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上司に相談して悩み解決!

傾聴で頼られる上司に! 聞く力を鍛える3つのコツ

2020/10/09


トップマナーOJTインストラクターの石井由美子です。

部下から相談をもちかけられたとき。あなたはどうしていますか?

『頼りになる』『分かってくれる』『この人について行こう』と思われたいがために、ついつい、自分の考えばかりを一方的に、話してはいませんか?
持論を展開するばかりで、自分の意見に固執していると、部下はかえってあなたから距離を置きたいと思うになります。

このコラムでは、部下から相談を持ちかけられたとき、どのような対応をしたら、「相談して良かった!」と思ってもらえるのか。相談する際、頼りがいのある上司になるためのコツをお教えします。
秘訣は、傾聴です。傾聴=聞く力の3つのポイントを意識することで、部下との信頼関係を築くことができます。

部下の評価や とにかく解決しようと焦らない

「仕事が出来なくて困っています・・・。」と、部下から相談されたとき、経験のあるあなたは、「何?どの作業?」「そんなときはこうしたらいいよ。」「あーすればこうなるはずだから、すぐやってみて」と、とにかく答えを伝えていませんか?

相談する部下が、『やり方が分からない』のか、仕事そのものへの『やりがい』が分からないと言っているのか、きちんと聞いてから返事していますか?

そうした、せっかちな反応から出る回答は、相談した部下にとっては見当違いのこともあります。またすでに時代に合わなかったり、あなた本位の意見の押しつけになっていたりすることもあるかもしれません。

相談に乗る際大切なことは、まず、部下本人に話してもらうことです。
話をしたいと来る部下の話をさえぎらず、まずは聞くことに努めましょう。
このとき大事なのが『傾聴』です。
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傾聴とは、耳と心を相手に傾け、しっかりと相手の話すことを聞くことです。先入観なく、意図もなく、相手をそのまま受け止めることです。
相談に来た部下の心情をまずは受け止めましょう。

大事なのは、上司であるあなたが話そう、話そうと思わないことです。アドバイスしようとすると、聞いているようで、自分自身に意識が向いてしまいます。また、相手の立場や思い知りもしない、安易なアドバイスは相手の主体性を奪い、深く考えるチャンスも奪ってしまいます。

私の友人から、こんな話を聞いたことがあります。
その友人は、プロジェクトチームにいるAさんとの人間関係に悩んでいました。友人自身は、仕事へのやる気はあります。ですが、不安も感じていたので、上司に胸の内を聞いてほしいと思い相談に訪れました。

それでどうだったのか。

相談した上司は、ずっとご自身の経験話ばかりされたそうです。
そして、「Aさんにもいいところがあるから大丈夫!」と、とりあえず励まされたそうで、友人は、「一方的な自慢話や説教を聞いたような気がしてなんだか疲れた」とも言っていました。

「よく話を聞いてもらってすっきりしました」「話を聞いてもらっただけでも、嬉しかったです」と、相談に来た部下に言わせたいなら、なにかプラスになることを言おうと言おうとせずに、まずはじっくり耳を傾けてみましょう。

共感を示すことで相手に話してもらう

部下が相談に来たら、まずは傾聴で受け止めよう。とはいえ、じっと無言で聞いているだけでは、相手は「この人、聞いているの?」「私の言ったこと分かってくれているの?」と、不信感が湧いてくることでしょう。

部下に心理的安全を感じてもらうためには、共感を示します。

心理的安全とは、何を言っても否定されず、共感してもらえるということで芽生えます。この心理的安全があってこそ、部下はのびのびと話せるようになります。

傾聴のコツは、あなたが部下と話す場合なら、話している時間の
7割を部下に話してもらい、あなたが話す時間は、3割程度にとどめましょう。

その3割も持論を展開するのではなく、部下が話しやすいように促したり、話した内容を確認して、共感を伝えるために使いましょう。
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共感していることを部下に伝えるために有効な、ポイントは3つです。

オウム返しとミラーリング

部下が言った言葉と同じ言葉を繰り返す、同じように動作をすることをオウム返しといいます。このオウム返しをすることで、相手に、安心感と共感を伝えられると言われます。

具体的な方法は、相手が使った言葉を繰り返しましょう。
部下:「○○な風に思ったんですよね」
⇒あなた:「○○な風に思ったんですね」

相手が言った言葉を、違う言葉で言い替えると、相手に警戒心を与えることがあります。たとえば、
部下:「継続的にやっていけるか、不安です」
⇒あなた:「サスティナブルにできるかってことですね」

