子どもの運動会、親もスポーツマンシップにのっとった応援マナーを
2018/09/18
みなさま、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの赤名 麻由子です。
5月や6月に運動会を行うところも多くなったようですが、9月や10月はやはり運動会が多く開催される時期です。就園、就学して初めての運動会に参加するという皆様も多くいらっしゃるでしょう。
子どもたちは、先生方から〝スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と戦う″という指導を受け、運動会に参加します。応援する親も子どもたちに恥じないような、スポーツマンシップにのっとった応援をしなければいけませんね。ではスポーツマンシップにのっとった応援とはどういうものでしょうか?
一般社団法人日本スポーツマンシップ協会では、【スポーツマンシップという心構えの中核は、尊重、勇気、覚悟です】としています。この3つを運動会の応援に当てはめて考えてみましょう。
ルールは必ず尊重する
“提示されたルールを守る”ことは当たり前だと思われますよね。ですが、その当たり前のことが、運動会というわが子の一大イベントになると守れなくなってしまう方がいらっしゃいます。「このくらいはいいだろう」「今回だけなら」「~の時だけ」という気持ちがそうさせるのでしょうか。
ルールを守るのは、運動会に限らず、すべてのマナーの基本です。席を取る時間、方法、出入りして良い場所など、主催する園や学校の指示に従いましょう。守って欲しいと言われたルールは、子どもたちが安全に競技できるように考えられています。子どもの競技を見守る親として、ルールを尊重しましょう。
子どもたちから「先生が〇〇はダメって言ってたよ」などと注意を受けたら、恥ずかしいですものね。
マナー違反を見かけたら勇気を持って伝える
学校や園での運動会ですから、会が終了した後も親同士のお付き合いは続きます。そのため、マナー違反をしている方に対して不快に思うことがあっても言えずにいたり、誰かが言うのを待っていたりするかもしれません。
けれども、運動会に支障をきたすような状態でしたら、勇気を持ってご本人や学校、園側に伝える必要があります。そんなときは、次のような「手法+1提案」をするなど、伝え方に工夫をすると相手に感じよく気持ちを伝えることができますよ。
例:最前列に大きめの椅子を置いて見ているため、後ろの人が競技を見ることができない状態をご本人に伝える場合
1、クッション言葉
「申し訳ありませんが」「恐れ入りますが」など、丁寧に印象良く伝わるクッション言葉をを使って声をかける。
2、本題
「お使いの椅子が少し大きく、私たちは後ろにシートを敷いているのですが、競技を見ることができません」など、そのことによって現状がどうなっているのか、事実を伝える。「周りの人も見えないと思います」などの推測は伝えない。
3、疑問依頼
「競技が始まったときは椅子を畳んでいただけませんか?」「もう少し小さな椅子にしていただけませんか?」など相手に問いかける。
「見えないから椅子はやめてください」などの命令や指示の伝え方はしない。
ここでも「お手数ですが」「大変恐縮ですが」などのクッション言葉を使っても良いですね。
4、代案
「足が悪い」「これしか椅子を持っていない」など言われたら、「〇〇の競技の時だけで良いので、お隣で少し応援させていただけませんか?」「先生から少し小さな椅子をお借りしてきましょうか?」など、代わりに何ができるかを想定して提案してみる。
伝え方一つで相手の行動や受け取り方も変わります。最初から伝えても無駄だと諦め、伝えないまま不満が残るようでしたら、改善する勇気を持ちましょう。
すべての子どもを応援し、見守る覚悟を持つ
「なんでもっとしっかり走らないんだ」や、相手チームへの暴言などを口にされる方を見かけることがあります。子どもの出番が終わったら応援をせず、携帯を見ていたり、他の保護者とお話に夢中になっていたりする方もいらっしゃいます。
自分の子どもでなくても、頑張っている子どもたちを温かい目で見守り、運動会のすべての競技が終わるまで応援するのが、運動会に参加するパパ、ママの役目ではないでしょうか。すべての子どもたちに心からの温かい声援、拍手、眼差しを向けてあげられることこそ、スポーツマンシップにのっとった運動会の応援ですね。
運動会は、子どもたちの成長を感じることができる大切な行事です。
「こんなこともできるようになったんだ」「あんなに頑張っている」と涙が出るほど感動する瞬間がたくさんあります。
その瞬間をいちばんいい位置で応援したい、カメラに収めたいと思う気持ちは、どの親も一緒。そんな時こそマナーが大切です。
「運動会が子どもにとって楽しい行事になるように」「みんなが気持ちよく過ごせるように」という思いやりの心を、形に表しましょう。
応援する親も〝スポーツマンシップにのっとり正々堂々と応援″しましょうね。
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シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子
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