、1の内容を伝える
3、上記で収束できない場合は…

上記のように、明確にワークフローを作って予め普段から共有しておけば、ミスが発生して頭が真っ白になっている部下も「そうだ!とりあえずミス発生時のワークフローをみよう!」となり、ミスが重大な問題に発展する前に防げる可能性も高まります。

ミス発生時に冷静に動き、関係者間で情報を共有し、善後策を少しでも早く実施することが重要です。

ミスが起きてしまったことは仕方がないことです。
でも、そのミスをただの結果で終わらせず、次回への学びにつなげることも大切です。

ミスが起こりやすい状況と、その予防策をメンバー間で共有し未然防止につとめましょう。
その際も、ミスした部下が居たたまれない思いをしないように思いやりの工夫も大切ですね。

声のかけ方、コミュニケーションの取り方で、普段から情報共有しやすい環境構築!

あなたはミスをしたときに、すぐに上司や同僚と情報共有をすることができますか?
これは、普段から職場で話しやすい雰囲気が作れているかが大きく影響します。

「私の職場は大丈夫!いつもコミュニケーションをしっかりとっているから」とお思いなら、安心ですね。
それでは次に、もう一段階踏み込んで『あなたの言いたいことはきちんと相手に伝わっていますか?』ということを確認しましょう。

伝えたから大丈夫…。
いつもより丁寧に言ったから、きっと伝わったはず…。

あなた一人で伝えた、伝わっていると思い込むのは大変危険です。
『伝わった』という状況になるには、伝えるあなたの伝達力と同時に、伝えた相手のキャッチ力、理解力にも意識を向けるひつようがあります。

人は五感によって、周囲の状況やそこで起きていることを認識しますが、その認識の仕方には3種類あると言われています。
相手が、その3種類のうちのどのタイプかを知り、そのタイプにあった伝え方ができれば、あなたの指導力も格段に上がることと思います。

その3種類とは次の3つです。
1)視覚(Visual)を優先的に使うタイプ
2)聴覚(Auditory)を優先的に使うタイプ
3)身体感覚(Kinesthetic)を優先的に使うタイプ(触覚、味覚、嗅覚などはこれ)

これらの働きはこの三つの感覚の頭文字をとって、VAKと名付けられています。(NLP VAKタイプ分けテスト|日本NLP協会&全米NLP協会公認スクール NLP-JAPAN ラーニング・センター)
ひとりひとり、その人によって使う時の優先順位が違う。
その違いをどのように知ることができるのか。
参考までにタイプの見分け方を紹介します。

「きんもくせい」という言葉を聴いたとき、皆さんは何を思い浮かべますか?
金木犀の香りを思い浮かべる人もいれば、あの花の色や形が浮かんでくる人もいらっしゃるかと思います。

では、「あめ」と聴くと何を思い浮かべますか?
この言葉を聴いて時に、あなたが思い浮かべるのは、雨の音?
雨だれ?雨が降っている風景でしょうか。

「きんもくせい」と聴いたときに香りを思い浮かべる人は身体感覚を優先に使うタイプです。
「あめ」と聴いて雨音を想いうかべる人は聴覚を優先に使うタイプです。
花の様子や雨の雫のような映像が最初に浮かんでくる人は視覚優先のタイプです。

視覚を優先的に使う人は、「見える」「見通しがいい」「明るい・暗い」「はっきりしている」など視覚に関係している表現を使う傾向がみられます。
このタイプの人は頭の中にあるイメージを表現しようとボディランゲージを使うことも多いようです。

それに対して、聴覚が先に働く人は「聞こえる」「考える」「思う」「リズムがいい」とか「耳障りがいい」などのように、聴覚に関係する表現を多く使います。
話をしているときに聴覚情報を感じ取ろうと目を左右に動かす動きがみられることがあります。

体の感覚が優位に働く人は、「感じる」「触れる」「重い感じ」「おいしい話だ」など、味覚や嗅覚を含む身体の感覚に関係する表現を使うことが多いそうです。

この感覚が先に働く人もボディランゲージを使って、自分の感じていることを表現しようとする傾向があります。

それぞれのタイプの傾向を知り、相手の様子をよく見ると「あ、この人はこのタイプだな」とわかってきます。

それぞれの方の感受性の高いチャンネルに訴える伝え方をこころがければ、伝わりがより良くなりますよね。

また、ご自身のタイプも把握しておくとよいでしょう。
自分のことを知ると、自分にふさわしいコミュニケーションの取り方が分かります。
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今の部署に来て半年。
人間関係や担当業務に慣れてきた今こそ、改めて周囲や、部下のことを見つめてみませんか?

ご自身が若手だった頃を振り返り
その頃、どんな情報が欲しかったかを思い出し
相手に合った伝え方で接する

半年経って、落ち着いて周囲を見渡せるからこそ、次の一手が見えてくるのではないでしょうか。

新たな発見は、あなたとあなたの部署をより良い未来につなげるヒントになります。
今よりももっと頼れる女性リーダーとして。いきいきと仕事に取り組まれることと思います。
新任管理職さんがんばって!

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