外国人のお客様には、まず●●。言葉を使わなくてもできるコミュニケーション術
2018/02/23
マナーOJTインストラクターの廣瀬恭子です。
平昌オリンピック冬季大会も終わりに近づき、いよいよ2020年、東京オリンピックが目前となりました。そのような中、「海外のお客様をお迎えするにあたり、どのように接すれば良いのか?」という講座を担当することも増えています。受講される方の中には「語学ができないから」とコミュニケーションをとることを諦めている方も多いようです。
本日は、私の体験から、語学に自信がなくてもできる外国人の方とのコミュニケーション術を
お伝えします。
緊張すると英語が出てこない!! 代わりに用意したものは?
私の学生時代の体験談です。
明日から憧れのロンドン。ビッグベンに、ロンドン橋。「アフタヌーンティーを楽しもう!」と初めての海外旅行に胸を膨らませていたとき、ただ一つ、心配なことがありました。
それは、語学。
学校の勉強に加え、英会話スクールへも通っていましたが、いざ話すとなると、言葉が出てこない……。外国人を前にすると緊張してしまうのです。
そこで、「言葉でなくてもコミュニケーションが取れる方法がないか」と考えました。出た答えは、「折り紙」です。「出会った方、お世話になった方に、挨拶の代わりに目の前で鶴を折って、プレゼントしよう!」、そう思ったのです。
教会で親切にしてくださった神父様、列車内で出会った素敵なご婦人、ホテルのお掃除を担当してくださった方……、旅先では皆様に感謝の気持ちを込めて、目の前で鶴を折り、笑顔で〝Thank you″と言ってお渡ししました。すると、驚いた様子で「Wonderful(素晴らしい)!Thank you(ありがとう)!」と喜んでくださり、たいへん良い思い出となりました。
それ以来、「語学はできるに越したことはないけれども、できなくても十分にコミュニケーションを取ることができる!」と確信しました。
外国語ができなくても、できること。例えば、「ありがとうございます」「こんにちは」と言って、「お辞儀」をするのはいかがでしょう。
日本の「お辞儀」の習慣は、海外でも高い評価を得ています。
外国人観光客が求めているのは、語学力ではなく「笑顔」
あらためて考えてみると、私たち日本人が海外へ旅行する際に、流ちょうな日本語でおもてなしを受けることを期待しているでしょうか? そんなことはないですよね。学生時代の私は、英語圏へ出かける以上、「美しい英語」「生きた英語」を耳にすることを楽しみにしていました。
美しいお庭を拝見していると、「Hi!」と笑顔で声をかけてくださったマダム。何を食べようかと迷っていると、「こちらはどう?」とジェスチャーで示してくださった店員さん。思い出に残っている人たちは、言葉でおもてなしをしてくれたわけではありません。
私が嬉しく思ったのは、笑顔で目を見て、コミュニケーションをとってくださったこと。
そう、鍵は、「笑顔」なのです。
外国人のお客様を目の前にすると、つい、緊張してしまい、堅い表情で目をそらしてしまう。それでは、「歓迎されていない」という印象になってしまいます。
表情でおもてなし、意識してみてください。
外国人観光客の方へ「できること」から始めましょう!
もしも、外国人のお客様がいらしたら、まずは「笑顔」で、日本語で良いので「こんにちは」と「目を見て」挨拶をしましょう。その後は、身振り手振りで会話すれば良いのです。
大切なのは、無視をしないということです。
相手に伝わる言葉でおもてなしをしたいと思う気持ちも大切ですが、おもてなしはまず心で
行うもの。笑顔で、目を見て挨拶するだけでも十分に伝わります。
便利な「翻訳機能が備わったアプリ」や「指さしツール」をダウンロードして使用するのも1つの方法です。
実際に、「接客時に、ジェスチャーや翻訳アプリでやりとりをしたことで、より密なコミュニケーションが取れ、お客様も笑顔になり、私自身も楽しくなりました」という声をいただきます。
「苦手だ」と逃げてしまっては、せっかく日本を訪れてくださった外国人観光客の方を悲しませることになりかねません。少しの勇気を出して、行動してみませんか?
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。
マナーOJTインストラクター廣瀬恭子
「医療接遇・ビジネスマナー・和の暮らしマナー講座いたします」