ロープレコンテスト出場をためらうスタッフの背中を押したい店長さん必見!スタッフのやる気を引き出すコツ
2021/06/18
みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの清水真弓です。
感染症拡大防止が徹底され健康面での安心が増す一方、販売や営業の現場では、モチベーションの上がりにくい状況が続いていますね。
私が研修講師として支援している小売店の店長さんから、
「スタッフのモチベーションが上がらず困っている」というお声を聞くことも増えてきました。
客数も売り上げも思うように伸びないと、スタッフのモチベーションをあげることはなかなか難しいですよね。
そんな時にこそ利用してもらいたいのが『接客ロールプレイングコンテスト』略してロープレコンテストです。
商品知識の伝え方や、お出迎えからお見送りまでの対応スキルなど、決められた時間の中で日頃の販売スキルを競い合うロープレコンテストでは、販売員としての資質が向上するだけでなく、コンテストを通しての出会いや気づきがあり、かけがえのない豊かな経験もできます。
日本最大級のロープレコンテストに6回挑戦し、全ての大会で全国大会か全国大会手前まで出場した経験のある、接客大好き元販売員のマナー講師清水真弓が、ロープレコンテストに出場するメリットをお伝えします。
ロープレコンテストへの参加を検討している店長様、「人前でそんな…」と尻込みされるスタッフの方に前向きなイメージを伝えて、挑戦させたい上司の方に、ぜひお読みいただきたいコラムです。
客観視で課題を洗い出せる まずはその意義を伝えましょう
ロールプレイング、通称ロープレとは、お客様役とスタッフ役に分かれ、接客の様子を模擬的に行うトレーニングの方法で、接客業ではよく取り入れられている手法です。
ロープレのメリットは、インプットした知識をアウトプット、実際に体を動かして実践することで、より身につきやすい点です。
例えば新商品が入ってきた際、どんな商品かスタッフ間で情報を共有することがありますよね。
商品の情報を頭に入れていても、伝え慣れていないと、いざお客様と相対したときに、その情報を上手く伝えられないことがあります。
普段からスタッフ同士で練習をしておくことで、お客様にもスマートな接客をしやすくなります。
私のおすすめのトレーニング方法は、ロープレを録画することです。
客観的に接客の様子を見ることで、自分の気づかなかった癖などを発見し改善できます。
また、記録することで、成長を可視化しやすくなります。
頭で分かっていることも、いざそのときになったらすんなり出てこない。なんてことありませんか?
つまり、ロープレは、接客力を上げてくれる上に、接客練習がを行えることが大きなメリットです。
ロープレに対する苦手意識があるスタッフさんには、
「ひとりでイメージトレーニングするよりも、仲間や先輩と実践的に演じてみると、より分かりやすいし、身につくよ!」と、伝えてみてください。
勝ちよりも対策に意義がある まずは本当の目的を伝えましょう
ロープレコンテストでは、競技時間内に模擬接客を行い、各大会の審査基準に基づきながら接客の優劣を競います。
優劣と言っても主に目指すのは、『いかに顧客満足をあげられたか』『この人に接客してもらって良かった、嬉しかったと思わせられるか』などです。
速さや、売上金額を競うものではありません。
社内でロープレコンテストを開催している場合や、商業施設、ショッピングセンターごとに開催する場合などがあります。
開催する団体にもよりますが、例年は6月頃から「接客ロープレコンテスト」が開催されることも多く、大規模な大会ですと約半年間にわたり、予選会 → 施設ごとの決勝大会 → 地区大会 → 全国大会という流れで行われています。
大規模なロープレコンテストになると、地区大会を複数回開催することもあり、大変大勢の方が参加します。
ここで注目してほしいのは、コンテストに勝ち残ることよりも、コンテスト対策を意識することで、結果的に店舗での接客力も上がるという点です。
ロープレコンテストはあくまでも接客力を上げるための一つの手段であり、通過点です。
日頃のロープレを重ね、試行錯誤を繰り返すことで、その先に、店舗での接客力が上がり、引いては、お客様に満足いただき、スタッフ自身も仕事に誇りや楽しさを感じられる。みんなの笑顔を増やすことにつながります。
ロープレコンテストへの出場を恐れるスタッフさんには、その点を忘れずに、伝えてみてください。
参加者だけが見られる景色 まずは得られる”インセンティブ”を伝えましょう
店舗で働いていると、接客して当たり前、売って当たり前、と思われてしまい、他者から評価される機会って少ないな、と感じる時はないですか?
