『中秋の名月』何をお供えすればいい?どう楽しむ?おうち時間の今こそ家族で楽しもう!お月見の極意
2021/09/17
みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの加藤りん子です。
夜風がひんやりと心地よくなりましたね。
今年は春の花見や、夏まつり・花火などの行事が次々と中止になってしまい、帰省や家族団らんも思うように出来なかったとことと思います。
そんな今こそ、密を避けて屋外で楽しめるイベントで、離れた家族とも一緒に楽しみませんか?
そこで私がお勧めするのはお月見です。
離れた場所にいても同じ月を見られるなんて、ロマンチックじゃないですか?
この秋のおうち時間は、お月見で家族の絆を深めましょう。
まずはお月見について知りましょう!なぜ秋に見るの?
明るく美しい月を眺めて楽しむお月見。
このお月見の風習は、中国の『中秋節』がルーツといわれていて、日本には平安時代の頃に伝わり、月を眺めて楽しむ行事は、平安貴族から庶民に広まりました。
秋は空が澄み渡り、見上げる月の高さもちょうど鑑賞に適した角度になります。
この時期を中秋と呼ぶのにも理由があります。
旧暦では、7月、8月、9月を秋としていて、中でも8月15日の月が一番きれいだったことから、秋の真ん中の美しい月ということで、中秋の名月と呼ばれるようになりました。
中国の中秋節は、月の丸い形にちなんで家族円満と作物の豊作を願ったのが始まりといわれています。
月は、世界各地でも、農作の守護神として崇められています。
日本でも、秋の月に農作物の実りを感謝する行事が行われます。
収穫の秋を迎え、農作業もひと段落。
ホッとして見上げた空に大きなお月さま。
感謝する気持ちが湧き、みんなでそれを喜ぶ。
お月見の由来を知って、家族でその思いを共有できると素敵ですね。
暑さも和らいだ今、お月見する余裕があることに感謝しながらみんなで楽しめると良いですね。
飾り付けを楽しみましょう!何をお供えするの?地域に違いはあるの?
せっかくのお月見ですので、雰囲気をぐっと盛り上げる飾りつけにも挑戦してみましょう。
私の地域ではお月見と言えば、ススキを飾るものでしたので、全国津々浦々そうだと思っていました。
しかし、転勤で関西に住んでいた時のことです。
ある友人と朝の散歩に出かけた際に、濃いピンクの花が咲き乱れているのに出くわしました。
それを見た友人が「十五夜さんやなぁ。萩の花飾らな!」とつぶやいたのを聞いた私は、えっなんで?となりました。
お月見の飾りや、お供えは地域によって違います。
私がこれまでしてきたお月見では、ススキを飾り、お月さまのように白くて、丸いお団子を飾ります。
お供えでは、収穫したイモ類はじめ旬の野菜やくだものなど、収穫祭に相応しい、採れたての作物を供えます。
旧暦の8月15日は稲穂が実るにはまだ少し早い時期なので、ススキを稲穂に見立て、五穀豊穣の祈りと感謝を捧げていたそうです。
このススキ(尾花)が手に入らないときには、その他の秋の七草で代用することもあるそうです。
萩、桔梗、撫子、葛、藤袴、女郎花。
ススキとは違う雰囲気が楽しめますね。
地域によっては、葡萄の蔓が人と月との結びつきを強くする縁起の良い食べ物とされていて、お月さまにお供えすることもあるそうです。
そして忘れてはならないのが、お月見団子ですよね!
お団子は数にこだわりましょう。
十五夜に合わせ15個というのが一番多いようです。
その他には、その年の満月の数にあわせて12個だったり、15を略して5個にしたりする地方もあるそうです。
また、月をイメージした白く丸いお団子が、お月見には欠かせないものと思っていましたが。
楕円であったり、餡子やきな粉をまぶしたり、中には串にさしてあったりなど、地域によっても色々特徴があります。
団子は月に向かって山のように高く積みましょう。
そして、お供えした後は。
みんなでいただいて、健康と平穏を願いましょう。
せっかくお月見をするのなら、昔にならい、手間暇かけるのも良いですね。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭なら、昔ながらの行事を、あえて昔ながらの方法で行ってみましょう。
その際、昔の生活と現代の生活との違いについてもお子さんとお話したり、ビデオ通話でつないだ年長の親戚の方などに説明いただいたりできると良いですね。
知れば知るほど面白い!海外では?身近では??
中国から伝わったお月見ですが、アジアの農業が盛んな各国でも同じようなお月見の風習があります。
中国のお月見は、家族でわいわい過ごすそうですが、伝統菓子の月餅をお供えする風習があるそうです。
台湾では、バーベキューをするのが最近のトレンドだそうです。
ベトナムでは灯篭流しが行われ、韓国ではこの時期は、日本でいうお盆に当たるため、帰省をする人が多いそうです。
またアメリカでは、毎月の満月にそれぞれ名前が付いていて、9月の満月をハーベストムーンHarvest Moon(収穫月)と呼んでいます。
収穫期であるこの時期、忙しく働いて、夜になっても、満月の月明かりが収穫を助けてくれたことから、そう呼ぶようになったそうです。
各国にも形は違えど、様々なお月見が存在しますね。
ただし、月を眺めて静かに楽しむという習慣は、日本だけのようです。
八百万の神々に感謝する日本ならではの行事のあり方かもしれませんね。
今回、お月見についてあれこれ調べているうちに、月の神『月読命(ツクヨミ)』を祀ったその名も『月読神社(ツキヨミジンジャ)』なる神社が、近くに行ける場所にあることを知り、早速行ってきました!
月読命は、農業や漁業に重要な季節の移り変わりを、月の満ち欠けで教えてくれる神として崇められてきたそうです。
各地の月読神社では、十五夜に観月の催しが行われるところもあるそうです。
世の中が落ちついたら、出かけてみたいと思いました。
「しらつゆを たまになしたる ながつきの ありあけのつくよ みれどあかぬかも」
白露を美しい真珠のように輝かせている 九月の ありあけの月は いくらみても飽かないことです
(万葉集:作者未詳)
空気が澄み、信号も明かりもない時代は、月も星も今より遥かに輝いて見えたことでしょう。
たまにはゆっくりと夜空を見上げ、虫の声を聴きながら澄んだ空の月を眺めませんか。
日頃のストレスから解放されスッキリできることでしょう。
ススキとお団子と虫の音で、秋の夜長のおうち時間を楽しんでください。
参考サイト
満月はいつもあるのに、中秋の名月だけがなぜ有名なのですか?|月探査情報ステーション
中秋の名月(2021年9月)|国立天文台
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シニアマナーOJTインストラクター 加藤りん子
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