この様な言い換えを続けられると、言葉の意味を取ろうとか、それがあっているのか確認したいなどの思いにとらわれて、話に集中できなくなります。

また、相手と同じ動作をさりげなく真似をしてみることをミラーリングといいます。たとえば、相手がお茶を飲んだら、自分も飲むなどです。
話すスピードや声の大きさも合わせることを意識しましょう。

相づちを打つ

部下の話に対し相づちを打つと、部下は肯定的に受け止められていると感じます。頷くことも共感を伝えます。

一方、あまり良くない相づちもありますので気をつけましょう。たとえば「うんうん」と2回続けて言うと、親しみを感じるという人もいる一方、馬鹿にされているように受け止められることもあります。特に年上の部下と話すときは気をつけましょう。

オープンクエッションを使う

クローズドクエッションとは、「はい」「いいえ」で答えられる質問です。その逆に、オープンクエッションでは、相手は自由に発言できる質問です。

クローズドクエッションの例を見てみましょう。
「チームには慣れましたか?」
「はい。(でもそうとも言い切れないかも・・・でも、いいえというのはちょっと・・・)」
「みんな協力的ですか」
「はい、協力的です」
「困っていることはないですか」
「いえ・・・」

クローズドクエッションは、簡単な受け答えを通じて、口火を切らせる効果もあります。
しかし、あまり複雑な回答を求めるような質問だと、相手は答えに困ります。また、あまり質問が続くのも尋問の様で圧迫感を与えてしまいます。

オープンクエッションの例を見てみましょう。
「みんな協力的ですか?」
「はい」
「どんなときにそう感じますか」
「うーん。そうですね。○○さんが頼まなくても、他社の実績を調べてきてくれて。」
「○○さんが、他社の実績を。それはいいですね!他にこんなふうにしてほしいなと思うことはありますか」
「○○さんのことで、ちょっと困ったなと思うこともあります」
「困ったなと。具体的にはどんなことですか?」

二つの会話を比べてみて、いかがでしょう。
「なぜ」と聞くより、「そのときどうしたの?」「そのとき、どう感じた?」「具体的に言うと?」と、質問する方が、相手は自分の考えを引き出しやすくなります。

部下から相談をもちかけられたときも、ぜひ、オープンクエッションを活用してください。

認めることで人間関係を築く

 
ここまで、頼られる上司として大切なコツを見てきましたが、最後にお伝えするコツは、最も大切と言っても過言ではないでしょう。

頼られる上司になるために、最も大切なコツ、それは部下との人間関係をしっかり築くことです。

そして、この人間関係を築くために大切なのが、『承認』です。
相談を受けた場合の承認とは「あなたのことを大切にしていますよ。ちゃんと聞いていますよ」ということを態度で部下に伝えることです。

あなたが上司に相談をしているのに、上司はあなたの目を見ないで、「ふん、ふんふん」とだけ言いながらパソコン作業を続けていたら如何ですか?
一生懸命話しているあなたに体も向けず、背中しか見せない上司に話し続けることを、あなたは出来ますでしょうか?

上司の「聞く態度」は、部下の心理状況に影響します。

あなた自身も気づかないうちに、そうした『ながら対応』をしてしまい、「あー、この人私の話全然本気で聞いてくれてないわ」と思わせるようなことはありませんか?
これでは部下は自信をなくし、話す気も失せるでしょう。

承認を伝えるためには、まず相手の目をしっかり見て話す。穏やかな表情や声で話す。
真正面で部下に向き合い、姿勢は少し前屈みになって、部下の話を聞く。そうしたことを意識することで、「あなたの話を真剣にきいています」と態度で示すことができ、勇気を出して相談に来た部下を勇気づけることもできるでしょう。
上司に相談して悩み解決!
聞くとは、相手を理解することです。相手に理解させるための手段ではありません。

部下が本音を話せるようするためには、上司であるあなたは、積極的に傾聴力を発揮して、部下勇気づけてあげてください。
そうして、頼れる上司となったあなたの下で安心して働けることを確信した部下はきっと、新名にとってかけがえのない働く仲間になることと思います。

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このマナーについては、#マナーOJTインストラクター養成講座 #企業研修講師ストレートコース

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 石井由美子

講師 石井由美子blog

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