支援先のスタッフさんからそのような話を聞くことがありますし、私自身も販売員時代にそう感じた時がありました。
今思えば、忙しさの中で、成長や喜びを実感できることがなくて、ちょっと寂しい思考パターンに陥っていたのかもしれませんね。
そんな成長が見えづらい、可視化できない環境を打破するのにも、ロープレコンテストはもってこいです。
コンテストで勝ち上がると功績が見える化できます。
働いている方たちの成長、成果が見える化できると、評価もしやすくなりますね。
企業によってはインセンティブとして、報酬がでるケースもありますし、周囲のスタッフや、入居している商業施設のスタッフのみならず、本社からの評価も上がります。
成果の見える化は、スタッフさんのモチベーションアップに繋がります。
何年にも渡ってコンテストに挑戦し、大会を勝ち進んでいくと、多くの出会いもあります。
例えば、大型のショッピングセンターに入居していても、挨拶するのは隣近所の店舗だけ。なんて方も、その施設が開催しているロープレコンテストに出ることで、ショッピングセンターのスタッフや入居している他の店舗のスタッフと、顔見知りになり、仲良くなれることがあります。
こうした仲間の存在が、ロープレコンテストへの挑戦を通して得られた最大の宝だと、私自身は思っています。
コンテスト突破という共通の目的を持った仲間ができる。
切磋琢磨しあって同じ目的を果たす。
まるで、第二の青春のようなかけがえのない時間を私は過ごさせていただけました。
店舗、立地、企業の枠を超えた貴重な横の繋がりを得ることも、ロープレコンテストは素晴らしい機会となり得ます。
「視野を広げ、世界を広げるためにも、いろんな人に出会ってこい!」と、尻込みするスタッフさんの背中を押してあげてください。
ロープレコンテストに参加すると接客指導のプロである、専門審査員から個別に評価シートなどのアドバイスをもらえることがあります。
普段働いている中で、そうしたプロからのアドバイスを個別にもらう機会が無い方も多いと思います。
私はロープレコンテストに参加したことで、自分では気づいてなかった良い点や、伸び代がある点などをアドバイスしていただけたので、コンテスト翌日からの新しい目標ももてて、日々の仕事に意欲的に取り組めました。
ロープレコンテストの出場を打診しても、戸惑うスタッフさんの方が多いこともあるでしょう。
人前で接客の様子を披露すること、演じることに、恥ずかしさや苦手意識を持っている方は、少なくないからです。
実際、舞台に立つ時には勇気が要ります。
そうした気持ちにもしっかり寄り添いながらも、ロールプレイングコンテストの意義を伝えましょう。
ロープレコンテストへの挑戦は、接客力をアップするだけでなく、成長の見える化、適切な評価をする、される機会にもなります。スタッフさんにとっても、上司であるあなたにとってもモチベーションアップにつながるでしょう。
そのことを忘れないで、明確に言葉にして伝えましょう。
例えロープレコンテストで入賞できなかったとしても。
挑戦したことで何かしら得られるものがあります。
ロープレコンテスト参加のチャンスがあれば、ぜひ挑戦することを私はお勧めします。
ロープレコンテストとその対策で、モチベーションアップ!接客力アップ!で、これからの未来に備えましょう。
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シニアマナーOJTインストラクター 清水真弓
講師 清水真弓 blog