寝苦しい夏の夜 ぐっすり眠るために整えたい3つのリズム
2022/07/15
みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの加藤りん子です。
梅雨が短かった今年ですが、湿度の高い日本ならではの暑さは容赦なくやってきましたね!
熱帯夜でなかなか寝付けない。
そんな方が少なくないと思います。
日中良いパフォーマンスを発揮するためにも、眠りはとても重要です。
溌剌と活躍するビジネスパーソンであるために。
美しさと、アクティブな知的活動を維持できるフリーランスのマナー講師としても。
私自身、質の高い睡眠にはとても興味があります。
良い眠りに効果的な方法は様々ありますが、このコラムでは今日からすぐ出来る3つの方法をお伝えします。
ポイントは『リズムを整える』ことです。
メカニズムが分かればどれも簡単です。
手っ取り早く眠りを改善したい方。
お医者さんにかかるにはまだちょっと早いかな?でも何か試してみたいという方にお勧めです。
絶対の効能を保障するものではありませんが、生活習慣が変われば『目から鱗が落ちる』るかも!?
自分改革、自己改革で更に上を目指すあなたにお勧めです。
良い眠りのために整えたいリズムその1 光
私たちの体には生体リズムというものがあります。
生体リズムには、脈拍などの周期が秒単位の短いものから、広い意味では生死などの長いものまで様々あります。
(生体リズム|一般社団法人 日本生物物理学会)
なかでも、地球の自転に合わせておよそ24時間周期でリズムを刻むものをサーカディアンリズム(概日周期)と言い、このサーカディアンリズムが狂うと鬱や不眠症、生活習慣病の原因になると言われています。
体調不良の原因となる『不眠』を解消するには、睡眠時間と光の関係が指摘されています。
専門のサイトでも、
睡眠時間は0時から6時を中心とした7時間程度がベスト
起床時刻を一定にし、朝日を浴びる
など、光を生活のリズム改善に取り込むことで、不眠などの睡眠障害が改善されることを説明しています。
(睡眠障害|KOMPAS慶応義塾大学 医療・健康情報サイト)
サーカディアンリズムは目覚めたときに太陽の光を浴びることでセットされると言います。
北欧の方たちは、太陽が顔を出さない冬の間は、朝に敢えて明るい照明をつけることで『朝が来た!起きるぞ!』と体に教え生体リズムを整えるそうです。
朝の光を浴びると幸せホルモンのセロトニンが分泌され、頭をすっきりとさせ自律神経を整えてくれます。
昼間にしっかり明るい光を浴びると、夜に分泌されるメラトニンの分泌量が増えます。
松果体から分泌されるメラトニンは、季節のリズムやサーカディアンリズムの調節作用があります。
(メラトニン|e-ヘルスネット厚生労働省)
一方で、夜に明るい光を浴びることはNGです。
PCやスマホなどのデジタル依存や試験勉強などで夜遅くまで明るい照明の下で活動していると、光の刺激で脳が覚醒し体内時計にずれが生じ睡眠のリズムが崩れてしまいます。
さらに睡眠不足が続くと、日中眠気に襲われたり、倦怠感や集中力の低下で仕事や運転など日常生活に支障が出たりと、支障がでます。
私も夜中にふと思い出してPCで調べ物をすることがあります。
ひとしきり調べものをして、さぁ再び寝ようと思っても、しっかり目が覚めてしまい眠れなくなってしまうことがあります。
光の刺激で頭が完全に覚醒してしまったのですね。
今回調べてみた結果、スマホやPCのブルーライトはメラトニンの働きを抑制してしまうことが分かりました。
睡眠の質をおとさないために、朝起きたあとは太陽の光をしっかり浴びて、サーカディアンリズムを整えるようにしましょう。
良い眠りのために整えたいリズムその2 体温
心地よい睡眠に入るのに有効なものに、加温効果があります。
就寝前に体温を上げることがポイントです。
とはいっても、眠る寸前に熱いお風呂に入るとかえって寝つきが悪くなるそうです。
メカニズム的には、脳の温度が下がるときに眠たくなるようです。
