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ワイン片手に映画を楽しむ女性の写真

ワイン初心者でも楽しめる!ワインエキスパートがおすすめする『あなたの人生を豊かにしてくれる映画とワインの楽しみ方』

2022/04/29


みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの安徳 美妙です。

ようやく海外旅行も解禁された今年のゴールデンウィーク。
とはいえまだまだ様子見だという方に、お家で過ごす、とっておきの方法をお伝えしたい!

私は、“ステイホーム”の関係なく、もともと家で過ごすのが大好きなタイプです。
特に最近のマイブームは夜、子どもが寝た後にお酒を飲みながら海外ドラマを観ることです。
これは、何よりの楽しみです♪

定額動画配信サービス、いわゆるサブスクというものですね。
これを契約している方も多いと思います。
時間に比較的ゆとりがあるときに、自宅でゆっくり映画を楽しむのもいいですよね。

ニューノーマルの時代を迎え、これからどんな風に生きていきたいか。
お仕事は?子育ては?
働き盛りの現役時代の私たちだからこそ悩みは尽きないと思います。

そこでこのコラムでは、連休におすすめの人生を考える映画をご紹介いたします。
ワインエキスパートの資格を持つ私がセレクトするのは、キーワードが『ワイン』の映画です。
とは言え、「通でないと楽しめない~」、といった難解な作品ではありません。

ストーリーの中心は仕事、恋愛、家族、といった誰にとっても普遍的なテーマ。
その中でワインが人生を見つめ直す要として登場します。

普段はワインをそれほど飲まないという方でも、この映画を観れば思わずワインを飲みたくなる!そんなワインをそばにおいて人生見つめ直したくなる映画2作品セレクトしました♪

人生経験のある大人だからこそ楽しめる!『サイドウェイズ』(2009年公開/日本)

アメリカのワイン産地として有名なカリフォルニアのナパ・ヴァレーを舞台としたストーリーで、カリフォルニアの広大なぶどう畑の景色や、ワイナリーでのテイスティングシーンが満載!
それだけでワイン好きにとってはすでに心惹かれますが、俳優陣の演技も魅力的です。

ロサンゼルスでレストランを経営する日本人男性(生瀬勝久さん)は結婚式を目前に控えながらも、独身最後の1週間は羽目を外す気満々。
その結婚式に参加するためにアメリカを訪れる友人(小日向文世さん)は、脚本家と言いながらも実際には脚本スクールの講師の仕事がメインのちょっとパッとしない日々。
2人が若かった頃の共通の友人(鈴木京香さん)は離婚後、自分の居場所を求めてナパ・ヴァレーのワイナリーで働いています。
彼女が親しくしている年下の友人役には、菊池凛子さんが出演しています。

ストーリーの詳細はネタバレになるので控えますが、登場人物たちは中年と言われる年に差し掛かり、それぞれ挫折や、別れを経験し、夢を諦めたり、とある後悔を引きずっていたりと、それぞれ過去を背負っています。

観る側も、同じように色々な経験をしている大人だからこそ楽しめる映画だと思います。
コメディ要素もあって気楽に楽しめますが、それだけではありません。
ワインのテイスティングの作法や、ぶどうの種類についてのミニ知識もあり、そうした情報は、ワイン好きでなくとも知的好奇心をそそられます。

劇中には人生をワインになぞらえたセリフが幾度か登場しますが、中でも私が好きだったのは、キャリアの選択に悩む鈴木京香さん演じる女性に、ワイナリーの人がかけた言葉です。

「ワインにも人生にも正解、不正解はない。それぞれの選択にそれぞれの味わいがある」

大人になると自分で自由に選択できることが増えますが、その分結果も自身で受け止めなくてはいけません。
そんな大人にとって、勇気をもらえる一節だなと思いました。

映画タイトル『サイドウェイズ』は「遠回り」という訳もできるそうです。
どんな人生もシンプルなものなんてありませんよね。

自分自身の人生も、昔思い描いていた理想とはちょっと違うけど、こういう人生もありかな、そんなポジティブな気分にさせてくれる映画です。

人生の大きな決断を後押ししてくれる『プロヴァンスの贈り物』(2006年公開/イギリス)

