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「日本では当たり前」でも外国人には通用しない? やりがちなコミュニケーション3つの注意点

2019/10/25


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの毛呂霞です。

インバウンドという言葉は、耳にしない日はないと感じるほど身近になってきました。
このManner Up Magazineでも何度もご紹介していますが、インバウンドとは一般的に訪日外国人のことを指します。

日本の人口が減少していくなか、経済の鍵を握ると注目されているのがインバウンドです。今後は訪日観光客だけでなく、労働者も外国人の方がどんどん増えていきます。

外国人と良い関係で協働していくには、文化の違いを知った上でのコミュニケーションが必須です。日本では、「日本人と外国人」という括りで語りがちですが、外国と言ってもさまざまな国があり、それぞれに違う文化があります。
「この国はこうだ」という考えに囚われるのではなく、まずはその国の文化を理解することを大切にしましょう。

今回は、外国人から「理解できない」と言われがちな、日本人の慣習や行動を3つ、ご紹介します。日本なら当たり前、で済ますのではなく、相手に真意が伝わる表現や行動を心がけたいですね。

「空気を読む」は通用しません。言いたいことははっきり言いましょう

日本人は自己主張をあまりせず、「空気を読む」ということを大切にしますよね。
しかし、外国ではそうではありません。日本のような島国であれば、ほぼほぼ文化も似ている中で育ちますが、外国ではそれでは通用しないということです。
特に欧米では、多種多様な人種や文化があり、考え方がまったく違うこともしばしばです。そんな中では「言葉できちんと伝えること」が非常に重要になってきます。「言わないとわかってもらえない」ということです。

各国の国旗に囲まれる日の丸

外国人の友人から聞いた話をご紹介します。
ある日本人をパーティに招待したときに「行けたら行くよ!」という返事があったそうです。外国人の友人は準備のこともあるので、何度も「パーティには来れそう?」と連絡をしていたのですが、「行けたら行く」「まだわからない」と曖昧な返事。ついには返信も無し。その外国人の友人は「何か嫌われるようなことしたのかな。来ることができないのなら最初からNoと言ってほしかった」と言っていました。

日本人のこういった曖昧な表現や、NOと言わない、中途半端な断り方をすると、「信頼できない」と判断されます。人間関係を築くためには相手との信頼感は不可欠ですよね。もちろんズケズケ言いすぎると相手の尊厳を傷つけてしまうこともあるので、相手との関係を考えながら、相手のことをきちんと考えた上で、はっきりと伝えるように心がけましょう。

「いつでも笑顔」は、誤解を生みます。喜怒哀楽と表情は一致させて

日本人の曖昧な表現という意味では、「笑顔」もその一つです。
注意をされているのに、笑顔で「すみません」と返事をすると、注意した外国人は「なぜ笑顔なんだ、反省はしていないのか」と不快に感じます。
逆に、こちらが注意をするときも、笑顔で曖昧な言い方をすると、「笑っているし、たいしたことないだろう」と真意が伝わりません。

各国の国旗に囲まれる日の丸

「日本人と話しているとき、稀に違和感がある。わからないのに笑顔でいたり、困っていても笑顔。何を考えているのかわからない」と外国人の友人に言われたことがあります。
また、日本で接客を受けたときにも、それをよく感じるそうです。クレームを言ったときになぜか笑顔で謝られ、不快に感じたとのことでした。言葉と表情が一致していないために理解できず、どちらが本心なのかと考えたそうです。
言葉ではっきりと発言し、それと一致した表情をする必要があることを意識してください。
そうすることで、より相手に伝わりやすく、関係性を築きやすくなるでしょう。

「謙遜して自分や家族を卑下する」は、褒めたことへの否定につながる

日本には「謙遜」という文化があります。
「素晴らしい能力ですね」と褒められても、「いえいえ、そんなことはないですよ」と謙遜する日本人が多いですが、海外ではほぼありません。
外国人スタッフからすると、その対応は理解ができないうえに、せっかく褒めたのになぜ否定されたのかと考えます。

欧米では特に、家族を大切にし、誇りに思い、それを言葉できちんと表現することが多いです。それは、家族であっても一人の人間として相手を尊重するという文化だからです。

後輩を労う男性の写真

以前勤めていた会社でのことです。日本人の上司が自宅に、外国人スタッフ数名を含め、私たち部下を招待してくださったことがありました。
上司の奥様のお料理がとても美味しく、「毎日こんなに美味しい食事ができて、素敵ですね」と一人が上司に伝えたところ、上司は「いやいや、妻の料理なんて〇〇さんと比べるとまだまだですよ」と謙遜し、奥様自身も「まったくそんなことありませんよ」と答えました。
これを聞いた外国人スタッフは、「どうして自分の家族なのにそんな言い方をするのだろう」「どうして褒められて嫌な気持ちになったのだろうか」と非常に悩ましかったと話していました。

謙遜は日本人の美意識であることを認識し、外国人に対しては、褒められたときは素直に「ありがとう」と感謝を伝えるようにしましょう。

ハイタッチをする人々

いかがでしたか?
今回は私自身が経験した、3つの慣習や行動をご紹介しました。
今後、特にサービス業では外国人労働者がどんどん増えてくることが予想されます。いざ一緒に働くとなったときに、この記事を思い出していただけると幸いです。
普段のコミュニケーションでも実践できるので、ぜひこの3つを意識して実行してみてくださいね。

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このマナーについては、#ソーシャルマナー #マナーOJTインストラクター

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 毛呂 霞

講師毛呂 blog

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