接客ロープレコンテストで大会に勝ち残るための3つのポイント
2021/07/16
みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの清水真弓です。
あなたは「接客ロールプレイングコンテスト」という言葉を聞いたことがありますか?大型商業施設などでは丁度今くらいの時期に、あるコンテストが催されていることがあります。
それが接客ロールプレイングのコンテストです。
商業施設で働くスタッフの販売力や接客力を競う、スタッフに向けた大会です。
(詳しくは先月の記事をご覧ください)
感染症拡大防止の観点から、動画での商品説明を競うなどコンテストのあり方も様変わりしている大会もあります。
ですが、このコラムでは、対面式のコンテストにフォーカスしてお伝えします。
コンテストごとの評価傾向や重視ポイントは施設の担当者にしっかり確認し、初めて挑戦されるスタッフさんでも良い結果を出しやすくなるように参考にしていただけましたら幸いです。
スタッフの第一印象が重要 審査員の心理を知り、第一印象を誤解されない秘訣とは?
初対面にもかかわらず「なんかこの人良い人そう♪」と思ったり、「この人なんだか感じが悪いな」そんなふうに感じてしまったりすることはないですか?
人は、出会ったばかりの2〜3分という短い時間で、相手の第一印象を決めていると言われています。これは、審査員などがあなたを見ている時にも同じことが言えます。
アメリカの心理学者メラビアンは、人が相手の第一印象を判断する要素について『メラビアンの法則』で、次のようにまとめています。
第一印象を形作る情報のうち55%が、見た目や表情、仕草などの視覚からの情報。
声のトーンや話すスピードなどの聴覚からの情報は38%。
話の内容はたったの7%に過ぎないそうです。
要するに第一印象は、9割以上が非言語的な情報で決まるのです。
さらに、最初に悪い印象を与えてしまうと、その印象を良い印象に上書きすることは難しいとも言われています。
だからこそ、第一印象はとても大切になります。
ロープレコンテストで、出だしから良い印象を持ってもらうためには、「自分自身を演出すること」が大事になってきます。
例えば、コンテストに出ているのに、服に汚れがついている、姿勢が悪い、表情が暗い、声が小さい、などは印象が下がりがちです。
大変勿体無いポイントですが、逆に、ちょっと意識すればすぐ改善できます。
あなた自身が自分でダメだなぁ、出来てないと思う点や、以前職場の仲間や上司、先輩に指摘された点は、第一印象を良くするためにという視点をもって改善してみましょう。
そして第一印象に限りませんが、ロープレコンテストでは、日頃の接客や癖が出てしまうものです。
日頃から改善しようと意識することで、本番に、『印象のよくないあなたの癖』が出てこないようにしましょう。
プロの講師として『ここだけはおさえましょう!』とお伝えしている秘訣をお教えします。
最初の名乗りと挨拶は、笑顔でハキハキと、少し明るめの声のトーンで行いましょう。
気持ちゆっくり目で話すのもおすすめです。
最初にハキハキとお腹から声を出すと、その後の接客でも声が出やすくなります。
緊張すると早口になりがちな方も多いので、敢えてゆっくり目に挨拶することで、話すスピードをご自身でもコントロールしやすくなります。
今はマスクをしているので、しっかり目尻を下げた笑顔も忘れないでくださいね。
第一印象を良くして、明るい接客のスタートを切りましょう!
カテゴリーを意識した商品選びが重要 スムーズに接客しやすくなる商品選びの秘訣とは?
ご自身がお客として店を訪れたとき、スタッフさんから、たくさんの商品を勧められるとどれが良いのかわからなくなり、迷ってしまう…なんてことはありませんか?
