言葉もあたたかく伝えよう。温泉でのマナーを子どもに伝えるときのポイントは?
2018/07/20
みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクター赤名麻由子です。
広いお風呂に、たっぷりのお湯。誰でもリラックスし、笑顔になれる温泉。
温泉が大好きだという方は多いですよね。もちろん、私も大好きです。
子どもだって、家のお風呂とは違う大きなお風呂に入るのは、ワクワクするものです。
みんなが大好きな温泉だからこそ、マナーを守って楽しみたいもの。
今日は、子どもと温泉を利用する際のマナーの伝え方とポイントについてお伝えします。
「ダメ」と禁止するのではなく、プラスの言葉で伝える
温泉は、家族だけで利用するお風呂とは違い、大勢の方が入浴する場所。だからこそ、お互いに気持ちよく利用するためのマナーを、大人は経験や知識として身に着けています。
子どもにとっても、温泉に行ったときが温泉のマナーを学ぶチャンス。とはいえ、回数を多く利用できるならいいのですが、なかなかそうもいかないですよね。
1回で全部伝えようとするあまり、つい「~しちゃダメだよ」「~しない!」という言い方になっていませんか?
「お風呂では走っちゃダメ」「大声を出しちゃダメ」「お湯に飛び込んじゃダメ」「潜ったらダメ」「髪は結ばなきゃダメ」など……。
もちろんすべてしてはいけないことです。
けれども、子どもからすると「温泉はダメばかりのところ」になってしまい、楽しむ気持ちよりも、親に怒られないよう、緊張する場になってしまいます。
「お風呂ではゆっくり歩こうね」「静かにお話しようね」「ゆっくり足から入って肩までつかろう」「髪を結んでお湯に入らないようにしようね」
「お風呂ではこうするんだよ」「こうするとみんなが気持ちよく使えるんだよ」と、できるだけプラスの言葉で伝えてあげましょう。
マナーを教えるときは、行動の理由も伝えて
わが家も先日、家族で温泉へ行きました。さっそく子どもを連れて大浴場へ。
かけ湯をして体や髪を洗って、いざ入浴……と思ったときに、子ども用のタオルを忘れていることに気づき、もう一度脱衣所へ戻る場面がありました。
入り口で体を拭いていると、子どもが「脱衣かごはすぐそこなのに、どうして拭くの?」と聞いてきたので、「体にお湯がついたまま歩いたら、床が濡れて、みんなが滑って転んだりするかもしれないでしょう? だからちゃんと拭いてから上がるのよ」と言いました。
タオルを取って浴室に戻り、かけ湯をしていると、「なんでさっき体洗ったのに、またお湯かけるの?」と言いました。
「〇〇ちゃん(子ども)は、ママが体を洗ったことが分かっているけど、周りの人はどうかしら? ちゃんと体の埃を落として綺麗にしてからお風呂に入りますよ、ということが、お湯をかければ皆さんに伝わるでしょう? それにいきなりお湯に入ったらママの体がビックリしちゃうから、お湯に慣らしてあげてるのよ」と伝えました。
子どもは大人が思いつかないようなこと、大人が当たり前だと思っていることに、「なぜ?」「どうして?」と思うものです。
聞かれたら答えるのはもちろんですが、最初のうちは、「行動一つ一つにどういう意味があるのか」「それをすると他の人はどんな気持ちになるのか」を併せて伝えてあげると、子どもの理解度はぐっと増しますし、納得して行動に移すことができるようになります。
気持ちと情景を言葉で伝え、表現を豊かに
子どもと温泉を楽しむときには、ぜひ気持ちや情景を言葉にして伝えてあげてください。
子どもにとっては、「今感じている気持ちを言葉にするとこういう言葉を使うんだ」「広い、熱いとはこういうことなんだ」という学びにもなります。
「広いお風呂でワクワクするね」「温かいお湯に浸かるとほっとするね、体がポカポカ温まるね」「外のお風呂って、お顔は冷たいけど体は温かくて不思議だね」などです。
子どもが感じ取っているだろうことも、言葉にして伝えることで、表現力と語彙が豊かになっていきます。さらに、「マナーを守ってお風呂に入ることは、こんなに楽しいことなんだ」と心から思えるようになるでしょう。
お風呂から上がり、家族で合流したら、ぜひ一緒に入っていなかったパパやママに感想を伝える時間を設けてあげてください。自分の感情を言葉にする練習にもなります。
さらに、お風呂から出て時間が経たないうちに、温泉でのマナーを「お風呂では大きな声でお話してもいい、〇か×か?」などのクイズ形式にして確認すると、マナーを楽しく学んでくれますよ。
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このマナーについては、#キッズマナーインストラクター養成講座
日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子
講師赤名 blog