Menu ×

Manner Up Magazine > コミュニケーションマナー > 異動を前に不安な方に元管理職のマナー講師がおくる不安解消のコツ
ちょっと緊張顔の新人上司のイメージ画像

異動を前に不安な方に元管理職のマナー講師がおくる不安解消のコツ

2022/02/25


みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの島田美稲子です。

2月も後半のこの時期、年度末の決算の会社では、エンジンフル回転でお仕事にあたっているという方が多いと思います。

私も企業で働いていた頃は、年度末を控えたこの時期に、資料作成などで慌ただしい日々を送っていました。
そんな慌ただしさの中でも、ふと不安な気分になることがありました。

多少の不安であれば、計画を慎重に立て直したり、抜け漏れが無いように確認をしたりと、用心深くなって、良い結果をもたらすこともあります。

しかし一方で、常に得体の知れない不安感がまとわりついているのも、精神的につらくなってくることもあります。

このコラムでは、忙しく働く中で、心を亡くさないために!
企業研修講師としても活動をはじめた、元管理職のマナー講師、島田美稲子が、新米管理職のセルフコントロールについてお伝えします。

コツは、『敵を知り己を知れば百戦殆うからず』です。
孫氏の兵法で有名なこの格言の通り、

あなたを不安にさせる『敵』の正体をよく知り、
あなた自身『己』の特性を知って、取り扱い説明書を作っておけば、
『百戦殆うからず』この先も同じような困難に接したときも、危なげなくやりすごせるでしょう。

新米管理職として頑張るあなたにエールを贈ります!

何故不安か 不安の素を知っておく

年度末に忙しくなると何故不安を感じるのか。
新年度の4月になると、人事異動が発表され、組織の体制が変わることがあります。

上司が変わることもありますし、転勤や部署異動などで新年度から新しい組織で仕事をすることもあります。
主任や課長のように役職が付くことがあれば、職場での立ち位置が変わります。
こうした不確定なことが絶対ある!と分かっているのに寸前まで発表されないのは、とても不安になります。

建設会社に勤めていたころ、一般職から総合職への転換が決まり、営業所から支店に転勤となりました。
仕事自体も変われば、立場も変わり、その上働く場所までも変り、一気にすべてが変わったのに、新しい環境では、誰に何を相談すればいいのか、どのように周りの人たちと関わっていけばいいのかがわからず、すべてが手探りでした。

事前に内示があったとしても。
周囲に話せないからこそ、不安感は高まります。

先を見通せないこと、これまでのやり方、あり方で通用するか分からないと思うことで、不安感が発生し、思い悩むことで不安は増幅していきます。
つまり私にとっては不安とは、変化に対し、怖いと思うことがその素になっているということに気づきました。

私は、その支店では女性の総合職第1号でした。
総合職だけれど男性でなく、女性だけれど一般職ではない。
今までになかった『存在』として私が異動してきました。

私を受け入れてくれた支店の上司や後輩の女性たちも、私が何をするのだろう、何ができるのだろうという期待もあったと思いますが、私をどう扱っていいのか、私にどう接すればいいのか、不安に思っていたのでは、と思います。
当時を振り返ってみて思うのは、不安だったのは私だけではなかったということです。

職場で不安になったり、戸惑ったりすると、表情が硬くなります。
表情が硬くなると、人と接するときなどは不利です。

私たちJAMOIの講師は、『表情の中でも笑顔は、接する相手に親しみやすさと安心感を印象づけます』とお伝えしています。

新しい環境が不安であればこそ!
あなたという、新しくやってきた人をポジティブに受け入れてもらうために。
新年度の新しい環境では、笑顔を意識したいところです。

少しでも不安を感じたら、まずは深呼吸をして、「今、私は笑顔になっているかな?」とあなた自身に問いかけてみてください。
鏡を見て笑顔を確認ているビジネスパーソンのイメージ画像
私は机の引き出しに小さな鏡を入れていました。
落ち込んだり、不安な気持ちになったりした時に、鏡をのぞき込んで笑顔の確認をするためです。
「私は大丈夫!」「私の笑顔が1番!」と自分自身に言い聞かせ、気持ちの切り替えをしました。
そうすると、不安な気持ちはどこかに飛んでいきますから。

ちなみに、笑顔のコツは歯の見え方です。
上の前歯が4本程度見える笑顔、ハーフスマイルだと、エレガントな中にも親しみやすさを演出できます。
不安に押しつぶされそうなときこそ、このハーフスマイルを意識してみましょう。

