顧客満足度をランクアップする接客マナー、3つのポイント
2018/06/15
みなさん、こんにちは。
日本マナーOJTインストラクター協会会長の笹西真理です。
今日は価値を高め、顧客満足度をランクアップする接客時の「見る・話す・聞く」についてお伝えします。
「サービス(接客)」と「ホスピタリティ(おもてなし)」の違いはなんでしょうか?
簡単に言うと「サービス」とはお客様が目的達成するために必要な最低限の作業を指します。
たとえば飲食店で言うと「水を出す→注文を伺う→商品を提供する→金銭授受を行う」。一連の流れはいずれも、欠けたり、タイミングを逸すると、お客様の不満につながります。
一方で、「ホスピタリティ」は目的達成する作業にプラスする人の気遣いをベースとした一言や行動です。
具体的に言えば、注文を伺う際に一言添える、金銭授受時に丁寧にお見送りを行う、など。
お客様の状況に合わせて行うため、「サービス」は画一的ですが、「ホスピタリティ」はそうではありません。
お客様の状況をよく見て、知る努力を
では、どうすればお客様の状況を伺うことができるでしょうか?
まず、最も重要なのは、お客様の状況を「よく見る」ことです。
楽しそうにワイワイ話をなさっているご家族であれば、「一言の声がけ」は喜ばれることでしょう。一方で、二人の世界を楽しんでいるカップルには余計なお世話になるかもしれません。
お客様が何のために、今この時間を過ごされているか。まずは見て知る努力をすることが必要です。
ほんの一言、相手の立場に立って話しかける
次にタイミングを見計らって話しかけてみましょう。
接遇マナー講師をしていると、この提案に「私が話しかけられたくないので嫌です」と言われることがあります。あなたはいかがでしょうか?
もちろん放っておいて欲しい方や、タイミングはありますね。けれど、目の前のお客様がそうであるかは声をかけてみないとわかりません。
私はよく「自己判断せずに聞いてみてはいかがでしょうか?」と伝えます。
話しかけるタイミングは「見たあと」なのですから、ここでの勝手な判断は禁物です。
同じお客様でも話しかけられたくない時があれば、話しかけてほしい時もあるものです。実際に企業の実施する「サービス満足度調査」では、声をかけられなかったことを「熱意を感じられなかった」「放っとかれた」とするコメントが多いのです。
ここでのポイントは声がけを「短く」「疑問形」にすることです。
「宜しければ○○をお持ちしましょうか?」「○○のお味はいかがですか?」といった具合です。そして、お客様の返答や様子によって、その後の対応を変化させればいいのですね。
お客様のお話をよく聴く
最後に、「質問に対する答え」を返して下さるお客様の言葉に、耳を傾けることです。決して一方的に自分や商品、お店の話をしないことです。
どんな人にも「自分のことをわかってほしい、認めてほしい」という承認欲求があります。
流ちょうな話も分かりやすい説明も「相手のニーズ」に沿っていなければ何の意味もありません。
お客様の言葉に耳を傾け、笑顔で聞くことで「相互コミュニケーション」が図られます。お客様は自分のことを理解してもらえたからこそ、こちらのことも理解しようとしてくださいます。
「サービス」は「ロボットやIT」が取って代わるといわれるようになりました。
確かに画一的、一方的な「サービス」はそうかもしれません。では、「ホスピタリティ」はどうでしょうか。
お客様を見る、話す、聴くといったコミュニケーションは、人間同士だからこそ成り立ちます。接遇の価値を高めるのは「ヒト」。共に価値を向上させていきましょう。
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。
このマナーについては、#ソーシャルマナー #マナーOJTインストラクター
日本マナーOJTインストラクター協会
一般社団法人日本マナーOJTインストラクター協会 会長 笹西真理
会長笹西blog