Menu ×

Manner Up Magazine > 暮らしのマナー > 葬儀参列の服装・持ち物のマナーは? 事前にお葬式セットを準備するときの選び方
喪服で佇む男女の写真

葬儀参列の服装・持ち物のマナーは? 事前にお葬式セットを準備するときの選び方

2019/09/06


みなさん、こんにちは。
マナーOJTインストラクターの赤名 麻由子です。

以前このManner UP Magazineでもご紹介したように、悲しいお知らせは突然耳に入るもの。

突然の悲しいお知らせにも慌てないで。訃報を受けたときのマナー

では突然ですが、このような電話がかかってきたら、皆様はまず何から準備をされますか?

「急だけど〇〇の叔父様がお亡くなりになったの。明日明後日で通夜、葬儀告別式があるから参加してもらえないかしら?」

さて、どうしましょう?「喪服あったかしら? 入るかな」「香典袋は?」「子どもはどうする?」。その時になって慌てるのではなく「自分の準備はできているから、まずは子どもの服を準備しよう」と落ち着いて対応ができるといいですね。

本日は、いつ参列するか分からないお葬式に備えて用意しておきたい、お葬式セットの内容をお伝えしたいと思います。

まずはすぐに参列できる服装一式を用意しましょう

お葬式に参列する服装といえば“喪服”ですね。喪服にも正式、略式とあります。
皆様が参列者として着用するときは、略式の喪服を着用します。略式の喪服というのはブラックスーツやブラックフォーマルと呼ばれるものです。

既にお持ちでしたら良いのですが、初めて用意する、買い直しをされるのでしたらテーラードジャケットの喪服がお勧めです。今はポリエステル100%が多く、季節に関係なく着ることができます。
上下で分かれていれば、通夜は黒いジャケットを羽織り、ストッキングを黒にするだけでも“不幸を伺いとりあえず駆けつけた”気持ちを表せます。

また、黒のジャケットは、学校行事への参加や社内行事のお手伝いのときにも活躍します。私も以前、会社の創立記念式典の司会をした際には、黒のジャケットを着用しました。

葬儀に参列するときには上下セットで着用し、なかに黒のブラウスなどを合わせればその場にふさわしい服装になります。
スカートは正座をすることを考えて、ご自分の膝下に丈がくるものを選びましょう。一緒に黒のストッキングを用意しておくと安心です。

黒のパンプス

喪服に合わせる靴は黒のシンプルなパンプスを。飾りのついていない黒のパンプスは意識して用意しないと必要なときに無くて困るものです。
お葬式では皆様が頭を下げる場面が多く、靴は目につきやすいのです。ぜひ一足用意しておきましょう。

必要な小物類もできるときに揃えておくと安心です

喪服同様、参列には小物も必要になります。お葬式で持つものは、普段使いするものではありませんので、機会を見つけて揃えておくと安心です。

【香典袋と薄墨のペン】

信仰や宗教によって袋は違いますが“ご霊前”と書かれたものでしたら共通で使用できます。また、「ボールペンで書いていいのかしら」と気になるなら、“涙で滲んだ”様子を表す薄墨のペンを事前に用意しておきましょう。

【数珠】

持たれない方もお見かけしますが、数珠は所持しているだけで功徳が積めるとされています。大人の女性として揃えても良い仏具ではないでしょうか。正式な数珠を持とうとすると球が108つだそうですが、今は簡易な持ちやすい数珠が揃っています。
持ち方は左手で持ち、房が真下に来るように持ちましょう。合掌するときは合わせた両手にかけると綺麗ですよ。

お数珠をもって合掌

【ハンカチ】

白、もしくは黒のシンプルなハンカチを用意しておきましょう。黒いハンカチは袱紗を忘れたときにも役立ちます。アイロンをかけてジップロックなどに入れ、空気を抜いて保管するとしわもできにくくなりお勧めです。

それぞれ別のところに保管していると、探す手間、準備する手間がかかります。用意の段階から鞄に入れておく、一つの箱にまとめて入れておくなど、収納にも工夫すると時間短縮になります。

さらに気遣いをプラスするなら、身だしなみもチェック

着るもの、持ち物が揃ったら参列の準備は完了です。しかし、そのまま向かうのではなく、全身の姿をもう一度チェックしてみましょう。
頭からつま先、指先まで、故人への哀悼の意が表れているでしょうか。ご遺族の方に寄り添う気持ちが表せているでしょうか。

【頭(髪)】

お葬式ではお辞儀をしたり、お焼香したりと頭を下げる動作が多くなります。そのときに髪を手で直し、整える姿は美しくありません。すっきりとまとめましょう。ゴムは黒、バレッタなども飾りが無い黒を選びましょう。
明るい髪色の方は、その時だけ黒くできるスプレーを使う方法がありますよ。

【メイク】

薄化粧で参列しましょう。ベージュの口紅が1本あるといいですね。ノーメイクで参加することとは違いますので、お気をつけください。

【アクセサリー】

身につけて良いものは、首には涙を表すとされる一連のパールのネックレス、指には結婚指輪のみです。首元が寂しいからといってシルバーやゴールドのネックレスで首元を光らせないようにしましょう。

【ネイル】

記帳するとき、香典袋をお渡しするとき、お焼香のときなど、手は意外に見られている場所です。予期していなかったこととはいえ、派手な色のネイルをしていたら拭き取りましょう。シートになったリムーバーの用意があると便利です。

喪服で佇む男女の写真

以前、私が尊敬する先輩と葬儀に参列したことがありました。その日は雨でした。
普段、ブランド品の華やかな明るい傘をお持ちの先輩が、そのときは黒の傘をさして参列したのです。「こんなところにまで配慮を欠かさないんだ」と、その方の細やかな心遣いにお葬式に参列しながらも感銘したのでした。

お葬式では“おしゃれ”や“かっこよさ”を求めるのではなく、ご遺族の方に故人とのお別れに集中してもらえるよう配慮する気持ちが大切です。
「なんだか明るい髪の人が……」「手にラインストーンが……」といった思いをさせて、ご遺族の大切なお別れの時間を遮りたくないですよね。

その他にも、次のようなマナーを知っておくと、安心です。

お香典・通夜ぶるまいなど、迷いがちなお通夜・葬儀でのマナー

多くを語らないのがマナー ~お悔やみの言葉の基礎知識~

お葬式は、できれば避けたいことであるため、事前に準備をすることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いざという時はいつくるかわかりません。
さらに連絡が来て準備しようと思ったら自分より子どもに時間がかかった、ということも考えられます。
機会を見つけて準備をしておけば慌てませんし、決して無駄になりません。
心からの哀悼の意を示せるよう準備をしたいものですね。

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表すためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。

このマナーについては、#ソーシャルマナー

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 赤名 麻由子

講師赤名 blog

あなたにおすすめの記事