この映画の主人公を演じるのはラッセル・クロウ。
監督リドリー・スコットの別作品『グラディエーター』でも主役を務めたラッセル・クロウですが、この映画で演じるのはロンドン金融界の敏腕トレーダー。

仕立てのよいスーツを着てアストンマーティンに乗り、住まいはロンドンの街を見下ろせる豪華な部屋。
加えて魅力的なルックスを持つ彼はデートをする女性に困ることはありません。
いわゆる“成功者”としての日々を謳歌しています。

そんな彼のもとに、おじが亡くなったという知らせとともに、おじの家と所有するワイン畑の相続の話が舞い込んできます。

その遺産を、はじめから売却するつもりでいる彼は、相続の手続きのためにおじが住んでいたフランス、プロヴァンス地方に出向いたことがきっかけで、彼の人生は大きく動き出します。

大人になり疎遠になっていたものの、少年時代には毎年夏休みを過ごしていたのが、このおじの家。

ワインを造りながらプロヴァンスでの生活を楽しんでいた、ちょっと風変わりだけど憎めないおじ。
そんなおじから彼は、少年時代に色んなことを学びました。

よみがえる、おじと過ごした少年時代の思い出。
おじの畑から造られたワイン、そしてマリアン・コティヤール演じる女性との出会いが主人公に少しずつ変化をもたらします。

とはいえ、キャリアを築くために昼夜休みなく働いてきた彼にとって、プロヴァンスで過ごす時間はあくまでも「ヴァカンス」生活をする場所だとは思っていません。
そんな彼が
「自分が自分の人生で本当に大切にしたいものは何か」を考え始めるきっかけになったのが次のやりとりではないかと、私は想像しています。

「ここは僕の人生に向かない」という主人公に対し、
マリアン・コティヤール演じる女性は
「違うわ。あなたの人生がここに向かないのよ」と返します。

ワインの世界に“テロワール”という言葉があります。
これはワインの原料であるブドウが育つ気候風土のことを指します。

ワインの生産者が「こんなワインを造りたい」という気持ち以上に大切にしているのが、この“テロワール”です。
その土地に合ったブドウを植え、試行錯誤の中でその土地に合った育て方をみつけ、そして、その土地だからこそ生み出される味わい。
ワイン生産者はそうやって求めるワインを追及します。

こだわりをただ押し通すのはなく、リスクがあることを承知の上である程度自然に委ね、その結果を受け止める。
そこにワイン造りの醍醐味と美しさがあるように私は思います。

ワインの生産者たちは、たとえ天候に恵まれなかった年のワインでも、出来上がったワインは我が子のように愛おしいものだと言います。

人生において大きな決断をするときは誰しも迷い、悩むものです。
「自分が自分の人生で本当に大切にしたいものは何か」ということを考え選択した結果であれば、自分の人生を愛することができる。
観た後にそんな気持ちになる映画でした。
ワイングラスの写真
手間ひまかけて造られたワインは、香り、味わいそして余韻でまで楽しませてくれます。

だからでしょうか、ワインは人生に例えられることがよくあります。
映画だけでなく小説やドラマ、音楽の題材となることも多々あります。

ワイン通の方だけでなく、なんとなくワインに興味があるかなという方にも。
連休には、少し時間をとってでも、ワイングラス片手に映画を楽しみ、人生を見つめ直す…そんな時間はいかがでしょう?

今真剣に悩んでいるあなたのことを、きっと将来のあなたは「よくぞ悩んで選んでくれた!お掲げ今の私は幸せだよ」と、きっと言ってくれるはずですよ。

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マナーOJTインストラクター 安徳 美妙

講師 安徳 blog

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