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ワインを囲んで語らう女性たちの写真

初めての外国人のホームパーティ フレンドリーに楽しく過ごすための3つのポイント

2019/06/28


みなさん、こんにちは。
トップマナーOJTインストラクター石井由美子です。

前回、前々回には、外国人を自宅に招いたポットラックパーティについてお伝えしました。

外国人をポットラックパーティに招くには? 日本人同士でも参考にしたいホームパーティのコツ

外国人をポットラックパーティに招くには? 日本人同士でも参考にしたいホームパーティのコツ


初対面の外国人をポットラックパーティに招くには?ストレスなく合理的に

初対面の外国人をポットラックパーティに招くには? ストレスなく合理的に楽しく

ポットラックパーティとは、食べ物や飲み物を参加者が持ち寄るパーティのことです。
今回は、日本で暮らす外国人の家に、初めて招かれたときのマナーについてお話します。

イメージは気軽なホームパーティ。子どもと同じ学校の外国人の家庭や、英会話の先生からの少人数のホームパーティへのお招き、職場の外国人仲間からの招待、趣味のコミュニティのパーティなどです。

嬉しい反面、ちょっぴり緊張もあるかもしれません。
フレンドリーに交流を深め、楽しく過ごすためのポイントをお伝えします。

手土産は手間を取らせないものを。高価なものも、持っていかない

お宅を訪問するとなると、最初に気になるのが手土産ですね。
「何を持っていったらいいの?」と聞くのがいちばん早いのですが、特に何も言われなければ花やお菓子、お酒がOKの場であればワインや日本酒などが喜ばれるでしょう。

花は相手に花瓶の用意をさせなくても良いように、アレンジメントがおすすめです。場所を取る大きなゴージャスなものではなく、小ぶりのもののほうがすぐにその場に飾ってもらえます。
季節の美しい和菓子などを持っていくのも、話題のひとつにできていいですね。

白ワインはその場で飲むつもりなら、冷やしておいたものを持っていきましょう。
ワインオープナーがない場合もあるので、オープナーは持参しておいたほうが無難。最近は手でひねって開栓できる美味しいワインも多いので、そちらをおすすめします。

プレゼントワインをもって呆れている女性の写真

友人から聞いた失敗談です。
ワイン通の彼女は、外国人の友人にぜひ飲んでほしいと、数万円もするとっておきのワインを持参しました。ところが、ワインは紙コップに注がれてしまいました。「紙コップで飲むと味も変わる……」と、彼女はひどくがっかりしました。

日本人は「ワインは、ワイングラスがなくてもせめてガラスのコップに注ぐもの」と思っていることが多いのではないかと思います。その外国人にとってワインは特別なものではなく、いつでも紙コップで飲むようなとても日常的なもの、気軽なものだったのかもしれませんね。
海外では、牛乳パックのような大きな容器に入った、カジュアルワインはよく見かけます。

「高価なワインは趣味が共通で、わかってくれる人に持っていかないと楽しめなくなるから要注意!楽しむのが目的なのだから、あまり気を張らず気軽に持っていったほうがいいと思ったわ」という彼女に、「ちゃんとグラスで飲むから、ぜひいいワインを持ってきてね!」と言って笑い合いました。

この話は興味深く、ワインに限らず高価なもの、想いのこもりすぎたものも、時には避けたほうが良いのだということを教えてもらいました。お互い負担がない範囲がいいですね。

大人のパーティ? 子ども同伴? 目的の確認を

さて、そのパーティの目的はなんでしょう。
大人同士のコミュニケーションの場なのか。子どもを連れて行って一緒に過ごすパーティなのか。

子どもを連れていくときは、同伴して良いかを確認しておきましょう。
日本人に比べ、外国人の多くは、大人と子どもがいる場所や時間の区別の意識が高いように思います。
特に欧米では、家族の中にあっても互いのプライバシーを重視します。子どもは小さな頃から個室が与えられ、夜は決められた時間に就寝させ、その後は夫婦の時間を持つ、というような習慣があります。
子どもには子どもの、大人には大人の空間と時間のけじめが必要とされていることを感じます。

あなたを招いた外国人は、「大人の女性同士で話をして、気晴らしの時間を持ちたい」と思っているかもしれません。大人同士のコミュニケーションを深めることが目的だとすると、子ども連れではないほうがいいこともあります。

ワインを囲んで語らう女性たちの写真

「外国人の家で、親ががんばって英語を話す姿を子どもに見せたい、という思いがどこかにあるかもしれない……」と日本人の友人から聞いたことがあります。また、外国語を話すようなグローバルな場に、子どもが慣れてほしいという思いもあるでしょう。
その場合、「子どもの教育のため外国人の家に行く体験」が第一の目的となってしまいますね。
たとえ子ども同伴であっても、「相手との時間を楽しむことをいちばん大切にする」意識があれば、お互いの良い関係が続いていくのではないかと思います。

苦手なものをすすめられたら、きちんと断る勇気を

苦手なものをすすめられても、「自慢料理」と聞けばノーとは言いにくいのは、どの世界の人間、誰でも同じです。それでも断るときはちゃんと伝えないと、どんどんすすめられかねません。
英語で「No, Thank you」という言葉は言い方によっては、ちょっと失礼になることもあるようです。

相手に感謝しつつ断る言い方として、

Thank you but I’m fine.
Thank you but I’m good.
Thanks but no thanks.

はいかがでしょう。

日本語でも、「結構です」と言うときつく聞こえることがあります。「ありがとうございます。もう十分です」のほうが、相手の気持ちに配慮したやさしい言い方ですよね。
また、言葉だけでなく声の調子、表情やアイコンタクトが気持ちを伝えます。

日本人はどちらかいうと、「Yes」と言って、その場の雰囲気をまずくしたくないという思いがありますが、欧米ではいかに「No」と言えるか、ということを子どもの頃から学びます。
これは自分の考えを持つこと、そして犯罪から身を守るということからきているそうです。
先ほどお伝えしたような、相手に配慮した言い方であれば、こちらが心配するほど相手は気にせず受け止めてくれます。

逆に、お代わりをすすめられたときに遠慮して断ると、もう二度とすすめてくれません。
「1回目はつつましく断って、もう1回すすめてくれたらもらおう」なんて考えは日本的。あっさり背中を向けられ、「しまった!」と思うこともありました!

サラダをとりわけいている様子

外国人にとっても日本人にとっても、互いの家に招かれることは知らない文化に触れ、発見のある楽しい経験です。それらを話題に盛り上がりもします。
日本人、外国人に関係なく、お互いをよく知り合い、人間関係を深めていく気持ちが、最も大切なポイントですね!

ところで、いつも違和感があるのがお別れのとき。
玄関まで見送ってくれたら、あとはバタン!と音を立ててドアを閉められることが多いです。
びっくりしますが、忙しかったわけでも、あなたのことを大切に思ってくれていないわけでもありません。そういうものらしいのです。
相手が見えなくなるまで見送る日本人とは違うだけのこと。面白いですよね!

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このマナーについては、#ソーシャルマナー #インバウンドコーチⓇ #英語接遇ベーシック

日本マナーOJTインストラクター協会
トップマナーOJTインストラクター 石井 由美子

講師 石井 由美子 blog

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