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感謝の印がついた和装の贈り物

ビジネスシーンでの手土産マナー 感謝の気持ちとともに美しく手渡すためのポイント

2019/12/27


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの広瀬綾華です。

ビジネスマナーと言えば思い浮かぶのは、電話応対、名刺交換……。これらには自信があっても、ビジネスにおける手土産のマナーは知っていそうで知らない、もしくは自信のない人が意外といらっしゃるのではないでしょうか。手土産マナーは意外と盲点?!かもしれませんね。

手土産を渡す=コミュニケーションのひとつであり、心遣いでもあります。
年末年始や年度がわりの時期は、会社訪問や会食の機会が増えるもの。そんなときこそ、日頃の感謝の気持ちを伝え、これからの関係をよりよくしたい気持ちを伝えたいですよね。
自分のことを考えて手土産を選んでくれたと感じると、きっと先様はあたたかい気持ちになってくれるはずです。

本日は、ビジネスシーンにおいての手土産マナー「美しく渡すポイント」をお伝えします。

手渡す場所とタイミングは、急がず、慌てず、状況を見て

会社訪問の場合は、通された応接室や会議室にて手土産をお渡しします。受付では渡さないようにしましょう。
タイミングは、基本的に、名刺交換や挨拶が終わった後、その流れで最初に渡します。

ただし、最後に渡したほうがいい場合もあるため、状況に応じて判断する必要があります。
たとえば、商談状況によっては最初に渡すことで機嫌をとっていると思われるのを避けたい場合、また、お詫びをする場合です。

会食の場合は、会食後、別れる前に渡すとスマートです。

プレゼントボックスあれこれ

会食のホスト役のとき、店を出た瞬間、先様から手土産を渡されたことがありました。あらかじめお店に預け、最後、お店を出るときに引き取って渡してくださったのです。
思いがけないサプライズが用意されていたことに感動しました。スマートな渡し方と、いただいた手土産のパッケージが素敵だったことは今も忘れません。

やりとりは最も地位の高い役職の人同士で

ひとりであれば自分が渡せばよいのですが、複数で訪問する場合は誰が渡すのか迷うところですね。
どんな場合でも、「最も地位の高い役職の人が渡す」と覚えると簡単です。
「上司にそんなことをさせられない」と考えたり、「部下に渡してもらったほうがいい」と考える方がいらっしゃるのであれば、それは間違いです。

実際、私自身、後輩に渡してもらったほうが受け取る側も嬉しいはずと勘違いし、当たり前のように渡してもらっていました。勘違いも甚だしい、赤っ恥エピソードです。

コサージュ

渡す相手についてはこの限りではありません。最も地位の高い役職の人に絶対渡さなければいけないという考えは、持たないほうがいいでしょう。
タイミングや商談状況によって、部下である営業担当者の方や受付の方に渡したほうがよい場合もあります。

手土産は美しい状態で、そして言葉を添えてさらに美しく

手土産は購入してから渡すまで、常に美しい状態を保つようにしましょう。
購入をした際に、品物を入れてもらう紙袋は埃よけのためのもので、手土産が汚れないように守っています。
そのため、渡す際には紙袋から手土産を出して渡し、紙袋は持ち帰るのがマナーです。

ビジネスシーンの場合は、紙袋のまま渡すことが多いため、紙袋と手土産のどちらも美しい状態で渡すことを意識しましょう。

美しい状態を意識するとは、次の2点です。
1.購入の際に必ず「お渡し用の袋」をいただき、訪問前に入れ替えるようにしましょう。
2.持ち運びの際も、地面に置かないなど取り扱いに注意が必要です。特に最後に渡す場合は、気をつけなければいけません。うっかり椅子の下に置いてしまうなどは避けたいものです。

そして、言葉を添えて、さらに美しくお渡ししましょう。
紙袋のままであれば「袋ごと失礼します」とお伝えしたあとに、感謝の気持ちを伝えます。
・「日頃よりお世話になっております、心ばかりのものですが、お受け取りください」
・「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました、ほんの気持ちですが、お受け取りください」
さらにその品物を選んだ理由を伝えると、より相手に喜んでいただけるかもしれませんね。

「つまらないものですが」「たいしたものではないのですが」と言いながら伝えていると、先様から「つまらないものだったらいいわー」と冗談交じりに言われたことがあり、ハッとなったことがありました。
敬意を示すためのフレーズとはいえ、形式にとらわれ、感謝の気持ちも伴っていなかったと反省しました。
「本当に相手に喜んでいただきたいと思っているなら、自分の言葉で伝えたくなるのでは」と気づかされたエピソードです。

感謝の印がついた和装の贈り物

いかがでしたでしょうか。
手土産を渡す瞬間は、ほんの一瞬。けれど、そこにいろんな想いが込められていると思うと、素敵なコミュニケーションツールだと感じます。
手土産がきっかけで会話が広がること間違いなし。
この機会に手土産を持って会社訪問してみませんか。

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このマナーについては、#ソーシャルマナー 

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 広瀬綾華

講師広瀬blog

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