5分から7分くらいの間に、お出迎えからお見送りまでを見られるロープレコンテストでは、短い時間に、あまりに多くの商品を紹介しすぎると、決定(商品の購入)に至ることが難しくなります。
そのため、お客様役が迷いすぎないような商品構成で臨むことをお勧めしています。
ロープレコンテストでは、3から10点ほどの商品を会場に持ち込みます。
その内訳には、
メインで勧めたい商品、比較検討素材になる商品、それに、メインに追加することで、より魅力をアップさせられる商品。
そうした点を意識して、持ち込む商品を構成しましょう。
こうした視点で集めた商品なら、売りやすくもなります。勧められたお客様役のニーズもある程度絞りやすくなるので、接客の筋道を立てやすくなります。
例えばアパレルのロープレコンテストで商品数5点を持ち込める場合、
メインで勧めたいトップス1点に対し、比較用に色違いのトップスと形の違うトップスの2点。
それに、メインで勧めたいトップスの魅力を伝えられるボトムスとスカートをそれぞれ1点の合計5点を持ち込みましょう。
この構成でしたら、お客様には、まずメインのトップスを紹介し、形、もしくは色で比較してもらいます。
その後ボトムスと合わせたイメージを提案することで、着回しも出来ること、様々なテイストを楽しめることを伝えます。メインのトップスを購入することで広がる世界観を伝え、納得してもらえます。
そこを踏まえて、お客様からの質問に対する回答や、お客様のニーズに合わせた一押しをすれば、購入!というストーリーを踏襲しましょう。
私はロープレコンテストで、お客様役をすることもありますが、『全然違うテイストやバラバラな用途の商品を5点』などで用意されていると、迷いが生じ、「欲しい。買いたい」というイメージが湧いてきません。
ロープレコンテストにおいてお客様役は、すぐに1点に決めることはせず、少し悩む素ぶりを見せることもあります。
その際、スタッフ役のあなたは、比較できる商品を提案した上で、その商品がお客様のニーズにどう合っているのかなど、『お客様ならではの理由』を添えて明確にお勧めすると、より購入意欲が促進されます。
一点だけを勧めざるをえない商品構成だったり、あれもこれも脈絡なく、矢継ぎ早に紹介する提案だったりするのではなく。
商品やカテゴリーはある程度絞り、その商品を説明するために、比較するという視点で、他の商品を選んでみましょう。
グッと接客しやすくなりますよ。
接客プロセスを意識した時間配分が重要 あっという間に過ぎる競技時間を有効に使い切る秘訣とは?
競技では時間配分が重要です。
時間を意識しながら効果的に接客を進めていかないと、5〜7分くらいあっという間に過ぎてしまいます。
ロープレコンテストの中でお客さん役から引き出した、顕在化できた『ニーズ』
この情報を活かした、商品購入を促す一言を言えなければ、クロージングの部分で加点に至りません。
そこで重要になってくるのが時間配分と予鈴の存在です。
コンテストの中で実演するシチュエーションは、出てくる順に
アプローチ→ヒアリング→商品提案→クロージング→お見送り とあります。
それぞれのパートにどれくらいの時間がかかるかを一度測定し、競技時間内に納めるにはどんな時間配分が良いのか意識しておくことをお勧めします。
私は販売員時代、コンテスト向けのロープレを1500回ほどしました。
数をこなすことで、時計を見なくとも
(今何分くらいかな、ちょっと急いだ方がいいかな?)など、感覚でわかるようになりました。
「大会はすぐ目の前なのにそんなに練習はできないよ!」という方もご安心ください。
ロープレコンテストの多くでは、予鈴を鳴らしてくれます。
予鈴は、終了2分前あたりに鳴ります。
この予鈴が聞こえたら、クロージングをするなどの目安にすることも可能です。
ですが一番は、ご自身のロールプレイングの様子を録音し、繰り返し聴くこと、そして、何度も何度も練習を行うことで、時間感覚を身につけることがお勧めです。
せっかく挑戦するロープレコンテスト。
ぜひご自身のもてる力を出し切って、これからの成長に繋げたいですね。
さらにコンテストで入賞すると評価アップが期待でき、モチベーションアップにもつながります。
コンテストで頑張ることは、自己肯定感が高まり、勝ち進むことで達成感も味わえます。
何より私が力を入れてお伝えしたいのは、素敵なロープレ仲間に出会えるかもしれないということです!
ロープレに、日々真剣に取り組むことで、お店での接客力も上がりますよ。
あなたがコンテストで全力を出しきって、良い結果となりますように応援していますね。
健闘を祈ります!
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シニアマナーOJTインストラクター 清水真弓
講師 清水真弓 blog