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山田真由美の作品 五角結び

商売繁盛!合格祈願 縁起物の由来と意味を知って家族を応援しよう♪

2022/02/04


みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの山田真由美です。

受験シーズン本番、受験生を応援するご家族の方は、今は『藁にもすがりたい』日々をお過ごしのことと思います。
はたまた、おうちでご商売を営まれている方も自粛だなんだと、大変な思いをされていることと思います。

そんな家族を応援しているあなたが、気持ちの上でまいってしまっては元も子もありません。
そうならないためにも、縁起を担いで、身近にラッキーアイテムを置いておくのはいかがでしょう。

心理学でもピグマリオン効果といって、他者から期待を受けることは、頑張っている方が、更なる成果を出すことに効果があるそうです。

それに、可愛らしいラッキーアイテムなら、あなた自身の精神安定にもつながるのではないでしょうか。

このコラムでは、水引作家としても活躍するマナー講師の山田真由美が、店舗やオフィス、ビジネスシーンで見かける縁起物の意味や由来を紹介いたします。

幸せや開運を呼び込むために、日本人が昔から物や言葉にさまざまな意味を持たせ大切にしてきたことが分かりますよ。

頑張る方を応援するあなたを応援したい!
ぜひ参考になさってください。

何かの縁ですくわれることもある! 招き猫

私が最初にお勧めしたいのは、招き猫です。
招き猫は、その挙げている手が幸運を招くとされ、店先などによく飾られていますね。

招き猫の起源は諸説ありますが、中でも有名なのが、彦根藩主・井伊直孝にまつわる話です。

鷹狩の帰りに、お寺の門前にいた猫に手招きされて立ち寄ると、突然の雷雨が。
猫のおかげで雷雨を避け、立ち寄ったお寺で和尚さんとの時間も楽しめたことに井伊直孝は、幸運を感じ、感動したそうです。

直孝の支援をきっかけにそのお寺は再興した。それが東京・世田谷の豪徳寺だそうです。
(豪徳寺と招福猫児|大谿山 豪徳寺)
豪徳寺 招き猫の絵馬
豪徳寺の招き猫は小判を持っていません。
これは、招き猫は機会を与えてくれるが、小判までついてくるわけではなく、機会を生かせるかは本人次第ということだそうです。
商家ではなく武家の菩提寺としての考えからなのだそうですよ。

ちなみに彦根市のマスコット「ひこにゃん」も、井伊家繫がり。
(プロフィール|ひこにゃん公式サイト)
その可愛らしさは、身近において置くのにもってこいですね。

またその他にも、浅草寺・浅草神社に由来する「丸〆猫」も有名です。
東京の今戸や橋場とその周辺で焼かれていた今戸焼の招き猫です。

腰をちょっと横にふった姿で座り、顔は正面に向け、手をあげて招いているのがよく見られる形です。
この招き猫の腰に「丸に〆」と浮き上がらせて彫る陽刻があることから、金銭や福徳を丸く勢〆るという縁起担ぎの意味合いもあるそうです。

「丸〆猫」の由来にも諸説ありますが、浅草花川戸に住んでいた老婆の夢枕に、手放した愛猫が現れ、自分の姿を人形にしたら福徳を授かると言ったことで、猫の姿の人形を今戸焼の焼き物にして浅草神社で売ったところ評判になったという説が有名です。

1852年(嘉永5年)、歌川広重の『浄るり町繁華の図』にも、しっかりと招き猫が描かれてます。

現在の招き猫は、右手を挙げているものは「金」を招き、左手をあげているものは「人」を招く、また、手長の猫は遠くの大きな福徳を招き、短いものは身近でささやかな幸福を招くとされています。

その他にも、七福神や、熊手、たぬきにふくろうなど。
福をもたらすと言われるラッキーアイテムは、様々あります。
ぜひ、一つ一つの由来や、『効用』を調べて、あなたの応援する方にプレゼントするとよいですね。

運は努力で引き寄せるもの!? 盛塩

また、持ち歩くことはちょっとできませんが、空間を清めるという意味では、昔から今でも盛塩は愛用されていますね。

盛り塩は、小料理屋や料亭、寄席など、門口に置かれる小さな塩の山で、客の足を止めるための縁起物です。
一般的には『盛り塩』と言いますが、『清め塩』『盛り花』『口塩(くちじお)』それに『塩花』などとも呼ばれています。

神事など「清めの供え塩」としても使われていますね。
地鎮祭では四隅に盛り塩をしている場面など見たことないでしょうか。

盛り塩は中国の故事に由来します。
ある皇帝の側室の一人が、皇帝の寵愛を一身に受けるため、皇帝を乗せた牛車が家の前を通る時刻を見計らって、門前に牛の好物の塩を盛ったのだそうです。

