外国の人に気持ちを伝えるときは、“言葉でも明確に”がマナーです
2018/03/02
こんにちは。
トップマナーOJTインストラクターの三石孝子です。
皆さんは、日頃、どのように自分の気持ちを伝えていますか? 表情ですか? 言葉ですか?
日本人だとはっきりと言葉にしなくても、表情や様子で読み取ることができる“気持ち”が、外国の方には、言葉で伝えなければ、表情だけでは伝わらないということがあります。
今回は、外国の方とのコミュニケーションをとるときの、気持ちの伝え方についてお伝えします。
明確に意思を伝えないことが、気遣いになる日本
日頃、会話をするときにどのようにコミュニケーションを取っていますか? 相手の目を見て興味を持って聞く、相づちを打つ、うなずくという方は多いでしょう。
そして、日本人は、相手の表情を見ながら、「楽しそうだな」とか「疲れていそうだな」などと、相手の様子を気遣い、心の中までも理解しようとしています。それを私は、相手が言葉にする前に気遣える、心配りだとも思っていました。
それでは、「来週の月曜日に、○○へいきませんか?」と誘われたらどうしますか? すぐに行きたいと思えば問題ないのですが、「どうしようかな」と迷ってしまった場合に、行きたい気持ちを示しながら、「行かれるようなら、連絡します」などと、曖昧な表現でごまかしてしまうことはないでしょうか?
私は、はっきりとお断りすると、相手に嫌な思いをさせてしまうと思い、曖昧に伝えることが気遣いだと考えていました。皆さんの中にも、「そうそう」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
返事をしないで会話を進めると「YESかNOか」を求められる
では、海外の方は、同じように理解してくださるかと言えば、答えは「NO」です。
以前ドイツに住んでいたときの経験談なのですが、仲の良いドイツ人の友人とカフェに行ったときのことです。楽しく会話が弾む中で、「来週○○の映画に行かない?」と誘われました。私は、夜に出かけることに気が進まず、「そうね。どんな映画なの?」などと友人に質問していました。日本にいるときのように、会話を進めていたのかもしれません。
すると友人から、「TAKAKO、行くの、行かないの、どっちなの?」と聞かれてしまいました。困った私は、勇気をふりしぼって、「ごめんなさい。行かれないの」と答えると、友人は、気にする様子もなく「わかったわ」と笑顔で言い、なにごともなかったように会話が終わりました。
いつもなら、「断ってしまったら、あとで関係が悪くなるかも」と心配していたのですが、まったく心配することはなかったのです。
曖昧にするよりも、明確に言葉で表すのが外国人のマナー
外国の方とコミュニケーションを取るときに大切なことは、「はい」「いいえ」の意思表示は明確にする、ということです。「こうしたいのかな」などと、表情だけで相手の気持ちを読み取ることはしません。
外国の方にとっては表情と気持ちはいつも連動しているものなので、曖昧な態度をとると、混乱してしまいます。表情と気持ちを一致させ、言葉でもきちんと自分の気持ちを伝えることが大切なのです。
それ以降、私はきちんと意思表示をすることを意識し、誤解を招くこともなくなりました。ぜひ、皆さんもお試しくださいね。
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思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。
このマナーについては、#インバウンドコーチ®養成講座
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講師三石blog