自分の「ニオイ」がマナー違反に? 気をつけたい3つの匂いとその対策
2019/12/20
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの大縣 真弓です。
0.6秒~6秒で決まる瞬間印象の要素の一つに、「香り」があります。パッと見た外見が83%、声11%、その他「香り」が6%です。
相手にとっていい香りであれば好印象になりますが、それが不快な「ニオイ」であれば、印象は悪くなり、コミュニケーションの阻害要因になってしまいます。また最近では、「スメルハラスメント」として周りに嫌な思いをさせてしまっているケースも。
今回は、気をつけたい自分の「ニオイ」として「口臭」「体臭」「香害(こうがい)」についてお伝えします。
自他ともにいちばん気になるニオイは「口臭」
「ニオイ」と聞いて真っ先に思いつくのは、「口臭」ではないでしょうか。
他人の気になる臭いとしても、また自分の口臭にも不安を感じている人も多いことでしょう。
口臭の原因は主に3つに分かれます。
・病的口臭……虫歯・歯周病・疾患による口臭
・外的要因の口臭……ニオイのある食べ物を食べたときに起こる口臭
・生理的口臭……起床時・空腹時・緊張時・生理や妊娠による口臭
病的口臭
歯医者や病院での根本的な治療が必要です。日頃のケアは、歯磨き、歯間ブラシ、舌掃除です。また、マウスウォッシュなどをプラスαすると良いでしょう。歯医者で定期的にケアしてもらうことがおすすめです。
私も、定期的に口腔ケアに行っています。定期的に行くことで、早期の虫歯や口腔のトラブルが発見できますよ。
外的要因の口臭
ニオイの強いものを食べたときに出るので、一時的で時間が経てば治まります。ニオイの強い食べ物を食べるときは、次の予定を考えてメニューを選びましょうね。
私は、翌日の予定がない日の前日の夕食に、大好物の餃子を食べています。安心してたくさん食べることができます。
生理的口臭
唾液が減ることが原因です。口の中が乾燥することで、口内でバクテリアが増殖しニオイが発生します。
また、年齢とともに唾液の分泌量が低下するのも、原因の一つです。唾液を出すために、舌体操や、耳下腺、アゴ裏をプッシュすると唾液が出やすくなります。
自分の口臭が、どのくらいか知りたい人には、「ブレスチェッカー」で測定すると良いでしょう。3000円前後で購入ができるので、より安心したい方は購入してみてはいかがでしょうか。
私は人と話すときは、口臭がいちばん気になります。話している相手が鼻に手を少しでもかざすと、「もしかして臭っている?」と、不安になり、急に距離を取ってしまいます。
そうならないために、人前に出るときには舌体操をします。
方法は簡単!舌を上唇から右頬、下唇、左頬と一周します。数回回すと、唾液が出てきます。唾液が出ると口臭予防にも繋がり、また口周りもほぐされるので、滑舌も良くなりダブル効果ですよ。
つい油断してしまうニオイ「体臭」
「体臭」は、汗や皮脂から発生する腋の臭い・頭皮臭・足臭と、他の原因から発生する加齢臭・疲労臭・ダイエット臭・ストレス汗臭・便秘臭など大きく2つがあります。
汗や皮脂から発生する腋の臭い・頭皮臭・足臭
日本人は、自分の体臭の意識が欧米人より低いと言われています。その理由として、欧米人は80%がワキガ体質なのに比べて、日本人は10%程度。また、欧米人は動物性たんぱく質の摂取が多く、体臭をきつくさせる原因ともなっているため、ニオイの対策の意識が高いとも言われています。
汗や皮脂にニオイがあると思っている人が多いですが、実は、汗や皮脂は無臭です。
皮膚の上にある「皮膚常在菌」が汗や皮脂と混じることで、分解や酸化が進み、「ニオイ」が発生します。腋の臭いや頭皮臭、足臭といった、「ニオイ」はこのように作られているのです。
対策としては、毎日お風呂やシャワーを使って清潔にすること。また、日中は消臭スプレーやシートも効果的です。汗や皮脂がついた衣類は洗濯し、スーツやコートなど毎回洗えないものは、布用の消臭剤でお手入れすると良いでしょう。
他の原因から発生する加齢臭・疲労臭・ダイエット臭・ストレス汗臭・便秘臭など
他の原因から発生するニオイは、加齢や食生活、腸内環境、タバコ、ストレスといった生活習慣が主な原因となっています。食生活や、適度な運動や睡眠など日頃の生活習慣が崩れると、体臭にも影響してしまいます。
冬は汗が出にくいので「体臭」は安心している人が多いと思います。
しかし、汗をかかないことで汗腺には体内のニオイ成分が溜まり、汗をかくと、一気に濃縮されたニオイが出て、隠れ体臭となります。
冬は重ね着やカイロを入れたりと、寒さ対策を万全にしますが、満員電車に乗ったり、暖房がよくきいた部屋にいると汗が出ることもありますよね。もしかして、知らない間に臭っているかもしれません。
私は、冬場でも汗をかいたら、消臭シートを使ったり、通気性の良い肌着を着用して気をつけています。
良い香りと思っていても実は「香害」に?
「香害」とは、香りの成分に反応して、頭痛やアレルギー症状を誘発することです。体臭に気遣って、香水や香り付きの柔軟剤を使う方も多いでしょう。その反面で、過度な香りは「香害」の原因を作ってしまっているかもしれません。
テレビコマーシャルを見ても、柔軟剤や洗剤の香りをアピールする商品が多いですね。とても良い香りで、私も使っています。洗濯物が良い香りだと気持ちが良いですし、ほのかに香る香水の香りは好印象に繋がります。
しかし強すぎる香りは、相手に不快感や香害を与えます。場所によってはマナー違反にもなります。
特に、香水のつけすぎは注意です。
食事の席では、香水の香りが料理の香りを邪魔すれば、せっかくの美味しさもわからなくなります。また、職場や打ち合わせ、会議などのビジネスシーンでも注意が必要ですね。サービス業では、香りは禁止になっている職場も多いです。
香水をつけるおすすめの場所と量は、脇腹に直接1プッシュ。強すぎなく、程よく全身に香ります。
自分にとって良い香りでも、相手には不快な香りもあるので、ほのかな香りで楽しむのが相手への思いやりに繋がりますね。
以前、エステサロンで働いていたときのエピソードです。
香水をたっぷりつけたお客様がいらしたときは、どの通路を取って、どの部屋を使っているのか直接お会いしなくてもわかるほどでした。施術をしても、香水の香りが強く、時に気持ち悪くなってしまうことも。また、次のお客様を通すにも、香りを消すのに一苦労しました。
いい香りは、印象が良くなりますが、程々にしないと逆効果になるので、注意が必要ですね。
「ニオイ」は目に見えないのでわかりにくいものです。また、他人が注意しづらいため、自分では気づきにくいです。信頼がおける家族や友人の力を借りて、自分の「ニオイ」を教えてもらうと良いでしょう。
相手が好きな「ニオイ」と嫌いな「ニオイ」では、その後の関係性を大きく左右してしまいます。
「ニオイ」でマナー違反にならないように気をつけたいですね。
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