Tweet

みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの加藤りん子です。

みなさん、人の美しさとは、どこから来ると思いますか？

生まれ持っての顔や体つき？
お化粧のテクニック？
着るものを、高いブランド物や流行りの色使いでかっこよくしていること？
確かに、そういう点で美しさがアップすることもあるでしょう。

しかしそうした天性で決まる素質や、お金を払えば買えるものでないもので美しさを手に入れることができます。
それは『所作』です。

スマホを持つ手や指先の動き所作が美しいと、知的で仕事のできる美しい人と思われる。なんてことも可能です。

派手にとりつくろわなくとも、美しく見える人は、いったいどこが違うのでしょうか。

このコラムでは、今からでも身につけられて、すぐにでも美しくなれる簡単な秘訣３つを、マナー講師の加藤りん子がお伝えします。
ポイントは、意識すること続けることです。

美しい人はここが違う！これだけおさえておけばすぐにでも美しく見える所作のコツは意識すること

顔の造作であったり、着るものであったり、話し方、話し声であったり、美しく見えるために必要なことは様々あります。
しかしこのコラムで私が、まずお勧めしたいのは、所作を美しくすることです。

所作の中でも手の動きに注目しましょう。

例えば和食のお店で、器を持つ手や箸の扱いの美しい人を見かけると育ちの良さを感じさせられます。
手の動きは、心が表れやすい部位とも言えます。

例えば、レストランなどのテーブルで向かい合って座っているとき。
お相手の方が、テーブルの下に手を置き、もぞもぞしていたらどうでしょう。
（何しているのかな…？）と、きっとあなたも気になることでしょう。

手を隠すという行為は、相手を信用していない、心を開いていないなどの心理の表れであるともいわれ、就職支援サイトや婚活サイトなどでも、あまりお勧めしない行為として多数紹介されています。

私たちが所属するJAMOIでも、接客中やお店に立つときなどに『避けたい姿勢』の一つとして、”相手の視野から見えない領域、ミステリーゾーンに手を置いた状態で接客しないように注意しましょう”とお伝えしています。
これは、不安さ、不自然さが無意識のうちにお客様に伝わり、印象が悪くなるからです。

目は口ほどにものをいうと言いますが、実は手の動きも同じなのです。

美しい所作の代表的なものとして茶道があります。
背筋を伸ばして座り、右手で茶碗を取り、左手にのせ、指先を揃えてゆっくりと回す。
そうした点前の中にあって、指先まで神経を行き届かせていると、自然と美しい形を作り出します。

また、物を両手で持つことは、渡す相手への敬意や、物を大切に扱う気持ちを表します。

伝統文化に根付いた、そうした所作を念頭に、ペンやスマホを使う時に、少しだけ指先を意識してみましょう。

『まずは形から』という言葉がありますね。
普段から心がけていること、意識していることは習慣化します。
ぜひ最初は、「きれいな所作を身につけるために、指先まで美しく」を意識してみてください。

2006年のトリノオリンピックで金メダルを取ったフィギュアスケートの荒川静香さんは、ある日お母さまから指輪を贈られたそうです。
荒川さんのお母様は、指輪を意識することで指先まで綺麗な動きが出来るようにという思いから贈ったそうです。

ちなみに、金メダルとなったトリノオリンピックに荒川さんは、お母様からの指輪をつけて望んでいたそうです。
意識することで、行動が変わり、良い結果をもたらした。とても良い例ですね。

美しい所作はここが違う！魅せるプロが使用するコツは三角形とクロス

手先の動きの美しさといえば、私はマジシャンを思い出します。
マジシャンは指先を巧みに動かし、アッと驚くマジックを見せてくれます。
もしもマジシャンの手先の動きが雑だったり、不器用だったりしたら？
きっと種も仕掛けもバレバレの、とてもつまらないマジックになるでしょうね。

また、マジックをしていないときのマジシャンの手の形もとてもきれいです。
マジシャンには、マジシャンが考える「きれいに見える手の形」があるそうです。

それは三角形の形だそうです。
三角形とは、手のひらを、手首を底辺に指先を二等辺三角形の頂点に揃えるイメージです。

どの指も並行に真っすぐ揃えず、三角形になるように意識して揃えます。
このときのコツは、一番長い中指を中心に、そこに親指を添わせるように形作ります。

この手の形は、私たちマナー講師も基本として習うものです。
講座でホワイトボードを指し示すときなど、4本の指を揃え、親指を優しく内側に入れると、美しくエレガントに、かつ、“きっちり”として見えます。

ちょっとした動きの中でも、この三角形を意識してみてください。

さらに、女性を魅力的に見せる動きとしてクロスの法則というのがあります。
クロスとは、アルファベットのXの字のように、クロスさせることです。

例えば、物を取る際に、物に近い側の手ではなく、わざと体をひねって遠い側の手を伸ばして取ってみたり、左耳のイヤリングを右手で取ってみたり、座る際に足を斜めに流してみたり。

体にひねりを加えることで女性らしい曲線を強調させる方法です。

ただしこの方法はやりすぎると少々不自然で、かえってお下品に見えてしまうこともありますのでご注意を！

継続は力なり！あなたの内面を代弁するのが所作

丁寧な所作は信頼されます。

そこに居るだけで空気が変わる人っていますよね。
その方と私の違いは、どこだろう…？
そんな風に悩んだことはありませんか？
その答えはズバリ、所作です。

丁寧さに欠ける雑な動きは、見た相手に雑な印象を与えてしまいます。
所作が丁寧だと、心も丁寧できちんとした人に見えますので、自然と信頼を勝ち得やすくなります。

咄嗟の場合に出る所作で思いがけない誤解を招くことのないように。
日頃から美しい所作を心掛けるようにしたいものですね。

東京２０２０パラリンピックの開会式で、片翼の飛行機を演じた和合由依さんのパフォーマンスは、国の内外を問わず感動を呼びました。

コロナ禍の未曽有の事態による困難な状況でも、あきらめずに勇気を出して翼を広げれば飛べるというメッセージ。
指先まで心を込めた所作や動きで、そうした思いは伝わるということを証明してくれました。

日常やビジネスの場でも所作は、場合によっては言葉以上に大切な意味を伝えることがあります。

ちょっと想像してみてください。

街中で、「あ、素敵な人だな」と思う人を見かけたら。
すぐにその美しさの基となっている所作を真似してみましょう。

そして、その美しい所作を自分のものにしてしまいましょう。

何よりも大事なのは、美しいということに気付くことです。

意識を変えれば、行動が変わり、行動を変えればあなたの印象が変わります。

美しい所作は一朝一夕では身に付きませんが、何事も達成するにはイメージが大切です。

美しい方の所作を見て、まねる。
その所作を自然でできるようになったご自身を思い浮かべ、ワンランク上のあなたを目指しましょう。
意識して、続けることで、あなたはきっと美しく変わります。

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine（マナーアップマガジン）」
思いやりの心を行動であらわすためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。

このマナーについては、#ソーシャルマナー

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター　加藤りん子
講師　加藤りん子 blog