接客ロープレコンテストで悲願の全国大会出場に向けて3年間本気で取り組んだ元販売員の私が大切にしたこと
2021/08/20
みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの清水真弓です。
接客ロールプレイングコンテストの全国大会出場は、ほとんどの場合、大変狭き門となっています。
狭き門だからこそ、全国大会に出場した接客スタッフがいるということは、所属する企業の認知度アップにもつながります。
私が参加したロープレコンテストは、日本最大級の規模を誇る大会で、参加できるのは、全国の約3万3000店の中から勝ち残った上位30名だけでした。
ロープレコンテスト全国大会出場権を獲得することがいかに大変で、出たというだけで、業界でも一定の評判を得られるか、ご理解いただけるでしょう。
何年も全国大会に向けてチャレンジするスタッフも多い中、勝ち進むのは容易なことではありません。
そんな全国大会に出場した私が、普段から特に大切にしていたポイントや心がけについてお伝えします。
事前準備で大切な3つのポイントはズバリ 商品分析・質問対策・時間感覚
商業施設の接客ロープレコンテストでは、お客様については、性別や年代といった最低限の情報しか事前に知らされません。
ロープレコンテストでどのような『お客様』が出てきても対応できるように。
特に大切な3つの事前準備は、『商品分析』『質問対策』『時間配分』です。
中でも最初に取組みたいのは『商品分析』です。
素材は何でできているのか、お手入れの方法にはどういったものが最適か。
質感はどうなのか、太陽の下でどう見えるか、電灯の下でどうなのか。
汗をかいたときどうか、動きやすいか。
可愛らしく見えるのか、シックで大人っぽいか、組み合わせのお勧めには何かなど。
コンテストで持ち込む商品に関してしっかり『商品分析』を行い、あなたのお気に入りの一点のように説明出来るようになっておきましょう。
十分に知っていることで、商品提案の際に自信を持って伝えることができますよ。
次に大切な準備は『質問対策』です。
私がロープレコンテストの対策に取り組んでいたときは、商品に合わせて約100の質問を想定していました。
これだけ用意しておくと、お客様役から想定外の質問を受けることはグッと減りました。
100問と聞くと、ちょっと驚かれるかもしれませんね。
商品分析を行った過程で、あなた自身「ふむふむ、なるほど!」と思うことはたくさんあると思います。
そうしたことが答えとなる質問を想定しても良いですね。
例えば、『洗濯の際はネットに入れてぬるま湯で手洗い』とあれば、質問は『繊細そうだけど、お手入れは、毎回クリーニングですか?』など。
質問対策では、端的に分かりやすく回答するために、伝え方の工夫も練習すると良いですよ。
最後に大切なのが『時間配分』です。
ロープレコンテストは、決められた時間内で行われます。
常に時間を意識しながらニーズの聞き出し、商品を提案して、お客様の疑問を解消する。そして、クロージングに繋げる。
この流れを、時間内に進めなければなりません。
特に予鈴がなってからの数分はとても重要な時間です。
この間にどれだけ納得度の高い、購入後の未来を見せられるか、つまり、クロージングできるかで購入の可否が決まります。
ロープレコンテストでは、どんな『お客様』が出てきてもこれら3つのポイントを接客の中で実行できることが高評価の決め手になります。そのためには、以上の3つを踏まえた事前準備が大切です。
これは、実際の店舗での接客でも同じですね。
お客様理解に重要なのはズバリ ニーズの深掘と答えを引き出しやすい質問方法
お客様のことをよく知らないと、お客様に合った商品提案はできませんよね。
お客様のニーズを知るためには、会話で出てきたキーワードの深掘りが重要になります。
これは失敗例ですが、私は、全国大会の一歩手前まで勝ち進んだ大切なロープレコンテストで、お客様役のキーとなるニーズを把握できず、関係のない質問をしすぎてしまい、かえってお勧めすべき商品が分からなくなり、迷ってしまったことがありました。
この時の敗因は、キーワードの取りこぼしだったと思います。
限られた時間内での接客では、闇雲に質問するのではなく、『キー』となるニーズをキャッチして質問をすることで、お客様のニーズを深掘りすることが大切です。
私がよく意識していたのは「お客様はなぜこの商品が気になったのだろう」ということです。
『商品を意識』した背景について聞き出す質問をしましょう。
背景を知りたいからと言って、商品を手に取ったお客様に近寄って、いきなり、「なんでこの商品が気になるんですか?」と質問することは、場合によっては、失礼な印象にも受け止められます。
そんなときは、感じの良い話し方を意識した挨拶とクッション言葉を活用しましょう。
「こちらの商品を見てくださりありがとうございます!お差し支えなければ、この商品が気になったきっかけを教えていただいてもよろしいでしょうか?」
私たちの商品を手に取っていただいた=気に入ってくださったことにまずは感謝の言葉で挨拶を述べ、差し支えなければとのクッション言葉を挟んでから、
「何で気になったんですか?」は、「気になったきっかけを教えていただいてもよろしいでしょうか?」と依頼形で伝えましょう。
このような、テクニックを用いた質問を重ねる中で、お客様の考えや背景、状況などを把握していきましょう。
理解を深めることで、ニーズに合った提案がしやすくなります。
思わず買いたくさせるにはズバリ 購入後のイメージを具体的に伝える方法
お客様は基本的に商品を買うことだけが目的ではありません。
購入後にその商品を使って起こる変化やベネフィット(恩恵や価値)を得ること。それが最大の目的です。
購入とは、あくまで目的達成の通過点に過ぎないと言うことです。
そうしたことを踏まえて、お客様には、購入後の明るい未来をイメージしていただけるよう、商品購入のベネフィットを具体的にお伝えしましょう。
その際ぜひ活用したいのは、お客様から引き出した状況や環境、希望に絡めたストーリーです。
例えば子育て中のママがストレッチの効いたパンツを買いに来た場合。
「こちらでしたら、びよーんと生地が伸び大変動きやすいので、子どもさんと思いっきり走り回っても窮屈さを感じません。息子さんがかけっこ好きということでしたので、大好きなママと青空の下、思いっきりかけっこできたら、息子さんもとても喜ばれるのではないでしょうか♪」といった感じです。
商品をどんなシーンでどのように使うことで、誰とどんな気持ちを味わえるのかを、具体的に思い描くことができたらどうでしょう。
そういったイメージをどんどん膨らませ、トークで伝えることが大切です。
さらにはその時に、印象に残る伝え方をすることがお勧めです。
例えば商品のキャッチコピー的なものやキラーフレーズを伝えたり、擬音語や擬態語、比喩表現などを動き伴って伝えたり。
一本調子ではなく、抑揚をつけ表現してみましょう。
コンテストであなたの接客を見ている人にも、あなたの持っているイメージが伝えるためには、どんな言葉が響きそうか、どんな話し方なら気持ちが伝わるか。
ぜひ、スタッフ仲間やお友だち、ご家族の方を実験台に、色々練習してください。
クロージングのここぞといった所でそれができるようになれば、審査員の印象にも残りやすくなりますよ。
ロープレコンテストで全国大会に出場すること、良い成績を残すことを悲願として努力しているスタッフさんや企業様、商業施設様はたくさんいらっしゃいます。
私自身も挑戦していたときがありましたのでよく知っています。
Manner Up Magazineでお伝えした内容は、ロープレコンテストだけでなく、日頃の接客でも活かせることばかりです。
この記事をお読みなったみなさんが、コンテストに出られるみなさんが、全力を出し切って良い結果となりますように…!健闘を祈ります。
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日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 清水真弓
講師 清水真弓 blog