選ばれ、信頼できる講師となるために欠かせない「3つの力」を身につけよう
2018/07/17
みなさん、こんにちは。
(一社)日本マナーOJTインストラクター協会会長の笹西真理です。
本日は「信頼され、役に立つ講座運営」を行うために必要なことを、インストラクションマナーとしてかいつまんでお伝えします。
世に「インストラクター」と呼ばれる資格は数多くあります。実際に求められる能力も、指導内容によって大きく異なるでしょう。一方で、企業で活躍する「研修講師」となると、「2種類しかいない」と私はお伝えしています。「講座の中身を考える講師」と「講座終了後の受講生の未来を考える講師」のどちらかです。そして、信頼される講師は後者です。
両者はいったい何が違うのでしょう?
ポイントは、「相手のニーズを理解しているかどうか」。マナーの基本の考え方である「相手の立場に立つ」ことが必要なのです。お辞儀の角度を知りたくてマナー講座を依頼される企業は少なく、感じよく挨拶ができることで「企業のイメージアップにつながる社員を育成」してほしいのですね。
相手の目的や未来予想図を意識して講座を運営することができるかどうか、が大事なのです。ここでは、「3つの力」としてポイントをお伝えします。
事前の打ち合わせで「目的」を把握しておく
まず事前の準備で最も重要なのは、「ヒアリング力」です。
ヒアリングの際には、自分の会社の課題がなんなのか、何を学べば目標達成するのか、具体的にイメージできている担当者は少ないと考えておくこと。だからこそヒアリングを行う際には、一から要望を聞くのではなく、あらかじめ自分なりに推測、検討しておくことをお勧めします。
打ち合わせの時には、「何(WHAT)」の項目を入れるかに終始せず、「なぜ(WHY)」学ばせたい、学びたいとお考えになったかをお聞きしましょう。目的、また今回の講座で到達できるゴールを担当者と共有しておくことがポイントです。
内容の組み立ては全体像を作るところから始める
2つめは、目的とゴールに沿った内容の「組み立て力」です。
ヒアリングした目的とゴールを前提に、大枠の流れを作るところから内容の作成に進みましょう。ポイントは、「ゴールに対して必要な項目が入ること」です。間違ってもいきなり「単元1」から作り始めてはいけません。
慣れないうちにしてしまいがちなミスとして、
①自分の得意分野のボリュームが多くなる
②一つ一つの単元が切れてしまい、講座として流れがスムーズでない
③時間に対してボリュームが多すぎる(少なすぎる)
の3点が見られます。
ミスを防ぐためのヒントとしては、ひとまず時間のかかりそうな部分や、ワークショップなどをはめ込んでから、全体のバランスを調整するようにしていくといいでしょう。パワーポイントなどのスライド作成ソフトにタイトルだけ記入していくのもいいかもしれませんね。
いずれにしても「講座の主役」は常に受講生であり、なおかつ、依頼者から事前に伺った目的、ゴールに沿っているということを意識しながら、作成を進めてください。
受講生の様子を見ながら臨機応変に対応する
3つめは「対応力」です。すべての講義は、「ライブ」であることを意識して、臨機応変な対応を心がけましょう。
プログラムやテキストはあくまでも事前の想像であり、空想の産物です。実際には受講生が思うように動いてくれなかったり、逆にスムーズにいきすぎて時間が余ってしまったり、必要だと思っていたワークやコンテンツが既に周知されたものであったり……。想定どおりにいかないことについては、言い始めるときりがありません。
「決まったコンテンツだから、テキストだから」と受講生の反応を無視しながら進めるのではなく、様子を見て内容を適宜切り替える。場合によっては、ストレートに「こちらのワークを以前に実施されたことがありますか?」と聞いてしまってもいいと思います。答えがYESの場合は、どうフィードバックを行うのか、その場でサッと新しいものを提供するのかなど、状況に応じた判断をすることで講師の力量が鍛えられていきます。
「臨機応変」なアウトプットができるようになってこそ、「信頼できる講師」です。
対応力は経験によってどんどん磨かれていきますので、難しく考えすぎず、人に伝えるという機会を増やしていきたいものですね。
いかがでしたでしょうか。
インストラクションマナーは、教える機会があるほどに磨かれていきます。「経験が少ないから。まだ知識が不足しているから」と言っている間に、刻々と時間は過ぎていきます。経験が少ないからこそ、実践の場を増やし、教えながら自分の足りないところを知ることで、次に何を身につけなければならないのかを学ぶこともかないますね。
インストラクションマナーは「アウトプット(指導する機会)」あってこそ。
受講生の立場に立って考えられるようになるためにも、まずは機会をつくりませんか?
「人は人によって磨かれる」。
あなたの講師力が生き生きと輝きますように。
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日本マナーOJTインストラクター協会
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