この夏初めて気合を入れて暑中見舞いを出すなら!これだけは知っておきたい3つのポイント
2021/06/25
みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの山田真由美です。
しばらく会っていない親戚や友人、お世話になったあの方たち…。
お盆や暮れなどの長い休みを目前に控えると、懐かしい方々の顔が思い浮かびますね。
感染リスク防止のために、人と会うこと、遠くへの移動が引き続き制限されています。
直接会うことが憚られるなら!暑中見舞いで、日頃の感謝を伝えませんか?
暑中見舞いは、相手の様子を気遣うと同時に、あなたご自身の近況を知らせる良い機会ですね。
メールやSNSで簡単にメッセージを送られる便利な時代ですが、手書きの手紙やハガキなど、直に手に取り形に残るものを受け取るのも、まだまだ嬉しいものですよ。
暑中見舞いが現在のような形式になったのは大正時代頃です。
暑中見舞いはもともと、お盆に里帰りする際に品物を持ち帰り、祖先の霊に捧げるものでした。
それが次第に夏のもっとも暑い時期に、お世話になった方々の身体を気遣い、健康に過ごしてほしいという思いから品物を送るようになったと言われています。
現代では、多くの連絡を簡単、便利にとメールやSNSなどで済ませてしまいますね。
実は暑中見舞いのハガキを送る風習も、それまでの形式を簡略化したものなのです。
帰省や外出がままならず、親戚や友人、お世話になった方々になかなか会えないなぁ…と感じている皆様、この夏はぜひ『暑中見舞い』であなたの思いを届けてください。
そのために知っておいていただきたい3つのポイントをお伝えします。
タイミングを意識しよう ポイントは受け取る期間
日本の文化や風習は長い歴史の中て培われてきたものです。時代は下っても、そういったしきたりや風習を大事に思われる方はたくさんいらっしゃいますね。
暑中見舞いを出す時期にも、昔からのしきたりにのっとった適切なタイミングがあります。
知らなかったために、せっかく送るあなたの気持ちが詰まった暑中見舞いが残念なことにならないよう、まずはこのような原理原則をしっかりと理解しておきましょう。
暑中見舞いを送る時期は、1年を24等分した二十四節気が基準となります。
暑中見舞いは、この二十四節気の「小暑から立秋の前日」までに相手の手元に届くように出しましょう。
毎年、一日前後ズレることはありますが、目安として小暑は7月7日頃、立秋は8月7日頃です。
この時期に間に合わなければ残暑見舞いとして送ります。
残暑見舞いは、立秋(8月8日頃)から8月下旬に入る頃までには届くようにしましょう。
「まだまだ暑い盛りなのにもう残暑?」と感じたことはありませんか?
暑中見舞いを出すタイミングを逃してしまう原因の一つがここにあります。
暑中見舞いは、実際の暑さではなく、あくまでも『暦』が基準です。
日本では昔から季節を先取ることが『粋(いき)』とされる考え方があります。
これは、季節を先取りすることで、誰よりも早く初物を見たい、楽しみたいという江戸文化に基づいているといわれます。
「誰よりも一番先!」を目指すのも良いですが、暑中見舞いの場合は、小暑と大暑の間中に届くことを意識しましょう。
二十四節気を確認するならこちら:国立天文台|暦要項/二十四節気・雑節
書く順を意識しよう ポイントは『挨拶』『気づかい』『近況』『未来』
文字が丁寧に書かれ、読みやすく整った手紙やハガキは、送る人の心遣いがより伝わるものになります。
たとえ字や文章に自信がなかったとしても、「相手に失礼になってはいけない」と考えるあまり結局今年も出さずじまい・・・そうならないように、まずは、一般的な暑中見舞いの書き方を理解しておきましょう。
基本構成やポイントを理解しておくことで、戸惑いや苦手意識をなくし肩の力を抜いて書くことができるようになります。
暑中見舞いの一般的な基本構成は以下の通りです。
① お見舞いの挨拶
「暑中お見舞い申し上げます」
「残暑お見舞い申し上げます」など。
② 相手の安否を気遣う言葉
「暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」
「炎暑厳しい折、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」など
