外国人とのビジネスマナー 握手のタブー6つの注意点
2019/01/18
みなさん、こんにちは。
トップマナーOJTインストラクター 石井 由美子です。
握手は外国人にとって、「これから仕事をする相手がどんな人物なのか」という第一印象を決める大切なマナーです。前回は、スマートな握手のポイントをお伝えしました。
>>外国人とのビジネスマナー 世界に通用する握手6つのポイント
けれども、習慣や文化をよく知っておかないと、無意識に相手に悪い印象を与えてしまうこともあります。
日本人がやりがちな 「ぺこぺこお辞儀握手」「死んだ魚のような握手」など、あらかじめ握手のタブーについても知っておきましょう。
知っておきたい握手のタブー 6つの「やってはいけない」
1.死んだ魚の握手 Dead Fish Handshake
相手の手の平の中に自分の手をゆだねるような、ふにゃっとした力ない握手のことを“Dead Fish Handshake”と言います。気持ちが悪いと嫌われるだけでなく、仕事に対する意欲や自信もないように受け取られかねません。手を握る力の強さが自信と親しみを伝えるのです。
2.両手での握手や、時間の長い握手
過剰で、なれなれしく見えます。話しながら小刻みに手を上下に振り続けていると、長い握手になりがちです。握手は3~4秒ほどの時間にしましょう。
3.お辞儀をしながらの握手
日本ではよく見かけますが、握手をするときはお辞儀はしません。お辞儀をすると、目をそらしてしまうことになるからです。
握手でもっとも大切なことのひとつがアイコンタクト。お辞儀をすると、相手はずっとあなたの頭頂を見ることになります。にこやかなアイコンタクトをキープするために、お辞儀はやめましょう。
4.手袋をしたままの握手
寒い季節、外で握手をすることもあるでしょうが、基本的に手袋は脱ぐのがマナー。ただし、礼装の場合、女性は手袋を外さなくても良いとされています。
5.くしゃみや咳をするときに口を覆った手で握手をする
これは、不潔で嫌な印象を与えてしまいます。くしゃみや咳をするときは、ハンカチで口を覆うようにしましょう。
6.握手のあとに手を服で拭う
笑い話のようですが、案外やってしまいがち。相手の手が汗ばんでいたりすると、無意識に拭ってしまいがちですが、気を付けましょう。
日本人は、女性も男性も、意識していないと、「死んだ魚の握手」をしがちですが、わたしの夫は「力強い握手」をしようとして、わたしの英会話の先生のイギリス人男性の手を思いっきり握りしめ、「おお!」と悲鳴をあげさせたことがあります。「次は握手のレッスンね!」と言われました。あなたの旦那様や、上司は大丈夫でしょうか?
文化によって違う握手 相手の国や文化を尊重して
握手はグローバルなマナー。基本は同じでも、国や文化によって少しずつ違うことがあります。特にイスラム教の人々は、女性の体に触れることはタブーです。女性同士なら問題ありませんが、相手に合わせましょう。
ほかにも、
1.アジア系の握手はソフトな握手が多いと言われます。
2.アメリカ人は男女問わず、握手を率直に求めてくることが多いと言われます。
3.イギリス人は握手の後も適度な距離感を置きたいと言われます。
もともと握手は、これから始まる人間関係をスムーズにさせるものです。
文化や国の違いばかりでなく、人それぞれ個性もあるので、相手を尊重し、恥をかかせないように合わせることもマナーです。
アメリカ人男性の英会話の先生と握手をしたときのエピソードをご紹介しましょう。
彼は、レッスンの前後に必ず自分から握手を求めてきました。
「女性からではないの?」と思うこともありましたが、その引き込まれるような笑顔、率直な態度は、「またこの人に会いたい」と思わせるものがありました。
また、タブーとされる握手と同時のお辞儀が素敵に見える、こんなこともありました。
アメリカのオバマ前大統領が訪日し、天皇陛下と挨拶を交わしたとき、握手と同時に深々とお辞儀をしました。オバマ前大統領は、日本人にとってのお辞儀の大切さを知っていて、敬意を示すために、あえてそうしたのだと言われています。
わたしも日本人として、オバマ前大統領の気遣いに感動しました。「思いやりの心を行動で表すのがマナー」「型を知ってこその型破り」が素敵ですね。
相手の文化を知って表現することは、それだけで敬意や熱意を伝えるものです。
「相手と良い関係を築きたい」という気持ちを、笑顔とアイコンタクト、自信と熱意を伝える握手で表現しましょう。
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