人の体温には皮膚の表面温度の「皮膚温」と、脳や心臓などの体の深部の温度である「深部体温」があります。
深部体温は脳や心臓を守る為、皮膚表面の皮膚温に比べ0,5~1度ほど高いと言われています。
日中活動している時は深部体温が上がり、反対に深部体温が下がると眠くなります。
夏に寝つきが悪くなるのは夜になっても気温が高く体温を放熱しにくいので、深部体温も下がりにくく、なかなか寝付けないのです。
そんな時はエアコンを上手に使って熱を下げたり、パジャマや寝具を吸水性の良い風通しのよいものに代えてみたりして、熱を逃がしやすくするとよいでしょう。
また、お風呂は寝る2時間以上前に温めのお湯に入ります。
体温が上がると血管が開き、放熱しやすくなって熱が下がり易くなるので徐々に眠気を誘います。
サーカディアンリズムと同様に、体温変化のリズムも寝る時間に向けて体温が下がるように調整すると心地よく自然な眠りにつけるでしょう。
小さな子どもは眠くなると手が温かくなるのですぐ分かります。
児科の医師をしている友人に聞いた話ですが、眠たい時にグズグズいうのは血管が拡張することであちこちかゆくなるからだそうです。
グズグズ言い始めたら涼しいところでゆらゆらしてあげると5分で眠ってしまいました。
良い眠りのために整えたいリズムその3 食事
腹時計と言われるように胃袋にもリズムがあります。
就寝に近い時間の夕食や夜食は消化活動が活発になって睡眠を妨げます。
就寝前の食事は出来るだけ控えるようにしたいものですね。
朝食をキチンと摂ることで脳にエネルギーが補給され、体温も上昇するのでシャキッと目が覚め活動できます。
逆に夜はカフェインの摂取を控え、眠りに効果的な栄養素を取ると良いでしょう。
メラトニンの原料となるトリプトファン(必須アミノ酸の一つ)を乳製品や卵、納豆と言ったものから補うことが出来るそうです。
ぜひ意識して摂取したいものですね。
(睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|新百合ヶ丘総合病院)
夕食後や寝る前のホッとした時間についつい甘いものが欲しくなることがありますよね。
甘いものは口に入れた瞬間に幸福感が広がりますが、チョコレートなどのカフェインを含むものは、覚醒作用があるために、残念ながら睡眠には良くありません。
コーヒー、緑茶、チョコレートなどのカフェインが含まれる飲食物は、敏感な方なら就寝5、6時間前から控えた方が良いそうです。
代わりにリラックス効果のあるカモマイルやラベンダーをハーブティーや芳香として楽しむのもおすすめです。
糖質制限ダイエットなどをされている方も多いと思いますが、日中のエネルギー不足は、運動量の低下を招き、夜、睡眠の質を低下させることも懸念されます。
朝起きてから、眠る時間までの食事の質と量について一度計画的に管理してみましょう。
記録し、見直すことで、思わぬ不眠の原因が見つかるかもしれません。
理想の睡眠は7時間程度眠るのが良いと言われます。
眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠があり、体が眠っている状態をレム睡眠といい、脳が眠っている状態をノンレム睡眠といいます。
レム睡眠状態で体を休めて疲れを取り、ノンレム睡眠では脳を休めることでストレスを解消させる効果があるそうです。
良い眠りには、生活習慣、生体リズムが大切です。
眠りを改善することは生活習慣病の予防にもなります。
光、体温、食事の3つのリズムを意識し、見つめ直し、管理することで
良い睡眠を手に入れ、日中のパフォーマンスをグッと上げられる、素敵に活躍できるあなたになってください。
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このマナーについては、#ソーシャルマナー
日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 加藤りん子
講師 加藤りん子 blog
【参考サイト】
(快眠と生活習慣|e-ヘルスネット厚生労働省)