敬老の日に伝えたい!離れていてもできるお祝いと子どもの心の育成
2021/09/03
みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの山田真由美です。
9月の第3月曜日は『敬老の日』
長く社会に貢献されてきたお年寄りを敬い、感謝を伝え、長寿をお祝いする日です。
こんなときだからこそ、遠く離れた場所にいるおじいちゃんおばあちゃんに成長を報告し、感謝やお祝いの気持ちを伝える良い機会です。
しかし、昨今の状況下では、しばらく両親に孫を会わせることができないという方も多いことでしょう。
おじいちゃんおばあちゃんにとって、孫の成長は何より嬉しいもの。
お孫さんからのお祝いも、きっと喜んでくれるはずです。
身内ではなくとも、身近にいらっしゃるお年寄りに日頃の感謝を伝えることはとても素晴らしいことですね。
お年寄りを敬う心と、感謝する気持ち。
それらを伝えることの大切さを、お子さんと一緒に考えるきっかけにしてみてください。
子どもに伝えたい「敬老の日」ってどんな日?
『敬老の日』は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨に定められた国民の祝日です。(国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号|内閣府)
もともとは、戦後の、すべての国民が精神的に疲弊していた時期に、お年寄りの知恵と力を活用して村おこしをしようと、村の年長者を祝福する集まりを農閑期に行っていたもので、いつしか全国に広がり、今では祝日となっています。
そもそも「老人」や「お年寄り」とは何歳からのことを指すのでしょうか。
総務省統計局の人口推計では65歳以上を高齢者としています。
少子高齢化が進み平均寿命もグンと延びた現在では、65歳以上を老人、お年寄り、高齢者と呼ぶにはさすがに無理がありますよね。
65歳以上でも第一線で働いている方はたくさんいますし、働いていなくても「老人」「お年寄り」と呼ばれることを心外に思う方もいるでしょう。
敬老の日のお祝いは、年齢で線引きするのではなく、孫から祖父母へ、身近な方でしたら間柄や立場によって判断しましょう。
また、敬老の日の祝い方に、具体的な決まりはありません。
感謝とお祝いの気持ちをどのように伝えられるかも、それぞれふさわしい祝い方を考えましょう。
ここでお子さんがいらっしゃる方に、何より大切にしていただきたいのは、「お年寄りを敬い感謝する心」をしっかりお子さんに伝えることです。
保護者から子どもに、説明して伝えることはもちろん。可能であれば、お年寄りと交流する機会ももちたいものです。
おじいちゃんやおばあちゃんが自分たちと同じ子どもの頃。
どんな生活をしていたのかな?
どんな遊びをしていたのかな?
ソーシャルディスタンスの今、一緒に手遊びなどを学ぶのが難しければ、オンライン通話のできるアプリを使って、顔を見ながら実体験を語って聞かせてもらうのもいいですね。
大人にとってはあたりまえとおもっていたことでも、今の子どもたちには驚きや発見があるかもしれません。
おじいちゃんおばあちゃんにとっても、孫が興味を持って聞いてくれることは嬉しいはずです。
これは私にも経験があります。
高校生まで一緒に暮らしていた祖父は、私が小さい頃から自分の戦争体験をよく話してくれました。
苦労を知らない豊かな時代に生まれ育った私には、想像力を鍛え、苦難の時代を生き抜くことの大変さや、人への思いやりを学ぶ、教育の一環になっていたと思います。
祖父の昔話は、壮絶な体験でありながらも、同時に、その経験に大変誇りをもっているということが、子どもだった私にも伝わりました。
時代は流れ、戦争体験を伝えるお年寄りも少なくなった今となっては大変貴重な話を聞いたものだと改めて重みを感じます。
戦争体験はなくてもその時代を生きた体験は、現代の子どもたちに多くの気付きを与えられます。
おじいちゃんはどんな子どもだったの?
子どもの頃、おばあちゃんは何して遊んでたの?
どんな生活をしてたの?
学校は?
何が好きだった?
夢はあった?
自分では出来ないであろう経験を、おじいちゃんおばあちゃんとの会話を通して、お子さんにも体験させてあげましょう。
離れていても大丈夫!今どきの敬老の日の祝い方
核家族が増えた現代において、子どもにとって、お年寄りと接する機会は減る一方です。
さらに輪をかけて今般のコロナ禍で、たまに祖父母と会うことすら難しくなっています。
実家の両親にしばらく孫の顔を見せていない、という方も多いことでしょう。
そんな皆さんにお勧めしたいのが「ソーシャルディスタンス敬老の日」です!
