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どこまで渡す?何が喜ばれる?職場へのお土産でおさえておきたいマナー

2020/08/07


みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの安徳 美妙です。

例年ならお休みを利用して旅行や帰省を楽しむ人が多いこの季節。残念ながら今年は、予定を見送られた方も多いと思います。どこにも行けないからこそ、積極的に楽しいことを見つけるのも、日々の暮らしを楽しむ知恵ですね。

この夏は、旅気分を楽しんで、職場やご近所のお友達にお裾分するのに、お取り寄せアイテムを活用してみてはいかがでしょうか。
気兼ねなく出かけられる日を楽しみに、お取り寄せのお菓子をお土産に、職場でのコミュニケーションに役立てましょう。
渡す側も、もらう側もここちよい「職場でのお土産のマナー」を確認していきましょう。

どこまで渡すのが正解?まずは習慣やルールを確認

夏休み明けの出勤時に旅先や帰省先のお土産を職場の人に配る、というのはオフィスでよく見られる光景ですね。

「○○に行かれたんですね!どうでした?」「あの土地の銘菓ですよね!美味しいですね!」お土産は、ちょっとしたコミュニケーションのきっかけになりますね。
交代で夏季休暇を取得する職場なら、自分の休暇中に仕事をフォローしていただいた方には、お土産でお礼の気持ちを伝えることもできます。
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しかし、最近ではお土産を禁止している会社もあるのだとか。
というのも「みんなが買ってくるから、自分もそうせざるを得ない」という同調圧、プレッシャーに感じる方もいるそうです。また、「人数が多い部署では、出費が多くてとても負担!」といった声もあるそう。
自分では楽しい、素敵と思うことでも、受け止め方は人それぞれだということに、意識を向ける必要もありますね。

そんなときは、まず職場のルールや習慣を確認しましょう。

渡すのは同じ部署まで、同じフロアでも別の部署にまでは持っていかない!等、それぞれの職場には、それぞれの習慣があると思われます。
そうした『企業文化』については、先輩社員に確認されることをおすすめします。

私自身は普段から特にお世話になっている方や、これからコミュニケーションを深めたいと思っている方などに、個別にお渡しすることもあります。相手に気を遣わせすぎないプチギフトとしても、お土産は便利ですよね。

喜ばれるお土産は?その土地限定にこだわり過ぎなくてOK

せっかくお渡しするなら、相手の喜ぶものを選びたいですよね。
その土地でしか買えないものが一番!とは思うのですが、最近はネットでお取り寄せできるものも多く、海外土産でさえ、日本で簡単に手に入るものも増えています。

そうかといって『その土地限定!』に気をとられすぎた結果選んだものが、中身はともかく包み紙に土地の名前が入っているだけのお菓子なんてことも…。これでは、受け取る方を微妙な気持ちにさせてしまうかもしれませんね。

そんなときは、
「こちらでも手に入るかもしれませんが、以前食べたときにとても美味しかったので、よかったらどうぞ」と、ひと言そえると、あなたの気持ちがしっかり伝わります。

私も、職場に持っていく帰省土産は、毎年違うものを選ぶように気をつけていた時期がありました。まだ買っていないもの、知られてなさそうだけど美味しいと地元では評判のものなど、毎年あれこれ悩むのは、やがてちょっとした負担になっていることに私自身が気づきました。

ところが、定番中の定番の銘菓が一番喜ばれていたということが発覚!しました。
私の地元は福岡なのですが、あんなにあれこれ悩んでいた私のお土産で一番好評だったのは、『博多通りもん』だったのです。そのことに気づいてからは、毎年堂々と『博多通りもん』を職場に持って行くようになりました。
年齢層や、好みの幅が広いグループにお渡しする場合には、誰も知らない珍しいものより、定番のお菓子の方が、喜ばれることが多いかもしれません。

そして味の好みに加えて、職場で食べるのであれば、日持ちのするもの、切り分けなどが不要なもの、個別包装のものなど取り扱いが便利で、配る役割の方の負担をおさえられるものを選ぶことが大切です。その他にも、香りが強くないもの、一口で食べられてポロポロこぼれないものなども気をつけたいポイントです。

食べる方たちの職場環境などを思い浮かべながら、喜んでもらえそうなものをチョイスしましょう。

お土産を買いそびれた!足りなくなってしまった!そんな時はどうしてましたか?

これまで旅行に行ったあとで、お土産を渡す方が、想定以上にふくらんで、『数が足りない!』なんてこと、ありませんでしたか?
それとも、数はしっかりかぞえて購入してきたけど、思いがけない方からもらってしまい、おっと!となってしまった。なんてことありませんか?

お恥ずかしながら、私は何度かこうしたシチュエーションに遭遇し、焦ってしまった経験があります。そんなときは、クッション言葉を活用し、代わりに用意したものをお渡ししましょう。
クッション言葉とは、一般的に、相手に依頼するときや、否定的な意味を伝えるときに、クッション、衝撃を和らげる緩衝材として冒頭に使う言葉です。

この場合なら、『あなたへのお土産はありません』が事実です。
ですが、それをそのままストレートに言うと、事実とはいえ、ちょっと衝撃的ですね。そこでクッションとなる言葉や、一文を加えましょう。

「今回の旅は荷物が多い上に子連れだったのでお土産を買うことが難しくてごめんなさい、お土産を買いそびれて」や、「現地でゆっくりと時間を取れなくてお土産を満足に買えなくて、ごめんね」と事実を伝えて謝罪の意思を表しましょう。
その上で、「あなたに喜んでもらえると思って」や、「お好きそうだなと思ったので」と、お取り寄せした品をお渡ししましょう。
お土産ではない品だとしても、あなたの気持ちとして、お渡しするとよいでしょう。

海外旅行でお土産を買いそびれて、帰国後に購入した輸入食材の裏に貼ってある日本語表記ラベルをはがそうと試みた、というエピソードを聞いたことがあります。
気持ちは分かりますが、黙って、それと思わせて渡すのは、ちょっといただけませんね。

それよりも素直に事情を伝え、代わりに喜んでいただけそうなお品をお渡しすることで、相手の方には十分あなたの気持ちが伝わるはずです。

会話のきっかけや、日頃の感謝の気持ちを伝えるのにお土産は大変役に立つツールです。
お土産を渡す習慣は素敵なものだと私は思います。

ですが、旅行中にお土産のことばかり考えてストレスになってしまうのは残念なことですし、今年のように、旅そのものに出ることが叶わず、こうした思いやりの気持ちをやり取りするチャンスが減ることも、大変残念なことだと思います。
このコラムの「職場でのお土産のマナー」を参考に、誰にどんなものを渡したいか、何が美味しかったからその喜びを誰と分かち合いたいかなどを考えてみるのもいいかもしれません。

そして、次の旅行、帰省の際には、実際に現地で買ったものを一緒に楽しみ、今年の経験を振り返って、笑い合えたらいいですね。

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このマナーについては、#マナーOJTインストラクター#ソーシャルマナー

日本マナーOJTインストラクター協会
マナーOJTインストラクター 安徳 美妙

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