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ホームパーティーで楽しそうにテーブルを囲む人々の写真

初対面の外国人をポットラックパーティに招くには? ストレスなく合理的に楽しく

2019/05/17


こんにちは。
トップマナーOJTインストラクターの石井由美子です。

ポットラックパーティとは、食べ物や飲み物などを参加者が持ち寄るパーティのこと。
前回は、「持ってきてほしいものは遠慮なく伝える」「材料を示し食事制限への配慮をする」「招待状での情報共有と時間になったら終了!でストレスフリー」などをお伝えしました。
>>>外国人をポットラックパーティに招くには? 日本人同士でも参考にしたいホームパーティのコツ

今回は、留学生や先生を招いてのパーティ、あるいは仕事仲間を招いてのパーティなど、初対面の人が多い場合や少し人数が多くなった場合についてお話します。日本人や外国人の友人には持ち寄りをお願いして、ゲストの外国人にはおもてなしをするというイメージです。

初めて日本人の家庭を訪れることは、外国人ゲストにとっても興味津々の体験。おおらかな気持ちで肩肘張らず、コミュニケーションを楽しみましょう。
トラブルを避け、ストレスフリーに楽しむためのポイントをお伝えします。

習慣の違いからくるトラブルを避ける3つのポイント

大勢が時間もまちまちに出入りするようなパーティでは、習慣が違うことで思わぬトラブルもあります。
いちいち言わないでも済むように、ハウスルールは誰でも「目で見てぱっとわかる」ようにしておきます。

①玄関には「禁煙」「靴を脱いでください」の表示。
靴を脱いでくださいとの英語の看板を掲げる熊のぬいぐるみ
②プライベート空間や物には「Private」のシールを貼っておくとわかりやすいですね。ハウスツアー(家の案内)をするときは、開けてほしくないクローゼットやタンスにもさりげなく。
外国人にとって和室や畳、お仏壇は興味津々。干支の置物や小さな和風小物も興味を引くようです。ぜひ楽しんでもらいましょう。
開けて欲しくないドアに貼るサインの例
③小さな子どもが参加する場合、興味があるものを勝手に触ることも。壊れやすいものはあらかじめしまっておきましょう。

以前、ホームパーティに外国人ゲストを招いたとき、食器棚を開けて見られていたことがありました。日本の日常の器に興味を持たれていただけなのですが、大切なものもあるので、そちらが気になるとストレスになりますね。
また、ある中国の方は、和室に案内したとき、母が生前いつも使っていた小さな籐椅子を気に入られ、何度も「買いたい」と言われました。譲れないものだったので丁重にお断りしたのですが、とても古いありきたりなものでしたので意外でした。これは母も笑っているような、ちょっと嬉しかったエピソードです。

コミュニケーションを取りやすくする3つのポイント

初対面の人が多い場合は、コミュニケーションを図る工夫をします。
①名札シールを用意し、お名前と国がわかるようにする
服に貼れるシールとマジックペンを用意しておき、記入して胸元などに貼ってもらいます。
②友人に声かけ役(ホステス役)を頼んでおく。
③スマホの写真で盛り上がる。
お名前シールとペン
名札シールを見て「なんて呼んだらいいのですか?」「どんな国ですか」と聞くことも、会話のきっかけになります。
初対面の外国の人とは、日本の印象や目の前の料理の説明も会話のネタとなりますが、会話の中に出てきた家族やイベントの、スマホの写真を見せてもらうと簡単に盛り上がります。
「そのときの写真はありますか?」「よければファミリーの写真を見せて」など質問をしてみましょう。

お国の景色やイベント、「わぁ」と思うような民族衣装やドレス姿など、見せていただくとこちらも楽しくなります。
ぜひ、その気持を伝えましょう。
グレート! ゴージャス! ビューティフル! カワイイ!(カワイイ!は世界共通語)でOK!
写真を見せてもらったのに、反応が薄いと、「つまらないのかな?興味ないのかな?」と思われます。やっぱり、笑顔が安心感を与えますね。英語は気にしない!

そして、外国人でもシャイな人はいます。ポツンとひとりになる人がいないように、目配り・気配りしたいもの。ひとりでは難しいので、あらかじめ社交的な友人に「そんな人がいたら声をかけてね」と頼んでおくと安心です。

後片づけを簡単にする工夫でストレスフリー!3つのポイント

ストレスなくパーティを主催するためには、さっと後片づけができることも大切なポイントです。
大勢の人が来ると、どうしてもちらかってしまいます。日本人だとちょっと重ねておいてまとめる、落ちたものを拾う、ということをしますが、そういう習慣がないこともあります。
パーティのあと、片づけでぐったりしてしまうと、だんだん心の負担ともなります。できるだけ簡単に、合理的にできるところはそうしましょう。

①スリッパは出さない。
人の出入りでぐちゃぐちゃになりますし、むしろスリッパに履き替えるのは日本独特の習慣と言えるので、外国人にはなじまないことが多いようです。体格が大きな人には、スリッパも合わないですね。

②トイレはタオルではなく、ペーパータオルを用意します。
大勢の人が使うので衛生面からもおすすめです。ぽいと捨てられるごみ箱もわかりやすいところに。

③分別ごみは段ボール箱などをビニールで覆い、部屋の隅に。
瓶や缶など手書きのステッカーを貼っておきましょう。ごみの分別の意識がない国は多いのです。またお手伝いしてくれるお友達にとってもわかりやすくていいですね!
ホームパーティーで楽しそうにテーブルを囲む人々の写真
和室の前でスリッパを脱いでもらったあと、誰も履いて戻らず、スリッパが入口にいくつも重なっていたということがありました。
玄関でスリッパに履き替える、和室ではスリッパは脱ぐ、トイレではまた違うスリッパに履き替える……。外国人にとっては不思議な日本の習慣かもしれませんね。

パーティの一番の目的はコミュニケーション。
ちょっとしたイライラや心配のもとは未然に防いで、シンプルに合理的にストレスなく楽しみましょう。
そしてコミュニケーションはいつでも笑顔から! 笑顔はグローバルです。

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日本マナーOJTインストラクター協会
トップマナーOJTインストラクター 石井 由美子

講師 石井 由美子 blog

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