直接会うことができなくても電話をするほかに、ビデオ通話やリモートでつなぐなど、声を聴いたり、顔を見せたりする機会は作れます。
特におすすめなのはLINEのビデオ通話です。
スマホやシニア向けスマートホンを使っているおじいちゃんおばあちゃんであれば、LINEを使っている方も多いでしょう。
LINEは写真を送ることもできますし、ビデオ通話では一対一だけでなく家族など複数名でも通話できる、とても便利なコミュニケーションツールです。
LINEの使い方がわからないというおじいちゃんおばあちゃんには、この機会にぜひとも教えてあげましょう。
おじいちゃんおばあちゃんが遠隔地にいる場合は、教え方も重要になってきます。
隣にいるときのように「これを、そうそう、そうしたら。ほら」では、伝わりませんね。
画面に何が出ているのか、その場合どんな形のものを指で触る、タップすればいいのか。
そっとタップするだけでいいのか、1,2秒じっくり押すように触り続けたらいいのか。
隣にいない人に教えるときこそ、教えるということの難しさを実感できると思います。
ぜひ、聞いている側の立場を思い浮かべて、具体的に伝えることを心がけましょう。
最初は抵抗があるおじいちゃんおばあちゃんも、最近の便利な機能を少しでも使えるようになって、孫とのコミュニケーションが取れるようになれば。
きっと喜んでもらえるでしょう。
プレゼントにも一工夫♪リモートで楽しむ敬老の日
敬老の日のプレゼントも、ひと工夫してみましょう。
リモート通話を前提に、あらかじめプレゼントを送っておく方法もありますね。
「電話するまで開けないでね」と伝えておき、ビデオ通話でプレゼントを開けてもらえば、喜ぶ反応や表情を見ることができて送った側としても嬉しいものです。
お孫さんからの似顔絵や手作りのものであれば、どんな風に作ったかなどもその場で伝えることもできますね。
また、本来ならばおじいちゃんおばあちゃんを囲んでお食事会を楽しみたいところではありますが、離れていてはそれも難しいですね。
そんなときは、お互いの食卓をリモートでつなぎ、相手の顔を見ながら食事をするのも楽しい試みです。おじいちゃんおばあちゃんの好きな食べ物があれば事前に送り、送った側も同じものを食べればグッと距離の近さを演出できますね。
おじいちゃんおばあちゃんとお孫さんに共通の楽しみがあれば、共有しましょう。
応援している野球チームの応援グッズを送り、一緒にテレビ観戦やインターネット観戦で盛り上がるものいいですね。
洋服や帽子などの服飾小物もプレゼントとして人気です。
顔の見えるリモート通話なら、実際に身に着けたところも見えるので、一生懸命選んだお子さんにも、プレゼントを選ぶ楽しさ。贈られた相手が喜んだことを実際に見られる嬉しさなどの感情を体験することができるでしょう。
リモートでつながるメリットは、なんといっても双方の反応が見えることですね。
このようにプレゼントを贈る場合は、何を贈るか、何が喜ばれるかを、お子さんと一緒に考えましょう。
そして、大切なのは、『お子さんがおじいちゃんおばあちゃんにしてあげたい』と思ったことを尊重することです。
自分が一生懸命作ったものや選んだものを、おじいちゃんおばあちゃんが喜んでくれる姿は、お子さんにとっても大きな喜びです。
『人のために、相手の立場に立って考えること』『その結果喜ばれたこと』という一連の経験を積み重ねることで、人に喜んでもらえることは、自分にとっても嬉しいことだということを体験的に学べます。
ソーシャルディスタンスが続く今年の敬老の日は、保護者のあなたが工夫して、お年寄りを敬うこと感謝することの大切さをお子さんに体験させてあげましょう。
離れていても相手を思いやれる心を育成して、日常を取り戻せてからも、お年寄りや困っている人に思いやれる人になっているといいですね。
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このマナーについては、#キッズマナーインストラクター
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マナーOJTインストラクター 山田真由美
講師 山田真由美 blog