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買い物楽しむマスク姿の子供と家族と

ウイズコロナ 心の距離は離さない!ファンを作る接客について

2020/11/20


皆さんみなさん、こんにちは。
トップマナーOJTインストラクターの石井由美子です。
新型コロナウイルス感染症対策として、マスク着用・アルコールの手指消毒、三密を避ける、頻繁な換気など、これまでなかったニューノーマルの生活様式もすっかり定着してきましたね。
感染症拡大予防のために、距離を取ることが有効なのは分かる一方で、これまで接客業に従事されてきた方にとっては距離的に寄り添えない接客が分からない、と言った悩みにも似た声も聞かれます。

どこまで、どのようにお客様に寄り添えば良いのか、また逆に、密接に近づいて来られるお客様とは、どのように距離を開けることで失礼にあたらないのか。昨今ならではの悩みも生まれています。

ソーシャルディスタンスを保つことで、心のディスタンスも生まれてしまわないよう、安心・安全を保ちながら、お客様があなたやあなたの店舗のファンとなって応援したくなるような『お客様の心をつかむ接客の工夫』について考えましょう。

“今”買い物に来るお客様心理の理解に努める

新型コロナウイルス感染に不安を感じながらも、わざわざ来店して購入するお客様の目的とはなにか、期待とはなにかを考えてみましょう。企業サイトやネットでも買えるものでも、わざわざ店舗を訪れる理由はなんでしょう。

ネットが苦手だから?支払いがめんどくさいから?そうした理由だけではないでしょう。
お客様には、店舗に行って見たいという心理があります。

顧客満足、お客様が商品の購入や、購入過程を通して得られる満足は、『承認』、『目的達成』、『期待以上』の3つのステップで満たされます。
『承認』とは、訪れた店舗で、スタッフからお客様として大切に扱われるということで充足されます。具体的にはスタッフの笑顔や挨拶、丁寧な接客態度などです。

『目的達成』とは、買いたいと思った商品を購入できること、期待通りのサービスを提供されることで充足されます。

そして、3つ目の『期待以上』
これは、予期していなかった出会いや経験を通して満足を得ることです。
商品の購入や、サービスを受けるだけでなく、「ちょっとした非日常感」を味わいたい。ご自身では気づいていない「私に合った商品を勧めてほしい」、「コミュニケーションを楽しみたい」などの目的を達成されると、この『期待以上』を実感していただくことが出来ます。
マスクでも買い物楽しい!
この『期待以上』は、お客様一人ひとり感じる場所も、事柄も違っていて、接客する側は、そのお客様をよく見て、見極めてアプローチすることが必要となります。
これら顧客満足に至る3つのステップを踏襲して初めて、そのお客様はあなたや、あなたのお店のファンになり得ます。

けれども、コロナ禍にあっては、この顧客満足を充足するためにも必要不可欠となるキーワードは『安心、安全』です。

お客様に『安心、安全』を確実に感じていただける、提供できるために、おさえておきたいポイントは2つです。

1つ目は、今、実施されている感染症対策のための処置が、しっかりとした意味があることをお伝えし、また継続することです。
そのためには、国や、地方自治体などから発表される感染拡大予防ガイドラインなどを頻繁にチェックすることをおススメします。

例えば、私の活動している大阪府であれば、大阪府のサイトがあります。
http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku/kansenboushi/index.html
このページから、あなたのお店にあった予防ガイドラインを探して、お店で実践できているかを、定期的にチェックすることをお勧めします。

2つ目に出来ることは、店内の美しさやスタッフの身だしなみに気を付けることです。
単に清潔にするだけではなく、コロナ以前にも増して、品物の陳列が乱れていない。店内の棚やガラスやテーブル、床などがピカピカに磨き上げられている。アルコールスプレーをお客様の視界の中で行うなど。
これらの「安全の見える化」を常に意識することが大切です。スタッフの身だしなみが乱れていたり、店内が少し雑然としたりする印象を与えてしまうと、「こんな風だと、新型コロナウイルス対策も万全ではないのではないか・・・」という不安につながりかねません。

お客様との会話の頻度、距離の取り方のコツは『見守り』と『臨機応変』

挨拶はウエルカム感を伝えるポイントです。お客様をみつけたらすぐに挨拶しましょう。そして、お客様から3mほどまで歩み寄りましょう。

そのとき、お客様の様子をよく見て、お客様がなにか言いたそうでしたら、もう少し距離を縮めます。そうでなければ、そのまま少し離れたところから見守りましょう。お客様によって、安全への意識や不安、人との距離感は違います。
さりげなく見守っていると、お客様がなにをしてほしいかがわかりやすくなります。商品を触っていらっしゃったら、少し近づいて声をかけましょう。このときも、お客様が声をかけられて嬉しそうでしたら、そのまま会話をしますが、少し後ずさりするなどなさった場合は、距離をキープし、またさりげなく見守ることにします。

お客様のニーズを知るためには、よく見てアプローチする、そこからまたお客様の反応を判断して次の行動を決めるという臨機応変な繰り返しがポイントです。

お客様によっては、さらに情報やおすすめをすることで、コミュニケーションを図れます。お客様のニーズを見極め満たしてこそ、お客様は納得されます。
これはコロナ禍であってもなくても同じですが、コロナ禍では安全への気遣いが含まれるため、よく見る力が必要となります。

最近、マスク専門店に行きましたが、スタッフ全員が挨拶の時の目が笑っていて、私を見た瞬間、近づいてきてくれたことにウエルカム感を感じました。さりげなく見ていてくれ、わたしがサイズに迷っていると、近づいてきてくれました。距離感には気をつけながら「シルクのマスクが不織布のマスクより保湿効果があり、肌を傷めないだけでなく美容効果がある」ことなども話してくれました。笑顔でハキハキ話してくれるので、少し離れていても全く違和感がありませんでした。

お客様のほうから声をかけてきたときだけ接客する。レジ対応だけするという消極的な接客では、プロとしてのおすすめすることや、ニーズを聞きだすコミュニケーションの機会を失い、販売の機会損失にもつながります。
せっかくお越しになったお客様に『楽しいひととき』を提供することも、プロの接客者の仕事です。その点を意識しましょう。

一方、お客様の方からぐいぐい近づいてこられ、避けにくいというスタッフの相談を受けたことがあります。
そのときは、さりげなくお客様との間に商品やカウンターを挟むなど、向かい合わず、横並びになるなどの工夫をし、自分の安全もはかりましょう。
また、マスク越しでも伝わるような話し方をすることも距離を上手く保てるコツです。
カウンター越しの接客でSD
まだまだ予断を許さない状況がつづく毎日です。しかしサービス業で働く私たちもいつまでも休んでいられません。刻一刻と変化する『最適なあり方』への情報をキャッチしつつ、今、お客様から何が求められているかを常に意識しましょう。
そして、「やっぱり来て良かった」と思っていただける接客ができるといいですね!
ウイズコロナがいつしかアフターコロナとなったときのために、今、しっかりファンをつかんでおきましょう。

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このマナーについては、#マナーOJTインストラクター養成講座 #企業研修講師ストレートコース

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 石井由美子

講師 石井由美子blog

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