③ ご自身の近況報告
「おかげさまで私どもは、相変わらず元気に暮らしております」
「私どもは家族一同、元気に過ごしておりますのでご休心ください」など
④ 相手の健康を祈る言葉
「酷暑の折柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます」
「しばらくは厳しい暑さが続きますが、体調にはくれぐれもお気をつけくださいませ」
⑤ 日付・差出人
「令和〇〇年 7月」
「令和〇〇年 盛夏」など
このほかに、出産、進学、就職、引っ越し、転勤など、生活に変化があった場合にはその様子を、それぞれのパートに盛り込むといいでしょう。
例えばあなたが引っ越しをしたなら、「この度、念願のマイホームが完成し、下記住所へ引っ越しました」などの文章を③のパートに。
相手が引っ越したのであれば、「新しい地での生活はいかがですか?(お友達はできましたか?、お仕事に邁進されていることと思います。ご家族の皆様 つつがなくお過ごしのことと思います。など)」そうしたことを、④のパートに入れ込みましょう。
ポイントは、相手の今いる場所、置かれている状況に思いを馳せて。
また、夏らしい絵柄(花火・かき氷・ひまわり・金魚など)や写真の入ったはがきで涼しさをお届けするのもおすすめ♪
相手との関係によって言葉を選びつつ、あまり形式にこだわり過ぎず自分の言葉で相手を気遣う気持ちをつづること、相手にご自身の近況をおしらせすることが大切ですね。
もちろん、過度な心配をおかけすることが無いような配慮も必要です。
「あちこち痛くて、仕事も大変で。まったくもう、ホントお先真っ暗です。」と書いて笑ってもらえるなら良いのですが、心配をかけてしまっては暑中見舞いを出す意味がなくなってしまいますね。
冗談が通じる相手か、少しよそ行きのすました感じの方が安心感を抱いてもらえるかを考え、あなたらしい文章を作りましょう。
ちなみに、
手紙やはがきを書く際は、「毛筆、筆ペン、万年筆」がよいとされています。
日常使いされるボールペンで書くのは避けて、特に目上の方に宛てるあらたまった手紙やハガキの場合は、毛筆、筆ペン、万年筆で書くことに挑戦しましょう。
『映え』を意識しょう ポイントは『統一感』
文章に気を取られるあまり、宛名書きは適当になりがちですね。
宛名は、相手に敬意を表す大切なものです。特に丁寧に書くことを意識して、正確に美しく書けるように気合を入れましょう。
こういうと、かえって力が入り過ぎ、余計に緊張してうまく書けないという方もいるかもしれませんね。
ここでは、美しく見える、映える宛名のポイントをお伝えします。
下の写真をご覧ください。
これは一般的な宛名の書き方と、バランスよく書くための位置の目安を示しています。
ポイントは、住所と宛名でそれぞれまとまりをもたせること。
そのまとまりを置く場所の周囲に、統一感を持たせた一定の余白を作ることも大切です。
これらは普段あまり意識していないかもしれませんが、きちっと揃っているものは、見ためにも読みやすく、読み手に安心感、安定感を与えます。
最近は横書きされる方も増えていますね。
間違いではありませんが、相手が目上の方だったり、毛筆で書いたりする場合は、やはり縦書きが好ましいでしょう。
縦書きか横書きか、いずれにしても表と裏の書き方をそろえることもポイントです。
宛名が縦書きの場合、ハガキを裏返したらそのまま読める縦書きの文章。
こうすることで、受け取った方も違和感なく読むことができます。これも小さな思いやりですね。
文字の組み方や、縦書き、横書きの際の注意点などは、暑中見舞いに限らず、すべてのハガキに共通するものです。参考になさってくださいね。
「字を書くのが苦手…」「字が下手で恥ずかしい…」そんな声はよく聞かれます。
気持ちを伝える手紙やハガキを書くには、文章の得手不得手・文字の上手下手よりも、心を込めて一文字一文字丁寧に書くことがもっとも重要です。
お世話になったあの方へ、なかなか会いに行くことができない故郷の親戚や友人に、ぜひこの夏は暑中見舞いを送ってみてはいかがですか?
さまざまな制限がある現在の状況下で、あなたの心遣いにほっと心温まるに違いありません。
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