信頼感を与える第一歩は? 迎合とは違うことを知っておく

新しい職場、新しい立場になった時には「いい人だと思われたい」、「できる人と見られたい」、「嫌われたくない」と思う気持ちが強くなりますよね。

そんな気持ちでいると、部下や後輩に注意するときも躊躇したり、言葉が甘くなったりすることがよくあります。

私も、「今、これを言ったらどう思われるだろう?」とか、「私がこんなことを言っていいのかな」と注意するタイミングを逃すことがありました。

でも、肝心なのは最初です。

最初にきちんと指導を行い、コミュニケーションをとるようにしておくと、その後の後輩指導がスムーズに進みます。

後輩の電話応対や接客態度などが気になったときには、タイミングを逃さず、すぐに声を掛けるとよいでしょう。

その際も頭ごなしにダメな点を指摘するのではなく、まず、その電話応対や接客態度でよかったところを伝えます。
そのあとで、「そのうえで、ここをこうするともっとよくなるよ」と、具体的な改善方法をそえて伝えます。
これは、サンドイッチ型などと呼ばれることもあるフィードバックの構成です。
部下指導の際のフィードバック、評価を伝えるときの構成で、

  1. 褒める
  2. 要改善点を伝える
  3. 褒める

と、要改善点を褒めることでサンドイッチして伝える方法です。

褒められてから指摘されることで、指導される側のやる気を維持できると考えられます。
笑顔で話す職場の上司と部下のイメージ写真
人間だれしもそうですよね。
例え事実であったとしても、ダメ出しばかり延々とされ続けると、心が折れてしまいます。

相手のことをきちんと見ていることを褒めることで伝え、改善点をわかりやすい言葉で、納得できるように伝えることが大切です。

あなたは一番身近なお手本 自分が見られていることを知っておく

かつて、その部署で事務処理をする女性は私一人だけ、という職場で仕事に従事していたことがあります。

業務量が増え、私一人では回らなくなったころ、後輩が入ってきました。
それまで電話応対や来客対応の経験がなかった後輩に、電話応対の基本から指導しました。

その後輩が入ってから1、2か月過ぎた頃、時々、お客様から
「二人の声と話し方はよく似ているね!どちらが電話に出たのか、名前を聴くまでわからなかったよ」と言われるようになりました。

言われてから意識して聴いていると、確かに後輩の声の出し方、電話口での話し方は私によく似ていました。

最初の頃、電話応対がうまくできなかった後輩は、私の電話応対を見て、それを真似ることで、電話応対の練習にしていたそうです。
私を真似て、近づこうと、電話応対の練習を頑張ったそうです。

目標にされるなんて、気恥ずかしく思う一方で、後輩に恥ずかしくない立ち居振る舞いをしなければいけないなと、私自身も身の引き締まる思いがしたものです。

あなたが職場で使う敬語や、話し言葉は、後輩にすぐ移ります。
あなたが電話応対や接客をしていると、すぐそばで見ている後輩や部下はあなたを真似て、同じように電話応対や接客をするようになります。

言葉遣いや態度、身だしなみなど、すべてが後輩たちの身近なお手本になるのです。
後輩に恥じない、会社のカラーを毀損しない社員であるために。
ひとりの社員だけではなく、後輩を育てる立場になったときは。

誰にも恥じない、管理職像を自分の中でも確固としたイメージをもっておきたいものですね。
そうしたイメージがしっかりあれば。
どんなシチュエーションでも迷わず、あなたらしくいられることでしょう。

ぜひ会社のニーズと、あなた自身の望む管理職像を、今一度しっかり思い描いておくことをお勧めします。
ちょっと緊張顔の新人上司のイメージ画像
新年度、新しい環境での仕事に不安を持っているあなたに。
ぜひとも伝えたいことがあります。

あなたが新しい職場や役職になるのは、今までのあなたの仕事ぶりや業績が認められ、あなたがその役職に就くこと、そのポジションで仕事をすることがふさわしい存在だと、周囲の人が認めたからです。

あなたには、それだけの評価を受ける実力があるのです。
不安の素を知り、あなた自身の強みや特性を知っておけば、百戦殆うからず!

ぜひ自己肯定感を高く、自信をもって歩き始めましょう!

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表すためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。

#マナーOJTインストラクター養成講座 #企業研修講師ストレートコース

日本マナーOJTインストラクター協会
マナーOJTインストラクター 島田美稲子

講師 島田美稲子 blog

あなたにおすすめの記事