この話が元になり、盛り塩が「客を招く、福を招く」となったようです。
一説には、羊が皇帝の車を引いていたともありますが、昔の動力源は、牛や羊や馬
軒先に塩をおいて置くのは商売繁盛に大変役立ったことと思います。
盛塩
こうした福を呼び込む話にあやかり、盛り塩をしてみるのも気分転換になって良いかもしれませんね。

神様、お客様を迎えるという意味では、散らかったままでは失礼です。
まずは、玄関先を掃き清めます。

そうすれば、お店の中もお客様目線でちょっと『しつらえ』を整えてみようかな、となるかもしれません。
密だ、何だとみなさんが心配される目線をもって、どのようなしつらえだったら安心感を持ってもらえるかな?と考えるのは大切です。
そうした、来る方目線での安心、安全を意識した準備は、やがて信頼にもつながることでしょう。

盛塩をするときは、必ず玄関を掃き清めてから盛りましょう。

ダジャレ?と侮るながれ! 語呂合わせ・ゲン担ぎ

テニスの大坂なおみ選手もゲンを担いでしていることがあるそうで、「多くのアスリートは一つや二つ迷信を信じていると思う。(後略)」と語った記事が最近も出ていました。
(大坂なおみ、万全の験担ぎで連覇へ完勝発進 照れながら「多くのアスリートは一つや二つ迷信信じている」|スポーツ報知)

ゲンは、漢字で書くと「験」と書きます。

ある物事に対して、以前良い結果がでた行為を繰り返し行うことで吉兆を推し量る行為ですので、ゲン担ぎと一言でいっても内容は人それぞれになります。
その人がこれは「ゲン担ぎ」ですと言えばそれはまさしくゲン担ぎといえますね。

言葉によるゲン担ぎもあります。

勝利を祈って「カツ(勝つ)丼を食べる」
合格を祈願して「五角(合格)形の鉛筆を贈る」など
皆さんも一度は聞いたことや実行してみたことがあるでしょう。

私は水引作家としても活動しています。
新年のこの時期は受験生のために合格を祈って「五角(合格)結び」の飾りを制作することもあります。

思いがこもった作品は、思いやりの心を行動であらわすマナーというものにとても近いなと、制作していて思います。
山田真由美の作品 五角結び
縁起物として紹介した「たぬき」「ふくろう」もまさしく語呂合わせによって福を呼び込みたいと願うものです。

たぬきは、他抜き(他を抜く)とされ、ライバルに勝つという意味があります。
ふくろうは、福来朗(福が来る)、不苦労(苦労がない)、福籠(福が籠につまる)、福老(幸せに年を重ねる)、福路(旅の幸福、人生の幸せ)などの招福祈願の意味があります。

さらに、語呂合わせは日本料理の食材や献立にも多く用いられます。

例えば「酢の物→寿の物」
「豆腐→豆富」
てんぷらなどで使う魚の「鱚(きす)→喜寿」
と、こんな感じです。

また、言い方自体を変えてしまうもの、「胡椒→祝い粉」「小松菜→祝い菜」や「すりごま」をあえて「当たりゴマ」と献立に表記することもあります。
結納品も、「昆布→子生婦」「するめ→寿留女」「鰹節→勝男節」「指輪→優美和(結美和)」など、縁起の良い名前が付けられています。

日本には昔から「言霊(ことだま)」と言われる、発する言葉に霊的な力が宿るという考え方があります。

普段の生活の中で、応援する人を思って。
言葉遣いにまで意識するなんて。
ちょっと大変だとは思いますが、一方で、そこまで誰かを思いやるなんて、素敵だなとも思います。

縁起物と呼ばれるものは、ほかにもたくさんあります。
誰かを思う心、幸せになりたいという思いは、昔からある普遍的な人類共通の思いなのでしょうね。

自分のことを差し置いても、大事に思い合える家族を思うのはもちろんのことですが、職場などの働く仲間を思いやるこころもあります。

職場に置く縁起物は「商売繁盛」「目標達成」のためではありますが、その根底にあるのは従業員の健康や生活、会社やお店の安全など仕事に携わる人たちが健康で豊かに暮らせるようにとの願いです。

こうした思いを大切に受け止めて、思いやり溢れる良い職場の環境作りに尽力していきたいものですね。

あなたの思いがピグマリオン効果となって、あなたの大切な方を成功に導きますように!

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日本マナーOJTインストラクター協会
マナーOJTインストラクター 山田真由美

講師 山田真由美 blog

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