小さなときから身につけたい食事のマナー ~食事の挨拶と、食事中の姿勢
2018/05/08
みなさん、こんにちは。
トップマナーOJT インストラクターの 東 節子です。
幼稚園や保育園に通い始めたお子様たちは、家族以外の人と一緒に食事をする機会がぐんと増えましたね。ゴールデンウイークの間は、お出かけ先で外食をされたご家庭も多かったと思います。今日は、子どもの頃から身につけておきたい「食事のマナー」として、「挨拶」と「姿勢」について3点をお伝えします。
食事の前後の挨拶は、感謝の気持ちを表します
「いただきます」「ごちそうさま」。私たちがふだん何気なく口にする食事ごとの挨拶は、実は海外では珍しく、日本が世界に自慢できる美しい習慣の一つとされています。
「いただきます(頂きます)」は、野菜やお魚、お肉など、食材が持つ命を、私たちがいただいて食べているのだという感謝を表す謙虚な言葉です。また「ごちそうさま(ご馳走様)」も、食材を奔走して調達し、調理してもてなしてくれたこと(馳走)への感謝を伝える言葉です。
尊い食材を一生懸命お料理してくれる人がいるから、美味しい食事ができるのです。それが「当たり前」ではなく、とても「有難い」ということ、そして言葉の持つ意味も、お子様にお伝えください。そして、この挨拶、お父様やお母様も、ぜひご一緒になさってくださいね。
食事の間はウロウロしないで、正しい姿勢で
生後1年くらいで、子どもは栄養をほぼ3回の離乳食から摂るようになりますが、この頃から「食事は、きちんとした環境で、決まったリズムで食べるもの」という意識をもたせたいものです。
遊びながら、テレビを見ながら…という、いわゆる“ながら食べ”は、時間がかかるのはもちろんですが、満腹中枢が刺激されず、食べ過ぎたり、消化吸収が妨げられたりなど、弊害も報告されています。
食べ終わるまで座っていることができず、ウロウロする子は、家庭でも同じように食事に集中できていないことが多いようです。食事の途中で遊び始めたら、食べ物を潔く“撤収” するのが、私の経験ではいちばん効いたように思います。心を少しばかり鬼にしなくてはいけないのですが。
また、食事中の姿勢も大事です。背中はまっすぐ伸ばして、椅子の背にはもたれないように座ります。テーブルの上に肘をつくのも良くない姿勢です。足をブラブラさせると咀嚼力が弱くなるので、椅子に足が届かない場合は、台などの足置きを置いてあげると良いでしょう
お食事は、楽しく会話しながらいただきましょう
会話を楽しみながら食事をするというのは、元来欧米のマナーです。日本では、かつては黙って食べて会話は食後に、という時代もあったようですが、今や食事は、大切なコミュニケーションの時間という認識が一般的です。静かにしなければいけない、ということはありません。
特に家庭では、お食事を家族の団らんと捉え、お子様との会話を楽しんでいただきたいと思います。もちろん、「幼稚園や学校で何をしたの?」などと聞いてもいいのですが、楽しい話題にしてくださいね。わが家では、学校の話をしているとき、「(成績が)下がった」や「(宿題を)忘れた」「(先生に)叱られた」などという話題になると、つい叱り飛ばしてしまい、気まずい食事タイムになったこともしばしばでした…。
ただ、気をつけてほしいのは、「お口の中に食べ物が入っているときは、おしゃべりをしない」ということ。食べ物を喉に詰めることもあって危険ですし、また、見ているほうも不快です。小さい頃から注意したいマナーの一つです。
“食事”とは、私たちが生きている限り絶対に必要で、しかもずっと続く営みです。食事の所作には、その人のふだんの生活や身につけた行儀など、すべてが表れると言われます。
家族での食事は、子どもが自然にマナーを学べる何よりの機会ですが、子どもは、教えられなくても親の真似をするものです。食事中に気をつけたいことは、これからもまだまだご紹介していきます。大人の方もマナーを見直すチャンスです。お楽しみに。
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップ マガジン)」
思いやりの心を行動で表したい方のお役に立てれば幸いです。
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トップマナーOJTインストラクター 東 節子
講師 東blog