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金扇に桃、和の雰囲気の写真

「やまとことば」を意識して手紙&メール美人になりませんか?

2019/01/25


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの広瀬綾華です。

いきなりですが、次のことわざをご存知ですか?
「言葉は身の文(あや)」「言葉は心の使い」
言葉はその人の人柄や品位をあらわす、心に思っていることは自然と言葉にあらわれるという意味を持つことわざです。

言葉は、人と人とがわかり合うために重要な役割を果たすコミュニケーションツール。そして、あなたの心の在り方が表れてくるもの。選んだ言葉=あなた自身です。

そこで本日は、手紙やメールに取り入れたい、女性らしいやわらかな印象の「挨拶のやまとことば」に触れてみたいと思います。

Letters

ここ最近、「やまとことば」を扱う書籍をよく目にしますが、「丁寧すぎる敬語だと堅苦しい」「少し親近感を感じてもらいたい」など、そんなときにどのような言葉遣いをすれば感じがいいのだろうと思われる方が多いからでしょう。

そもそも日本語は、文字がない時代からさまざまな歴史背景を経て育まれ、日本民族がもともと使ってきた「やまとことば(和語)」、中国から入ってきた「漢語」、そして中国以外の国より室町時代末期から入りはじめた「外来語」から成り立っています。
「やまとことば」は、文字ができる前、私たちの先祖たちが、感性に従って一音一音に意味を宿して言葉として表現したものと言われています。だからこそ、心に響き、心地よくやわらかな印象を与えるのです。

それでは、3つの「やまとことば」をご紹介いたしましょう。

「心待ちにしています」で、深い想いを伝えましょう

「待っています」と伝える気持ちをよりあらたまって言うときに使います。
手紙やメールの最後に「心待ち」にという言葉を使うことで、さまざまに込められた思いを伝えることができます。
「心待ちにする」というのは、相手に対して期待して待っている、待ち望んでいるという意味があります。
たとえば、ビジネスやプライベートシーンで次回会う約束をしたとします。後日、手紙やメールで「お待ちしています」と言われるよりも、「心待ちにしています」と言われると、相手から会えることへの期待感や楽しみにしてくださっている雰囲気が伝わってきませんか? そして、より丁寧でやわらかな印象も受けますよね。

Washi -Japanese Paper-

私自身の経験ですが、大先輩との約束を控えた前日、お時間をいただき申し訳ない気持ちと同時に緊張もしていたところ、「明日、お目にかかるのを心待ちにしています」とメールをいただいたことがあります。その一文に、先輩のお人柄と品位を感じ、また、「心待ち」の一言が非常に嬉しく緊張がやわらいだことを覚えています。

「胸を打たれました」で、繊細な心の動きを伝えましょう

胸を打つ、心に沁みる、心に響く など、やまとことばには、「胸」「心」を使った、感動をあらわす、繊細な表現がたくさんあります。
手紙やメールで、お礼とともに感動を伝える場面は、結構ありますよね。そんなとき、「本日はありがとうございました。〇〇様の~のお言葉に感動しました」という一言で終わらせていませんか? 
これでは、どのように感動したのか、どれくらい感動したのか、心の繊細な動きやニュアンスは、相手にはきっと伝わっていないでしょう。

けれども、「~のシーンに心を打たれました」と言われたら、ぐっと強く感動したのかなと想像できます。また「~様の言葉は心に響いたよ」であれば、心を動かされ、印象が残ったのかなと想像できますよね。
「感動しました」と一言で終わらせるのではなく、表現豊かに気持ちの機微を伝えることで相手の心をも掴むことができます。

感謝の気持ちとともに感動したことを伝えたいのに、表現力が乏しく、思いに深みが出ず、相手に思いが伝わらなかったことは、かつての私の苦い経験です。

「お心にかけて」で、感謝の気持ちを伝えましょう

感謝の気持ちを表す表現として、「お世話になっております」は、あらゆるシーンでよく使います。それに対して、やまとことばの「心にかけて」は、相手の心や立場に添って心に留める、気にかけるという意味があります。
「お世話になっております」では少し堅苦しいなと感じるときや、「気にかけてくださってありがとうございます」という言葉をあらためて伝えたいときに使いましょう。
「いつもお心にかけていただき、ありがとうございます」と言うことで、感謝やお礼をやわらかな表現で伝えることができます。

自分のことや家族のことを、何かと気にかけてくださる方は、きっと周りにいるはずです。そんな方に手紙やメールでさりげなく感謝の気持ちを伝えるときに使っていただきたい言い回しです。私自身も、後輩からもらった手紙に、「いつもお心にかけていただき…」と書かれていて、その素敵な言葉に心が温まりました。

WA -Japanese traditonal style-

いかがでしたか?
ほんのわずかですが、手紙やメールで使いたい挨拶(気持ち)を表現するやわらかな言い回しをご紹介いたしました。
大人の女性がさりげなく使えると、素敵ですね。私ももっと表現力豊かに、言葉の響きを感じながら、手紙やメールのやりとりをしたいと思います。
ぜひ皆さんも、やまとことばを意識して手紙&メール美人になってくださいね。

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このマナーについては、#マナーコース 

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 広瀬綾華

講師広瀬blog

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